誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

コーポレートファイナンスと心理学!

皆さん、おはようございます!
ある地方銀行の営業担当者が、本当はもっとお客様の事業を再構築する様な仕事に傾注したいと言っていました。それが一現場担当者の本音であるのに地銀という企業の枠組みが、それを許さず表層的な仕事に終始させている所に地方銀行の経営の問題があると感じました。



コーポレートファイナンス(=企業財務)は、企業が運営する事業の経済価値を最大化する為の投資判断、資金の効率運用、効果的資金調達など、資金面から企業の成長、発展を通しより良い社会をつくることを拠り所とする学問です。これに対し心理学は、心を深く知り理解することによって人を助けたり、より良い社会をつくるために活かそうとする学問です。


各々の学問は企業資本と人間という異なる事象を対象にしている為、何の接点もないように見えますが、実はこれらの学際領域がこれから重要になってくるものと考えています。経済学と心理学の学際領域として行動経済学が確立していますが、コーポレートファイナンスも無機質な資本をどの様に有効に活用していくかを突き詰めると人間の行動に依拠してます。


最近、特にコーポレートファイナンスの世界では、企業の経済価値を高めていくためには工場や生産設備といった有形資産ではなく、寧ろ知的財産やノウハウといった無形資産が大きく関わっていると言われるまでに時代が大きく変わって来ています。そうであるなら無形資産の効果を最大限に引き出す為には、その拠り所となる人間心理の理解が不可欠でしょう。


そこにコーポレートファイナンスと心理学が近接する領域としての新しいフロンティアが見出せるものと考えます。人間というアノマリーな特性を嫌うコーポレートファイナンスですが、その領域にも人間は市場で常に経済合理的な行動を採るという前提を置いているに過ぎません。もっと人間という特性に迫らなければ、本当の意味での社会科学とは言えません。


コーポレートファイナンスが扱う数字は、企業会計の枠組みに依拠していることは言うまでもありません。その企業会計がモノを作るメーカーを前提に発展してきており、これからの情報化社会の中で企業が知識やアイディアといった無形の資産を収益の源泉とする場合の従来の理論的な枠組みでは、もはや企業の真正なる経済価値に近付けることすらできません。


欧米では人件費や労務費といった人的資本について、これまで経費としてしか捉えられてこなかった会計の枠組みですが、それを将来の収益の源として無形資産として計上しようとする試みが為されています。資本はヒト、モノ、カネで構成されていますが、このうちモノとカネしか資本として捉えない現在の会計には問題があるといって差し支えないと思います。


無形資産の公正価値測定を研究テーマとしてきた院生時代ですが、企業の正当な経済価値に迫る為にはこの会計上の無形資産の認識・測定に新風を巻き込む良いタイミングだと思います。人間が持つ、アイディアや知恵が生み出されるメカニズムを人間科学としての心理学の知見を深めながら、学際領域としてコーポレートファイナンスを捉えてみたいと思います。


経験知の積み重ねとしての暗黙知を形式知化し企業に定着させることにより、将来に続く収益源としての無形資産を獲得できるのでしょう。その結果として、PBR1倍を超える企業価値を実現することが可能となります。企業というものは人間の英知を集積するプラットフォームの様なものです。過去に捉われず、実務家の視点で未来の扉を開きたいと思います。


今日もありがとうございます!
https://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する