誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

伊藤忠商事の社内副業制度!

皆さん、おはようございます!
人はそれぞれ自分なりの世界観を持っているものです。チームで行動する場合にメンバー同士の気心が知れていれば、円滑なコミュニケーションが図られチーム力も高まるでしょう。
それは相手の世界観を否定することなく認めながら、建設的に力を合わせているからです。



伊藤忠商事は、4月から業務時間の一部を活用して、他部署の業務を手掛けられる社内副業制度を導入するそうです。社員のキャリア形成をサポートすると同時に新事業創出にもつなげたい考えです。繊維や機械、住生活など全8カンパニーから事業テーマを募り、他部署の社員にも参加できるようにします。大手企業なら社外副業制度に似た効果があるでしょう。


主要業務以外に週5時間まで社内副業制度により関わる案件に取り組めるそうです。就業時間の約10%強の時間を社員自らのキャリア形成に活用できることは、米メタにおける副業制度による就業時間に匹敵する時間であり、会社にとっても多大なメリットがあると思います。ただし、社内副業制度を利用する社員が自律的に行動しなければ意味がないでしょう。


伊藤忠本体で国内勤務する約2400人の他、海外駐在員やグループ会社の出向者にも本業に関係する仕事であれば参加できます。1案件あたり最大8人のチームを想定しており、期間は1年間に限っています。初年度10案件程度を立ち上げる計画です。伊藤忠は組織横断的な活動に対して加点する人事評価制度を設けており、今回の取り組みも対象になります。


一般的に総合商社は組織横断のタスクフォースが一部あるものの、縦割りの意識が強いとされています。巨大なコングロマリット経営を取り仕切る総合商社は、一事業毎にカンパニー制度を引いており、カンパニーが異なれば別会社であるという話しを知人から聞いたことがあります。だからこそ、組織横断的なタスクフォースの必要性が喫緊の課題なのでしょう。


三菱商事でも、2月に社内副業制度の募集を始めています。異動をともなわず、自分が所属する部署以外の業務を経験できます。全体の業務時間の最大15%を充てられるような仕組みです。大手総合商社は、脱炭素社会への対応やデジタルトランスフォーメーション(=DX)などの進展で、組織横断案件や柔軟な発想での新事業の創出が一層求められています。


ところが、何れの新事業も持てる資本力に頼った設備投資型の事業が多いものと受け止めざるを得ません。これからの時代は、もっと資本力に頼ることなくヒューマンキャピタルに目を向けるべきことは、今般の社内副業制度を導入していることから総合商社も気付いていることは明らかです。それでも組織開発にまで結び付けられないところがジレンマでしょう。


大手総合商社といえば、一流大学出身者が入社を希望する希望就職ランキングでいつも上位に名を連ねる会社だと思います。エリート揃いの会社であるにも拘らず、新事業がなかなか創出されないのは、余りにも組織が硬直的で社員が組織に埋没しているからだと思います。必ずしも知識が豊富なエリートだから新事業を立ち上げられるというものでもありません。


必要なことは、その明晰な頭脳を生かしきるべく、自由な発想で自律的に行動することだと思います。それは組織のヒエラルキーや個人の世界観に捉われることなく、自らの思考を白紙にする様にし、自分の外に存在するものを捉われのない視点で受け入れることでもあります。その様にして受け入れた新しい思考を自分の考えと混じり合わせ再構成することです。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp

中小事業再構築の意味!

皆さん、おはようございます!
長年、財務に関わっているせいか、最近では苦手意識がなくなって来た活字よりも、やはり数字を頭の中で転がしていた方が直感が働くと言いますか、様々に自由な発想ができるようです。0から9までの数字を使用して、どの様に表現をするかを考えるのが楽しいのです。



中小企業は日本企業全体の99%超を占めており、従業員数では約70%にも達しています
。手厚い公的支援策が用意されてますが、それはある意味で中小企業を守って行かなければ日本の経済が立ち行かなくなってしまうからです。一方、中小企業の生産性の低さが問題視されており、半数以上の企業が赤字法人と言われる現実があることも忘れてはなりません。


中小企業の平均的な経常利益率は3~4%台であり、大手企業の約半分の水準に甘んじています。労働生産性(=従業員1人当り付加価値額)についても同様のことが言えます。この点については、成長できずに中小企業のまま留まざるを得ないポジションとなっていることが否めませんが、それら中小企業の力が無ければ大手企業すら立ち行かないのも事実です。


日本経済の浮揚には、生産性の低い中小企業の淘汰があって然るべきだとする意見もあるようですが、私はその様な考え方には立てません。例えば、雇用面への影響を無視することも出来ないでしょう。極めて生産性の低い借金も満足に返済できない企業の数は、概ね中小企業数全体の10~15%存在しており、従業員数換算すると100万人を超えるでしょう。


また、下請けいじめの問題もある様です。大手企業が下請け中小企業に無理な取引条件を強要したり、不当な手数料を取り立てたりしている現実もあります。下請法違反の指導・勧告件数は増加傾向にあり、年間で8千件にも上ると言いますので驚かされます。仕事で中小企業に関わっていますが、そのすべての企業において下請けいじめがあると受け止めてます。


見方を変えれば、大手は中小企業の犠牲の下で生産性を上げているということになります。下請けいじめでなくとも、大手企業の過度なスケールメリットの追求により部品点数を極端に減らすなどの理由で、下請け企業との取引を止める事例まで含めますと、現実には相当数の中小企業が大手企業に泣かされながら、事業を継続している実態が浮き彫りになります。


面白いことに、中小企業の生産性上位10%が大手企業の中央値を上回っており、逆に大手企業の下位10%は中小企業の中央値を下回っているとの統計もあり、必ずしも中小企業の業績が劣っているとは言えないようです。日本経済にとって大切なことは、雇用に配慮しながら、取引慣行を注視して、生産性の低い下位90%の効率性を上がていくことでしょう。


現在の産業構造は未だ古き良き時代の名残があります。原材料が商品として最終消費者の手に届くサプライチェーンを見れば明らかであり、誰が見ても無駄としか思えない流通経路、ならびに需給バランスの見誤りによって在庫調整などが日常茶飯事で行われています。これからの時代は、必ずしも規模の経済だけを追い求めることが常套手段ではないと思います。


これからは中小企業であっても、最終消費者に近付いていく新しいビジネスモデルへの変革を大胆に行っていけば、生産性を高めることが可能だと思います。その為には、情報化投資など事業基盤を整えていく必要があり、情報化投資が避けられない場合もあるでしょう。そこに金融機関としての真価が問われるのであり、事業を目利きする力が必要となるのです。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp

経営者として開眼!

皆さん、おはようございます!
人間はとかく、物事に捉われやすい存在だと思います。それがいい意味での捉われなら良いのですが、悪い意味での捉われですと心身ともに疲弊してしまいます。物事を認識する主体として外部環境から何かを受け取り、それをどう意味ある物語にするかはその人次第です。



私のお客様に、下町の町工場を切盛りする4代目社長がいらっしゃいます。お付き合いをさせて頂きましてから約3年が経ちます。学生時代よりアメリカンフットボール部の主将を務めていらっしゃっただけに、どこからみてもアメフトで鍛えたと分かる大きな身体に、持ち前の明るい性格でぐいぐいとリーダーシップを発揮されています、年齢にして45歳です。


どこから見てもスポーツマンであり、地域の世話役でもある彼は、差し詰め地域の顔という感じです。だれが見ても羨む創業80年にもなる会社の若社長は、現代の後継者のない中小企業から見れば理想像なのでしょう。先代から経営を引き継いで7年が経過し、社長業も板につき、前職建材メーカーで鍛えた持ち前の営業力で自分の色を出しながら牽引してます。


ところが会社の業績は、先代から事業を引き継いだころから悪化する一方で、売上の減少に歯止めがかかりません。それどころか、その様な業績にも拘わらず、果敢に積極的な事業展開を行い、地域の後継者のいない中小企業から事業を承継したり、地元工業高校の学生を二人も新卒採用するなど、矢継ぎ早の事業拡大戦略をとってきたという話しを聞いています。


2年前に早期経営改善計画を策定し、金融機関から支援を取り付けたにも拘らず、一向に業績が戻ってこないばかりか、悪化の一途を辿るばかりです。それは、経営改善計画において経営課題が浮き彫りになっているにも拘わらず、掛け声ばかりでそれが実現されていないからです。むしろ、課題を解決すべきところを深追いしてしまっているようにも見受けます。


流石、見るみるうちに手元流動性が心持たなくなってくると、こちらの方が焦ってしまいます。本当に営業力は勢いあるのですが、経営となると毎回仰ることが異なるばかりか、話しがどんどんスライドしてしまい、話しを聞いているこちらからすると自己弁護をしているようにも感じてしまいます。業を煮やし少し深層に迫る1対1面談を試みることにしました。


まず目先の事業課題は良く見えており矢継ぎ素早い手を打ってますが一貫性がないことについては、将来会社が目指している方向が明確になっていないばかりか、自らの人生の目標についても分からないという有様です。考えて直ぐに結論の出るテーマではありませんが、経営者として事業を担っていくには、それがないと課題を抱えたときの拠り所がありません。


本気で悩んでいる様ですが、こればかりは自分自身で人生哲学を行い結論を導き出していく必要がありますが、なかなか出て来ないので困りました。若い頃に興味を持っていたこと、なぜ大学を卒業して直ぐに家業を継がなかったのに30才前半で、両親から求められていなかった家業に戻って来たのかなど、その人間を浮き彫りにする事実を確認して行きました。


ふとした切っ掛けで、亡き父親の話題に触れた時に顔が強張ったのを見逃せませんでした。掘り下げて話しをお伺いしてみれば、可成りのワンマン振りを発揮する怖い父親だったらしく、家業についてからも口を真面に聞くこともなく、この4代目経営者も対抗意識を露わにしていました。最後は、父親への対抗意識で会社を経営していた自分に気付いたようです。


今日もありがとうござます!
https://crelife.co.jp