誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

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50にて天命を知る!

皆さん、おはようございます!
大海原に漂う中小の事業をしっかりと受け止め、深く根を張って頂くことが不可欠だと受け止めています。将来が不透明な社会の到来を見据え、経営者が生き様を強く意識することが目先の売上を上げることや、費用を削減することにあくせくするより大切なことでしょう。



間もなく怒涛の如く、事業存続に切羽詰まった中小企業が押し寄せてくる勘がします。それを受け止める社会の枠組みとして、中小企業に対する再生事業である405事業(=経営改善計画)が思いつきますが、一見にして中小事業の財務上の課題を見抜き、抜本的に大鉈を振るうことが果たして中小企業にとっての再生の道であるのか疑問に思うことがあります。


如何にも大手企業の様にシステマチックとなった事業に対して行うならいざ知らず、中小企業の事業というものは浮草の様に脆弱で流動的なものだからです。事業の活力をもたらす心臓に経営者の魂を込め躍動させていかなければ、財務的な再生術に疲弊してしまい負けてしまうように思います。確かに資金という血液の循環が滞ってしまえば元も子もありません。


多くの中小企業が債務超過(=債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態であり、資産をすべて売却しても、負債を返済しきれない状態)に陥っている外形的な判断基準をもって
、世の金融機関は新たな資金の貸し出しを止めてしまいますが、過去の業績の結果である債務超過という事実をもって、これから到来するであろう将来の予測など出来ないでしょう。


私の経験値からしても、債務超過に陥っているからといって中小企業が直ぐに倒産する訳ではありません。倒産するかどうかということは、事業に息づく生命力とでもいうのでしょうか、経営者に厚く焦がれる事業に対する思い次第なのです。それは、経営者が事業を通して社会に対して何を実現しようとしているのかという、熱い思いということになるでしょう。


それが経営者としての血の通った思いから遊離した客体として事業を捉えていては、物事の本質を見失ってしまうでしょう。事業というものはもっと人間臭い泥臭いものであり、その意味からは、事業というものは経営者という生身の人間によって育まれていることから、この地球の自然界の循環メカニズムに包摂されている存在であるということが出来るのです。


経営者がどんなに力んで強引に自然界のメカニズムから離れたことをやろうとしても徒労に終わってしまうことを意味します。そうではなく、身体の力を抜いて呼吸を整え、経営者自身の心の中から湧き出てくる無言の声に耳を傾ける必要があります。なぜなら、人間は自然界に抱かれる存在だから、その流れに身を任せながら遣りたいことを感じれば良いのです。


一つだけ大切なことがあります。経営者は自分自身の生き様を自ら理解している必要があることです。自分で自分の思いを知ることは簡単なことではありません。しかし、自分の中にある暗黙知を形式知化するプロセスを経ることによって、人間は大きく成長するものです。独りで自問自答を繰り返していず、気心の知れた他者との対話を通して明確にするのです。


事業というものは、規模の大小で測るものでなく、その質だと思います。どんなに小さな事業でもその存在意義が社会にとって掛け替えのないものであるなら永続的に息づいていくことでしょう。そんな事業が少しでも多くなることを期待しています。その意味では、財務というものを過信することなく、その奥底にある人間的な部分に触れていくことが大切です。


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資本の論理にどう向き合うか!

皆さん、おはようございます!
本当に強い人間は、自分の夢を追い求め邪念をもたずにまっしぐらに走り抜けている人ではないでしょうか。人間は様々な利害関係の中で揺り動かされているものと思いますが、その様な人は周囲に迎合することなく自分の信念に従って自然と他者を巻き込んでしまいます。



「セブンイレブンのスピンオフ(=分離)で株主価値が80%高まる」と、物言う株主として有名な米バリューアクト・キャピタルは、セブン&アイ・ホールディングス株主に向けて
、同ファンドが考える経営改革への賛同を求める書簡を送っているそうです。この話しを聞いて、資本の論理に対する遣る瀬なさと身が凍るような思いを感じざるを得ませんでした。


総合スーパーマケットのイト―ヨーカ堂、コンビニエンスストアのセブンイレブン、百貨店のそごう・西武、ファミリーレストランのデニーズなど、多様な業態を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスがそごう・西武の完全子会社を決めたのは2005年の持ち株会社化をした直後のことだったと思います。その時のことを自分の事の様に克明に覚えてます。


当時の会長であった鈴木敏文氏の陣頭指揮によって、様々な企業に出資して複合経営を加速していた時期だと思います。様々な業態の小売り業を傘下に収めることによって、生活者に対して複合的なサービスを提供しながら、各々の業態の傘下企業が相乗効果(=シナジー効果)を発揮して、コングロマリット経営を成功に導いていく構想であった筈だと思います。


しかし、時価総額は過去10年で約2倍に伸びたものの、持ち株会社が発足した直後の高値と比べて約2割減っており、コンビニ業界トップの高収益企業であるセブンイレブンの経済価値を総合スーパーや百貨店などの他の業態によって足を引っ張っている構図が見え隠れします。多数の事業を抱えるグループ企業がコングロマリットディスカウントに陥ってます。


そこに物言う株主である米バリューアクト・キャピタルが付け入ってきたということが出来るでしょう。同じようにコングロマリットディスカウントに対して物言う株主から付け入れられた企業グループとしてソニーグループがあります。ソニーグループは、電機や映画、ゲームなどの事業のシナジー効果を引き出し、時価総額を10年で15倍に伸ばしています。


セブン&アイ・ホールディングスは、お客様を呼び込む為の改革に踏み込めず、結果的にそごう・西武の店舗閉鎖することを優先したばかりか、挙句の果てにそごう・西武を米ファンドに売却する方針を打ち出すに至っています。確かにそごう・西武をはじめとする百貨店業界の凋落ぶりは、コロナ禍による来店客の消失があったとはいえ惨憺たるものがあります。


一方で、三越伊勢丹ホールディングスの伊勢丹新宿店の様に、お客様が本当に欲しいと思う商品を取り揃える事で、業績を伸ばしているそうです。セブン&アイ・ホールディングスもかつてはロビンソン百貨店を直営し撤退した経緯を持っており、百貨店経営の難しさも知っている筈です。結果的に、そごう・西武の経営に介入出来なかったのではないでしょうか。


仮にセブン&アイ・ホールディングスが株式公開してなかったとしても、グループ各社のシナジー効果を発揮していくことは最低限行わなければならないことでしょう。それさえ出来ていれば、物言う株主に付け入られることなく自信を持って独自経営戦略で論破することが出来るでしょう。それが株価に結びついてなくとも事業として正しいことを為すべきです。


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リスキリング!

皆さん、おはようございます!
いま大学を卒業して間もない方のメンター役を引き受けています。国立大学の教育学部で教員を目指していた彼にとって、事業会社で働くということは少しばかり進路変更ということになりますが、教育とは学校内だけのことではないことに気付けば視野が広がるでしょう。



社会に積極的に関わって行くためには、移ろう社会の変化に対応していくためにも、年齢に関係なく学び続けることが不可欠です。最近では「リスキリング」という言葉が社会に定着していますが、もっと思うがまま自由にリスキリングが出来るよう、政策として学びの機会を増やしたり学ぶための費用負担を軽減するような仕組みを創っていくべきだと思います。


リスキリングとは「次世代の働き方に向け新しいスキルを身につけることであり、スキルを習得することで既存の業務から少しずつ離れ、今までとは別の業務に就くこと」を目標にしています。情報化社会の到来により、IT人財を増やすことばかりに目を奪われがちですが
、もっと様々に創造力を発揮して社会を変革していける人財を増やす必要があるでしょう。


例えば、現在の40歳代以上の方々は、これまで教育の枠組みの中で一定の課題に対して適切な解答を見出す訓練ばかりしてきたことから、社会の中に存在する課題を見出す力が弱いため、専門性を身に付けるばかりでなくもっと人間としての教養を磨くためにリベラルアーツを学ぶことも大切だと思います。創造力などの考える力を身に付けるということですね。


国力を考えるとき、一国が持つ有形の資源以上に大切なのは、やはり教育に勝るものはないと思います。教育というものは、なにも学校に通うばかりでなく、自らテーマを決めて書籍や論文に目を通しながら、自分なりの考えを持つことであり、それをアウトプットしていくことだと思います。時として学校で自分の学びを体系立てて整理することも有益でしょう。


私も大学を卒業してから独学で広い意味での企業財務を学んできており、40歳の時に大学院でそれらを体系立て整理した経験を持ちますが、大学までの学びとは異なり自らの目的が明確であるため学ぶ姿勢がとても前向きであったと思います。月並みですが、私も大学までの学びの期間にもっと目的をもって積極的に取り組んでいたらと思うことが多々あります。


企業財務の学びも、人的資本という領域にまで入って来ますと、もはや企業財務という学問も教えてくれることはない新しい未知なる次元に入ってしまいます。この人的資本をもっと深く掘り下げるため、大学時代に専攻していた心理学の領域にその答えを見出そうと考えています。一昨年学んだカウンセリングもそうですが、最近では組織開発に関心があります。


仕事の場面でも、中小経営者の言語化できない思いを可視化するプロセスで、カウンセリング技法が役立ちます。中小経営者であっても、自らの人生を如何に生きるかという問いかけの中からしか、自らの事業方針は出て来ないものです。自らの人生の生き方とは、ライフデザイン・カウンセリングの領域でもあり、自分の人生に創造力を働かせることに尽きます。


なぜ人間の内面に焦点をあてているかといいますと、いまの社会をより幸福感を実感できる様に変えていくためには、環境問題や少子高齢化問題などに一部の専門家が対処療法的に取り組んでも始まらず、多くの人々がどの様な社会にして行くべきか創造力を働かせていくことが近道だと考えるからです。何にも捉われのない創造力を発揮することが知的資本です。


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