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大手企業の新規事業!

皆さん、おはようございます!
「ファイナンス思考」という本があります。日本の企業の多くが過去を示すPL(=損益計算書)思考が強く、それでは米amazonの様な将来志向の事業を生み出すことは出来ないと。確かに、目先の利益を考えていてはイノベーションは難しいかもしれません。



どの大手企業も新規事業を創出し、イノベーションを起こしたいと考えているでしょう。
既存事業だけでは、今までの様に右肩上がりに成長していくことができないからです。
逆にいえば、今までの右肩上がりに成長する既存事業の中で、売上を伸ばし、コストを削減し、品質改良を行う経営手法では、新規事業の創出は難しいと言わざるを得ません。


イノベーションを起こす為に、目の前に大きな壁が立ちはだかっていることは、どの企業も理解していることかもしれません。三井物産の安永竜夫社長は「三井物産のノウハウや知見はオールドビジネス向け。新事業を生み出すには全く別の組織が必要だ。」とまで断言されています。新規事業を生み出す為には将来志向である必要があるかもしれません。


そんな大手企業も、手を拱いている訳ではなく、様々な手法を使い新規事業創出に向けた取り組みを始めています。企業内にCVC(=コーポレートベンチャーキャピタル=スタートアップ投資を行う専業会社)を設立して社内外のスタートアップ企業に投資したり、社員をスタートアップ企業に修業に行かせたりと様々です。


特に大手企業は外部のスタートアップ企業への投資を増やしているようで、2018年に自社の投資ファンドなどを通じた投資金額が1300億円超(2017年700億円)と前年比で91%も増えています(米国では年2兆円規模)。企業も自前主義にこだわらず外部の技術やアイディアを取り込んだ成長を模索しています。


最近では、ソフトバンクの10兆円のビジョンファンドが注目されていますが、情報通信や製造業といった企業以外にも、日本郵政、東京電力、JR東日本といった内需系企業による投資が増えています。人口減少や人手不足になどに直面している中で、情報技術を活用した既存事業の変革や新しい事業への進出を図る狙いがあるようです。


先ほどの三井物産では、新規事業を創出するための専業会社を新設して、社員のスタートアップ事業の立ち上げを後押ししています。この1月よりグループ社員4万2千人から支援対象とする事業案を社内公募し、市場調査やビジネスモデルの作成を担う機能を持たせるそうです。自前主義の社内CVCというところでしょうか。


この他にも、パナソニック、IHI、ダイキン工業、住友商事、味の素、日産自動車などは、イノベーションを創出しづらい現状を打破しようと、スタートアップ企業などに社員を出向させています。新興企業の素早い意思決定などの流儀を学ばせて、新規事業創出のための人財づくりに繋げる考えだと思います。


日本でも、欧米のようにオープンイノベーションの必要性が認識され、大手企業がスタートアップ企業に出資する事例が増えて来ていますが、この取り組みは資金だけに留まらず、将来新規事業を司る人材をもスタートアップ企業に送り込み、人づくりをも自前主義から脱して行こうという動きであると言えます。


それほど、既存事業(=オールドビジネス)と新規事業は異なるのでしょうか。既存事業は、確立されたビジネスモデルを持つ、ある意味追い風に乗って巡航している事業を財務指標を確認しながら管理していく様なものです。それが経営スタイルとして定着してしまいますと、成長が右肩下がりになった時に慌ててしまうことになります。


新規事業というものは、将来あるべきビジネスモデルを思い描き、そこから逆算して今為すべきことを走りながら考えるという感じです。そこには参考にすべき財務指標など存在しません。それは、大手企業がオールドビジネスをイノベーション(=変革)して行く際にも、将来のあるべき姿を描く必要があるという点では変わるところがないと思います。


それが出来ないから、外部のスタートアップ企業への投資や社員の修業という形で新規事業立ち上げノウハウを吸収しようとしているのでしょう。しかし、それでは時間がかかり過ぎてしまうようにも思えます。いまの時代、本来であれば企業トップに新規事業立ち上げ経験者を据えないとイノベーションはなかなか起きるものではないと思います。


大手企業は既存事業とは隔離した聖域を設けて、その枠組みの中で新規事業を育てていこうという考えているようですが、それでは事業が育たないのではないでしょうか。
新規事業とは白地のキャンパスに絵具を入れる様なものではなく、既存の事業と交わるところに化学反応が起こる変革(=イノベーション)だからです。


今日もありがとうございます!
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シニアが活躍する時代!

皆さん、おはようございます!
「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方をいう。・・」で始まるサミュエル・ウルマンの「青春」を読み返して見ると、全くその通りだと合点が行きます。年齢に関係なく、多様な人が活きいきと暮す時代がもうそこまで遣って来ていると思います。



「70歳代を高齢者と言わない都市」宣言を神奈川県大和市がしているそうです。
「もう年だから」でなく「まだまだ、これから」と思うだけで、行動が少しずつ変わり世界も広がる。「心が動くと身体が動く」。元気な70代が増えてくれば「意識が変わると社会が変わる」。と、いう話しを聞きましてなるほど的を得ていると思いました。


宣言をした後に、70代だけでなく、60代、80代からも「今は年齢で決めつける時代ではない」などの反響があったそうです。少子高齢化により65歳以上の人口が3500万人(全人口の約1/3)を占めている中で、年代に拘わらない全ての人が健康で活きいきとした暮らしが出来る街づくりが不可欠になっています。


そうなるとシニアが活躍できる場を考えて行かなければなりません。町内会の仕事、ボランティア、NPO、企業、行政など、報酬の有無、多寡の選択は個人の自由に、社会との関わりを持てる活躍場所を求めるシニアも増えて来るでしょう。ちょうど、生産年齢人口がピークアウトし減少に転じていますので、社会の側もシニアを求めはじめています。


60歳の再雇用時に減額されることが多かった処遇に関して、基本給の引き上げや成果報酬の導入、責任あるポストの用意といった方法により、シニア層の就労意欲を高めようとする動きが広がって来ています。60歳以上の就労者数は約1340万人(=就労者数全体の2割を占める)までに至っています。


高齢者雇用安定法で希望者全員を65歳まで雇うよう義務付けられていることが背景としてありますが、これが70歳に切り上げ(=義務でない)となる予定です。今までは、ただ年齢を理由に一律で賃金を下げる仕組みとなっていましたが、それが働き手の就労意欲低下に繋がることから、意欲のあるシニアには相当の報酬で報いようとする動きです。


それ以前の根本的な問題とし、俄かに人手不足が顕在化しつつあることを充分に理解しておく必要があると思います。15~64歳の生産年齢人口が2040年に6000万人を割り込み、2015年と比べて1600万人余り減少する見込みとなっています。その影響が既に中小企業に出はじめており、人手不足が理由となった倒産が増えています。


2018年は11月までで362件と前年同期から2割強増加しているそうです。業務を担う人材が確保できずに事業が続けられなくなったり、人材つなぎ留めのための待遇改善によるコスト増加が理由となっているようです。人手不足倒産に見舞われた業種は、飲食業、福祉介護業、運送業などのサービス業に集中しています。


倒産までに至らなくとも、これら業種では人件費増加、人材募集費の増加が顕著になっており、営業時間の見直しを余儀なくされているところが殆どだと思います。
その様な中、人手不足に悩む小売・外食店ではシニアが活躍できるような職場環境の整備が進みはじめています。


具体的にはPOSレジの文字を大きくしたり、掃除などの作業負担軽減に取り組んだりしているようです。飲食店では料理の作り方をイラストで表示し、一目で分かる様にしている企業もあるようです。コンビニエンスストアでは、レジ袋の位置を店員が立ったままでも取り出せる場所に変える実験を始めているようです。


企業側の努力もあって、65歳以上で非正規従業員として働いている方が316万人と、10年前の141万人から2倍に拡大しています。企業のシニアに対する求人意欲も高まっており、2018年7~9月の60歳以上の求人数は、前年4~6月期比で34.6倍にも急増しているそうです。


この様なシニアに対する労働環境の変化は一過性のものではなく、人口動態の変化によるものであり、これからの日本にとって避けては通れない現実だと思います。今までは、シニアが仕事を求めても活躍する場がなかったと言えますが、これからは異なります。
シニアも、どこに生き甲斐の場を見い出すか選択の余地も増えていくと思います。


年齢に関わりなく、健康で活きいきと働ける環境が次第に整っていくものと思います。
シニアの意識も変わり、社会もシニアを求めることとなれば、今までの社会の枠組み自体が変容して行かざるを得なくなります。そこにまた、新たな枠組みを支えるビジネスの可能性が生まれて来るのではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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企業の社会的価値!

皆さん、おはようございます!
企業が提供する財やサービスが、私たち生活者が求めるものと乖離しつつあるように感じます。単なるモノを越えた意味性が求められているのでしょう。企業はもっと経済合理性ばかりではなく、社会的に意義のあることに目を向けるべきではないでしょうか。



ピジョンの山下社長が昨年末、「企業価値は経済的な価値と社会的な価値の和だ。社会的価値とは、皆に『なくてはならない会社』と認めてもらうこと。その価値を高めれば経済的価値も高まり正の循環になる。」といった主旨の話しをされたそうです。企業価値は、経済的価値と社会的価値の「和」どころか「乗数」といっても過言はないと思います。


社会的価値という言葉から、CSV(=Creating Shared Value=共有価値の創造)経営という概念を思い付きます。米経営学者のマイケル・ポーター教授が提唱する「企業は事業を通じて社会の課題を解決することによって、社会価値と経済価値の両方を創造することができる」という考え方です。


一方、世界の経済社会の潮流を見ていますと、2016年に国連の持続可能な開発サミットで「SDGs(=Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標」が世界193ヶ国が合意により採択されています。これは、地球環境や気候変動に配慮しながら、持続可能な暮らしや社会を営むための17の目標*1と、各目


標を実現するための169のターゲットからなる、世界各国の政府や自治体、非政府組織、非営利団体だけでなく、民間企業や個人などにも共通した目標です。この中で、民間企業にもCSR(=社会的な責任)として掲げるだけではなく、事業を営む上での準拠すべき目標として取り組むことを求められている点に注目すべきです。


*1[SDGs]
 ①貧困や飢餓の根絶、②質の高い教育の実現、③女性の社会進出の促進、④再生可能エ 
 ネルギーの利用、⑤経済成長と、生産的で働きがいのある雇用の確保、⑥強靭(きょうじ
 ん)なインフラ構築と持続可能な産業化・技術革新の促進、⑦不平等の是正、⑧気候変動 
 への対策、⑨海洋資源の保全、⑩陸域生態系、森林資源の保全など
  


いま世界的に見ても、第一次産業革命に端を発した工業化への道は、生活者にモノが充足されることにより、先進諸国においては踊り場を通り過ぎ、新たな変革(=イノベーション)の道を探る方向へ向かっていることは疑う余地もありません。モノづくりは中国やアジアをはじめとする発展途上国へ移っていることは誰しもが理解していることでしょう。


その様な最中での情報技術革新ですが、情報技術そのものが新たな製品の創出に繋がるというよりも、情報技術を活用して今まで築いて来た経済社会の枠組みをどの様に変革させて新たなサービスの創出していくかが求められています。その意味では、情報技術は目的ではなく手段だということが出来ると思います。


SDGsに掲げる課題目標の全てを情報技術により直接的に達成して行ける訳ではありません。情報技術の進展により私たち生活者の価値観が変化し、社会の抱える課題の多くを改善して行くことになるのでしょう。生活者の価値観の変化とは、突き詰めると企業と働き手の関係がどの様に変化するかに委ねられていると思います。


働き手側から見た時に、新卒一括採用時に前提としていた企業の成長が行き詰まり、必ずしも一つの会社に長年勤め続けることが、幸せなことではなくなっています。一方、企業側から見た時にも、今までの様な共同体的モノづくりを続けていくことが許されず、もっと働き手との関係を柔軟にアイディアを創出する様な体制に変えていく必要があります。


この企業と働き手の関係の変化に、人口減少問題、少子高齢化問題が付け加わり、今まで築き上げてきた経済社会の仕組みが変化していくものと思います。その時に、不可欠なのが将来に対する構想でしょう。単に一企業の将来ビジョンをどうするかということではなく、社会をどうすべきかを構想する力がないと企業ビジョンも固まりません。


社会の将来像については、人其々だと思いますが、世の中の動きを見ていますと、人々の心の動きが、①行き過ぎた資本の論理からの回帰、②働き甲斐ある自律的な働き方への是正、③持続可能で安心安全なエコシステムの復元といった、SDGsにも通ずる社会が抱えた課題解決の先にある、人々の笑顔が絶えない調和しあう街づくりにあると思います。


なかなか言葉では表現し難いものですが、もっと人々の「信頼」関係を拠り所とする社会になって行くでしょう。最近、ファイナンスの世界で「共感資本」なる概念まで生まれつつあります。機関投資家が資金を投融資する際に、投資対効果だけで判断していますが、それ以前に投資対象となる事業に対して共感を持てるかどうかが大切だとするものです。


人々が共感を持てるか否かは、それが社会的にどの様な意味を持っているかが問われるのではないでしょうか。今年の5月には元号が新しくなります。平成はバブル崩壊後の価値観の変化に迷い続けた期間であったと言えます。次の元号の下では新たな社会の枠組みを創り上げて行かねばならないでしょう。


今日もありがとうございます!
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