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三菱地所の産業創出ファンド!

皆さん、おはようございます!
異口同音。新たな事業創出と事業再構築とは、概念の違いこそあれ本質は同じでしょう。スタートアップ企業がゼロベースで事業資源を集める大変さはあると思います。仮に既存事業の資源の一部を再利用できても、大切なのはどの様にビジネスモデルを組み立てるかです。



不動産開発を主業としているディベロッパーの雄、三菱地所が新たな産業創出を目的にした投資ファンドの運用を始めることに驚きを隠せません。ディベロッパー本来の目的を考えてみますと、街づくりを通して社会の仕組みを創り出すことにあります。ようやくディベロッパーも、ハードウエアからソフトウエアを創出する事業への転換をし始めたのでしょうか。


三菱地所が考える産業創出投資ファンドでは、設定したサイバーセキュリティー、モビリティ、バイオテックなど12の注目領域を対象に有望なスタートアップ企業を探し投資するものです。今後5年で国内外の約40社に100億円程度を投資する方針を持ちます。従来も企業への出資を行っていましたが、不動産関連事業を強化することが目的となっています。


三菱地所は中長期的に出資するスタートアップ企業と新たな産業を創出することにより、将来の収益貢献につなげて行きたい考えです。三菱地所とスタートアップのノウハウを生かして事業連携する構想を持っている様です。但し、それが単に開発した商品やサービスを自社のオフィスビルに入居する企業に提供するのみに留まっていては産業創出に繋がりません。


また、これまでの様に出資先であるスタートアップが三菱地所の所有するオフィスビルに入居する可能性を模索するのみならず、将来の経済を牽引する産業創出や三菱地所としての業容拡大を見据えた先行投資に傾注して頂きたいものです。三菱地所が新ファンドを始めるのは、従来の事業領域を超えてビジネスモデルを革新することを狙いとしているとしてます。


三菱地所に投資ファンド運営ノウハウがないことから、ベンチャーキャピタル(=VC)のプライムパートナーズと共同運営するとしています。同社は8年前に創業したVCであり、事業の目的としてはスタートアップの成長戦略と大企業の新規事業戦略の双方をサポートすることで、両者が持てる力を最大限活かしたイノベーション創出を実現するとしています。


既に大手広告代理店電通とも共同で電通ベンチャーズというスタートアップ投資目的の100億円のファンドを2つ創設しています。今回の三菱地所との産業創出ファンドからも読みとれるのは、このVCプライムパートナーズにとってメリットが大きいものと思えます。勿論、三菱地所と電通から合計でファンド資金300億円を投資して貰ったこともあります。


それ以上に、ファンド投資を行ったスタートアップと三菱地所や電通との直接的な事業連携のみならず、それら企業が持つ顧客とのネットワークを通じて連携関係を構築することも可能でしょう。旧態依然とした顧客大手企業の事業資源にスタートアップが持つ新しいビジネスの技術やノウハウを付加してビジネスモデルの再構築を果たすことは考え得るでしょう。


三菱地所は、どの様に新しい産業創出に関わって行くのでしょう。気持ちとしては、プライムパートナーズが持つスタートアップと大手企業の連携をするサポートノウハウを吸収し、これまでの不動産開発という狭い事業領域から脱して新しいビジネスモデルに転換して行きたいのでしょう。これからのディベロッパーは、ソフトウエアの仕組み創りが望まれます。


今日もありがとうございます!
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