誰にも聞けない経営財務戦略!

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地域経営

皆さま、おはようございます!

一昨日の寒さも和らぎ、桜も咲き出しましたね。


長年、企業でM&A業務を手掛け、いま地域の主要事業の立て直しや事業連携に関わっていますと、企業も単独で自己完結し、事業を行う時代は終わったものと感じます。


特に大手企業では、商品を作り上げるのに部品からアセンブリのみならず、物流まで全て自前で行い、効率を追求するのがあたり前だったのは一昔前。


今では、社会の移り変わりが早く、グローバル競争に晒されている中で、自らの強みに磨きをかけて行かないと、そのスピードに付いて行けないばかりか、企業価値を上げられません。


大手企業ですらそうなのですから、中小企業であっても自らが強みとするコア要素に特化し、磨きをかけていけば、グローバル市場で戦って行くことの出来る時代です。


私の自宅の近くに、光学レンズを製造している企業があります。社員数が30人位であったと思いますが、米国はNASAのスペースシャトルに搭載されたことで一躍有名になりました。


私の故郷である、新潟の銀食器で有名な燕三条の製造会社では、米アップル社向けにiPhone様の部品を唯一この会社だけが生産しているそうです。


この様に考えてみますと、これからの時代、一芸に飛び抜けた企業同士が手を取り合って、新しい一つのモノやコトを商品として作り上げていくことが大切だと思います。


今までですと、物理的な距離が効率性の面から大きなハードルとなってきましたが、今は情報技術が発達していますから、事業連携にあたり余り障害にはならないと思います。


一方、地域経済を考慮しますと、ある程度の産業クラスターとして集積していた方が、マネジメントはやり易く、出来れば企業会計を度外視した事業連関会計として連携グループの業績を見える化出来れば良いと思います。


また、その様な視点から、地域に滞留している貯蓄資金をその様な連携グループへプロジェクトファイナンスとして循環させる事が出来れば、雇用も創出され、地域資源を海外輸出することも可能となるでしょう。


前回にも触れましたが、新たなモノやコトの為の商品を創出する事業連携としてのコーディネート力と、そこに必要な地域資金を還流すべくアレンジする力が、これからの社会に望まれると思います。


地方創生には地域の固有の資源を有効活用していく、地域経営の視点が不可欠であると思う次第です。

次回、またお会いしましょう!

しなやかな財務へ!

皆さんこんにちは!
この週末には桜が咲き始めるかと思いきや、週間天気予報を見ると来週末くらいが見所ですかね。桜を見ると春の訪れを肌で感じるようになりますね。
こころもウキウキ、日本の四季折々ってメンタルにも良いと思いませんか?


この週末、「ほぼ日」生活のたのしみ展とNordic Lifestyle Marketへ行ってきました。映画で「かもめ食堂」が流行った時期がありますが、その頃から北欧の心の豊かさを大切にする生活に魅かれる様になり、気がつけばその様な文化を肌で感じられるところへ自然と足が向いてしまいます。


モノの機能が満ち溢れるようになり、自分ならではの心の豊かさや、温もりを感じられる自分ならではのモノやコトを大切にする世の中に変わりつつあると感じているのは私だけではないと思います。機能一辺倒だけではなく、手作り感や作り手の顔が見える、自分ならではの時間を大切にする様になっています。


私のようにバブル経済時代を知っている世代からすると、個々人が変わりつつあるのに、企業はまだまだ組織であるが故の供給者側としての効率性や合理性を追求しているせいか、この社会の変化の中で、電通、東芝、東京電力等々の様な不祥事に発展しています。これは受け止める側の生活者の視点が変わってきていることも影響していると思います。


産業におけるトレンドの変化が如実に表れている現象として、例えばIBMのハードウェア製造から撤退。GEの旅客機用エンジンなどは、エンジンを航空会社へ販売するよりも、その後の飛んでいる飛行機の世界中のエンジンの調子を絶えず通信でモニタリングし、故障時は到着する空港に交換パーツを先に届ける体制を整え収益を上げています。


国内に目を向ければ、家電ベンチャー「バルミューダー」の扇風機やトースターが値段が高いにもかかわらず、爆発的に売れています。購入者の話しを聞けば、一昔前の涼しければ良い、パンが焼ければ良いというのではなく、身体に心地よい涼風、とにかくパンがおいしく焼ける。。という、正しく生活の豊かさにつながる商品であると言えます。


生活者が心地よく豊かな生活を重視する様になりますと、モノを購入した後の付加的に満足感を高めるサービスに重点が置き換わります。具体的な例として「スマホ」があります。購入してからスマホを活用して、自らが好きなように自分に合う情報を得て生活に彩りを添える。購入ではなく、使用料によるビジネスに置き換わりつつあります。


これからの財務や金融のあり方を考えますと、国内の貯蓄資金をモノを購入する為の融資資金としてではなく、もっとロングレンジで「直接モノで運用」する多様性のあるフレキシブルな仕組みの必要性が高まるものと思います。①投資対象、②投資リスク、③投資リターンを計量的に把握できる運用対象としてのモノやサービスです。


例えば、スマホ等はキャリアが割賦販売し、後に割賦債権を流動化しているようですが、ハードウエアとしての汎用性が高く、2次利用の市場が確立されるのであれば、当該商品たる「モノ」を専用投資先としたストラクチャードファイナンス(=仕組み金融)の需要が高まってくるものと思います。


高齢化社会やゼロ金利政策の中で、シニア層のタンス預金を社会の変化に合致した新たな金融商品に向けることが出来たら、年金受給額が先細るなかでシニアの生活の安定化や実物経済の新たな資金需要の中で、途切れなく資金還流が出来るものと思います。時代の変革期には、介護施設をはじめ様々なモノやコトへの新たな資金需要が生まれます。


情報化社会は時代がとても早く流れていく特徴があります。社会の仕組みはますます専門特化しています。これからの新たな時代に対して、企業側の新たな資金需要および金融側の資金供給を円滑に行う為には、逆に両方の知見をもって両者をアレンジ出来る、また時代の流れを見極める総合的な視点が必要になるのではないでしょうか。


これからも折に触れて、生活のこころ豊かにする新たなモノやコトと、それに必要な財務や金融の仕組みに触れて参りたいと思います。
また次回お会いしましょう!

まちの経営財務

皆さん、こんにちは!
今日は奈良県のとある水源地の山村へ、仕事でお邪魔してます。
お客様である公営の製材所で在庫の棚卸をしてきました。


日本でも有数の林業でえた村であり、現在でも林業が基幹産業です。
高齢化も進み、世代交代を迎える民間林業会社との
事業連携に先立つお仕事です


この村の人口は2千人強で、多くが林業に従事しています。
この製材所群、というより村の産業を再興に近いと思いますが、
雇用者や製材機器等の事業資源を集中させながら、6次産業化を目指しています。


東京にいますと、生活と仕事が完全に分離してしまいますが、ここでは職住接近ではないですが、生活と仕事が一体となっていることを強く感じます。地域の樹木という希少資源を建築資材だけでなく様々な木製生活雑貨として商品化を図っています。


その意味では、村に脈々と培われた生活の知恵を商品にするわけですから、商品として、とても身近で温もりのある事業に蘇らせることに遣り甲斐を感じます。また、製材所という事業だけを見詰めるのではなく、村一つの事業として俯瞰する醍醐味があります。


最近思うのですが、都会に住んでいると、
余りにも社会や経済が複雑なシステム系になり過ぎて、
ついつい企業単体の利益が多い少ないに目が意気がちになります。


本当はその企業も他の企業と関係があって成り立っている訳であり、
もっと我々生活者が住む地域全体を見て、
どの様な利益の恩恵を受けているのかという視点が必要なのではないかと思います。


経済や企業という仕組みは、本来、生活者が精神的に豊かになるための過程で私たちが作ったものであるはずなのに、その仕組みに振り回され、囚われている現状を不思議に感じるのは私だけでしょうか。


生活や経済をシンプルに考えると、人間と地球上の自然や天然資源という相互関係の営みの過程で、技術革新を経て家内手工業から集団による工業生産へと変遷して来た歴史があります。


今、情報技術が様々な応用段階を迎え、ますますアイディアや想像力という人間が本来持つ力が必要になると思います。その力を発揮する為には、個々人が自らのスタンスをしっかりと持って、コミュニティの中で人々が織り成して行くことが求められるでしょう。


そう考えますと、林業を基幹産業とするシンプルな地域の方が、新しいアイディアが生まれ易いように思います。生活者の目線から、しなやかに新たな事業を生み出し、まちが豊かになっていく自然な姿が日本創生のあるべき姿ではないでしょうか。