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人的資本経営コンソーシアム!

皆さん、おはようございます!
最近、企業価値経営の深掘りをした人的資本経営なる考え方が国内のみならず、海外諸国でも脚光を浴びています。それは人間が主体の社会であるはずなのに、いつの間にか人間が社会システムの蚊帳の外に置かれてしまっていることに対する警鐘とも受け取れるでしょう。



リスキリング(=学び直し)や副業・兼業の支援など「人への投資」で連携する企業の協議会「人的資本経営コンソーシアム」が9月25日に発足しました。一橋大学CFO教育研究センター長伊藤邦雄氏が発起代表を務め、発起企業としてキリンホールディング、リクルート、SOPMPOホールディングス、日立製作所、ソニーグループなどが名を連ねてます。


その下に味の素、伊藤忠商事、セブン&アイ・ホールディングス、ソフトバンク、日本IBM、マツダ、三菱UFJファイナンシャル・グループ、楽天グループなど計320社が参加しています。人財をコストでなく資本として考え、企業価値の向上につなげる「人的資本経営」を官(=経済産業省および金融庁)民一体で推し進めていく古くて新しい取組みです。


現在時代の転換期にある日本の未来を切り開いて行くのは人財であり、日本の社会全体に留まらず世界をにらんだ大きな人財を育成することがその背景にあります。参加企業は当初想定していた100社超を大幅に上回る社数となっています。人への投資の先進的な事例や効果的な情報開示のあり方について情報交換し、連携できる場をつくることが目的でしょう。


投資家と企業幹部が対話できる機会も設け、海外の取り組み事例も収集し普及啓発に役立てることも視野に入れています。政府は従業員の育成方法や賃金格差など人財への投資に拘わる経営情報を開示するように、国内外お投資家も企業価値を判断する際、人への投資に実績に着目し始めているようです。あまり企業価値の向上に目を奪われない方が賢明でしょう。


元々、日本企業は伝統的に人財への投資が鈍かった経緯があります。どう開示すればいいのかなど具体的な取り組み方法が分からない担当者もいる位です。投資家との対話の場も整え
、資本市場のニーズに合った開示を後押しするそうです。人財への投資は、岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」の一つでもあり、今後のコンソーシアムの動向が気になります。


コンソーシアムの発起人代表に、財務会計学者である伊藤邦夫氏が就任している所から企業価値の向上が目的であり、人への投資は方法論ではないかという考え方が見え隠れします。その様な考えでは本当の意味で企業の経済価値を向上させることは出来ません。それは結果論であり、国民が仕事を通して人生をワクワク、楽しくすることにより実現するものです。


その為には、どうすれば人間が仕事で能力を発揮して自己成長を図れるかを熟慮すべきでしょう。人間が生活するための方法論にしか過ぎない企業のあり方にスポットライトがあたるのは良いことだと思います。企業という擬制法人は、時代による社会的な変化の中で変わり行く宿命であり、それを無理矢理に維持させて行くことを目的としては本末転倒でしょう。


人間が企業からマネジメントされる立場から、企業を管理する立場に置き換えて行く必要があります。リスキリングや副業・兼業が、そこに向けた一つの有力な方法であるのなら、どんどん進めて行くべきでしょう。結果的に、人間は自律的で自発的な行動を取り戻して行く過程の中で、変わらざるを得ないのは企業側であったと気付くことになることを望みます。


今日もありがとうございます!
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事業とマイパーパス!

皆さん、おはようございます!
事業開発と企業財務という2つの専門領域を持つ、リース会社の様に両生類の様な珍しい存在なのですが、だからこそ見えてくるものがあります。事業資源が持つポテンシャルを引き出し、数字でその空間を読み解きながら描き出す中にこそ、生きた事業が語れるからです。



事業とは、生産や営利を目的として経営する社会的に大きな仕事。マイパーパスとは、自分自身はどのような人間なのか、自分にとっての幸せとは何か、自分自身が人生において成し遂げたいことは何か、といった「自分自身の人生の意義や目的」あるいは「働く意義」を指します。事業を営む者は、マイパーパスが明確になっていないと上手くいかないでしょう。


事業を行おうとすると、お客様に提供する商品、その商品を誰にどうやって提供するか、また必要資金をどうやって調達するかなど、経営の教科書に記載されている様なことばかりに目を奪われ頭が巡ってしまうものだと思います。それはそれで必要なことなのですが、それでは事業の成功に覚束ないと思います。成功する事業と失敗する事業の違いは何でしょう。


その答えは、事業を営もうとする人がマイパーパスに気付いているかどうか、そしてそれをベースとして事業を組み立てようとしているかという本質的な問題があります。事業に魂というべきマイパーパスが込められていないと、事業を頭ばかりで考えて判断してしまい、やがて自分が真空状態の中でどこに位置しているのかを見失ってしまうことになるでしょう。


事業を行うということは、自分に問いかけ、自分を感じながら表現していくアート活動の様なものです。まずは事業を行うこと自体が気持ちの良いものでなければいけません。忙殺される事業活動の中で、それを楽しみながらワクワクする自分がいなければ長続きするものではありません。頭だけで考えていますと事業がブレますので、感じることが大切なのです。


どの様な事業を行うかと考える以前に、自分自身の人生の意義や目的が可視化されている必要があります。一般的に行う事業というものは、その事業を行おうとする方の経験や興味から全くかけ離れたものにはならない筈です。それを意識してようがいまいが、少なからず自分自身の原体験の中にあるものの中から、自分の事業に結び付けてそれを始めるでしょう。


ところが人間というものは自分で自分が分からないように、意識的に自分自身の人生の意義や目的(=マイパーパス)を客観的に見つめて可視化しておかないと、その土台を前提に始める事業について他者に語ることが出来ないのです。事業を行うということは、商品を提供する以前に、その商品に込めた自分自身の思いを社会に提供していくことに他なりません。


たぶん松下幸之助にしても、井深大や盛田昭夫にしても、自転車のライトやラジオといった商品づくりを通して、実現したい社会やありたい自分の姿を重ね合わせていたものと思います。戦後間もないモノが不足する時代でしたら、モノの提供を通して自己実現を図ることが出来たのですが、現代は飽食の時代でありモノではなくコトの意味が強く問われています。


その意味では、今は昔に比べて事業を行うことが難しいと言えるでしょう。だからその事業を営もうとする方のマイパーパスを研ぎ澄ますことが不可欠なのです。そして、マイパーパスを事業や提供する商品に込める必要があります。それは事業に成功する為の必要十分条件という以前に、人間として成長しながらより良く生きる上で通らねばならない道でしょう。


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知識集約型事業!

皆さん、おはようございます!
これからジョブ型雇用制度や副業兼業制度が広まって人財流動化が顕著になってきますと、もしかしたら新しくドラフト制度の様な仕組を導入する企業も出現するのではないかと思います。やはり有能な人財というものは希少性が高く、効率よく囲い込みたいものでしょう。



目鼻の利く企業は、これからの経営の活路を切り開くのが人財であることに、ようやく気が付き始めたように感じます。これまでは、メーカーをはじめとする、所謂、工場や生産装置といったものを効率的に活用する機械集約型事業構造(=資本集約型事業構造)は、経済が右肩上がりの時には威力を発揮してきましたが、必ずしもその様な時代ではないでしょう。


これからは、社会の課題を見出し新たな事業を創出したり、消費者のニーズを踏まえて新しい商品を開発する知識集約型事業構造へと、大きく舵を切る必要があると思います。歴史的変遷を見れば、企業利益の源泉が人間の肉体に依拠する労働集約型から機械集約型へと移り変わり、そしてまた知識集約型という人間を主体とする社会に戻ることを意味しています。


りそな銀行では、後継者のいない中小企業に対し、事業承継ファンドを立ち上げ自ら直接に中小企業を買収することに乗り出しています。これまでの銀行であれば、資本仲介業として預金を融資することを本業としていますが、社会構造の変化にともない資本に対する需要が減少していることを捉えて、新たな活路を見い出すべく新天地を模索しているのでしょう。


銀行の最大の資源は、融資業務により培ってきた事業に対する目利き力であり、その資源を事業承継の分野に再配分しようということです。りそな銀行としては、中小企業の悩みを解決するコンサルティング業務に注力する方針を鮮明にしてます。中小企業の困りごとに着目し、融資以外の資産や経営の観点で総合的なコンサルティングが出来る様にする計画です。


事業承継ファンドであれば、買収した中小企業の経営課題を解決しながら企業の経済的な価値を高めて行くことが求められ、そこに事業の目利き力に基づくコンサルティングノウハウを活かすことになります。りそな銀行では、企業投資のほかデジタルトランスフォーメーション(=DX)を支援する事業にも力を入れており、専門人財の育成に力を入れています。


一方、NTTデータでは、企業のDXを支援する社内人財の育成方法を開発しているようです。社員の性格や興味を分析して「起業型」「適応型」など4タイプに分け、資質に応じた育成計画をつくり、職務経験を積ませています。DXのなかでも特に難しいとされる事業開発を担える人財(=この職種を「ビジネスディベロッパ=BD」)の育成を目指してます。


事業開発は実務経験を積む機会が少ないため、効率の良い育成が必要であることから、事業開発の経験などが豊富でBDとして社内で認定されている60人にインタビューなどを実施し、価値観や性格、仕事の動機、興味などを分析して人財育成に活かしているようです。BDに向く人財には、若いうちから新規事業を担当させる等して起業型人財を育成してます。


これらの企業の動向から見て取れるように、そもそもこれからの新しい事業が人財という知識に依拠したものであり、そのノウハウを活用して如何に糧に結び付けるかが問われています。その為には、単に新しい事業に人財をあてがうだけでなく、その事業に相応しい人財を育成していくことも必要でしょう。知識集約型事業構造への転換は緒についたばかりです。


今日もありがとうござます!
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