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内発的動機付け!

皆さん、おはようございます!
今月も折り返し後半となってます。当初心配された今月の忙しさも、なんとか気力と年の功で切り抜け、今年最大の山場を乗り越えようとしてます。振り返ってみますと、致し方ないとはいえ、もう少し自分自身の体力をも考慮した余裕のあるスケジューリングが必要です。



内発的動機づけとは、内面に沸き起こった興味・関心や意欲に動機づけられている状態のことであり、動機づけの要因が金銭や食べ物、名誉など、外から与えられる外的報酬に基づいていないことを意味します。ロチェスター大学の社会心理学者エドワード・L・デシによれば、内発的動機付けには有能感と自己決定感が強く影響することが明らかにされています。


この内発的動機づけという言葉は、中小個人事業者が成功を収めるための最低限必要な条件にも当てはまるものと感じています。よくスタートアップ企業の創業経営者の中に、起業を思い立った理由として金銭や名誉など外的報酬を上げる方がいらっしゃいます(=口に出さないまでも心の奥底ではその様に思っている方も含む)が、それでは成功に覚束きません。


それが何故かといいますと、事業を営むということはそれを通して社会の課題を解決することであり、その様な価値観を持ち合わせていませんと、いまの時代は提供する商品が社会に受け止められることはないからです。私心なき社会正義とでも言うのでしょうか、迫りくる苦難や忙しさを乗り越え事業を営んでいく為には、内発的動機づけがなければ続きません。


それから、事業を営むものは内発的動機づけによって内面に沸き起こっている興味・関心や意欲の拠り所なっています考えや志・意志を客観的に俯瞰し理解していることも不可欠だと受け止めています。それはやはり事業を営む上での苦難や多忙を乗り越えるためには、その内発的動機づけの拠り所がブレてしまっては、集中力に欠いてしまうことが挙げられます。


また、それを客観視して可視化することにより、事業理念、そしてビジョンや事業計画という具体的な戦略や戦術の細目に落とし込むことが可能となり、事業を営む上での道筋が非常に明確になることから事業のブレが少なくなります。そして、ひとり個人で事業を営むのなら別として、やはり事業に関わる多くの方々と事業が向かうべき方向の共有も不可欠です。


この内発的動機づけの可視化がなかなか難しいものなのです。人間の興味・関心や意欲といったものは、漠然と本を読んだり見聞きした興味範囲の知識レベル(=形式知)だけでは、その人固有動機を可視化するうえでは困難を極め、やはり実体験に基づき身体に五感に刷り込まれた強烈な知識レベル(=暗黙知)にまで昇華していないと可視化が難しいでしょう。


よく事業に成功した創業者に過去に強烈な原体験が事業を始める切っ掛けとなっていたと言われることが多いことが知られています。それは、正しく実体験に基づく強烈な内発的動機づけによって事業を営んでいるからであり、だからこそ事業を営む個人が自身の内面を客観的に俯瞰し理解した上で、それを可視化し事業関係者に共有することを可能としています。


逆に言えば、事業を営もうとする中小個人事業者は、自分の経験に基づき内発的動機づけされた事象について事業として取り組むことが成功の近道であるということが出来ます。人間というものは自分で自分のことが分からない曖昧模糊とした存在なのです。例えばカウンセリングなどのメンタリングによって、それを浮き彫りにし迫っていくことも可能でしょう。


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スカイマーク株式再上場の是非!

皆さん、おはようございます!
人間というものは、所詮、もやもやとした存在なのかもしれません。他者とのコミュニケーションが円滑に図れているようで、実は絶えず自分の身の置き場所を探っているものだと思います。この世に二つとして同じ個性を持ち合わせた人間なんて存在しないものですから。



第二世代の新興エアラインであるスカイマークが東京証券取引所に株式の再上場を申請していることが明らかとなっています。上場で調達する資金を活用して、新型コロナウイルス禍で傷んだ財務基盤を修復するほか、航空機の更新やデジタル投資などを進める模様です。またまたエアラインネタではありますが、一企業にとっての株式公開の意味を探りましょう。


スカイマークは、2015年に民事再生法の適用を申請し上場を廃止した経緯があります。
その際は、経営権を持つエアラインビジネスを知らない経営者によって、世界でも一番大きな旅客機エアバス380をなぜか新規導入する計画で発注までしていたと聞きますから、身の丈に合わない奔放な経営方針に業績が付いてこなかったことが破綻の原因とされてます。


その後、投資ファンドのインテグラルやANAホールディングス(=HD)などの出資を受け入れ経営再建に取り組んできましたが、2019年の再上場申請時に折からのコロナ禍による事業環境の悪化を踏まえ取り消した経緯があります。2022年3月期の単独最終損益は67億円の赤字(=前年同月期は163億円もの赤字)にまで業績を回復させています。


今期の業績も改善傾向にあり、7月に単月で営業黒字にまで回復していることが強調されています。早ければ2022年中に再上場する見通しであり、上場により調達する資金で2022年3月期に約10%に低下した自己資本比率を引き上げるとともに、小型機B737を更新する他、デジタル技術を使って地上業務の生産性を高める投資を行う計画を持ちます。


スカイマークの筆頭株主は議決権の50.1%を保有するインテグラルであり、ANAHDが16.5%、日本政策投資銀行(=DBJ)と三井住友銀行でつくるファンドが33.4を保有している状況にあります。実質的に事業運営のインシアティブを持つANAHDの出資比率がマイノリティであるにも拘わらず、随分とリスクを背負わされていると思います。


例えば先に述べたA380という超大型旅客機の発注をキャンセルする代わりに、その機体をANAHDがフライングホヌという愛称によるハワイ路線専用機として導入した経緯があることは記憶に新しいと思います。その様な政治的な駆け引きの結果として、ANAHDがスカイマークの株式を取得するという実を取りに行ったことは明らかなことだと思います。


なぜANAHDがスカイマークの再建に触手を伸ばしたかといいますと、それはエアラインビジネスにとって最大の既得権益である羽田と札幌や福岡といったドル箱路線を喉から手が出るほど手に入れたかったからだと思います。ANAHDに対してスカイマークは新規参入エアラインとして政策的に基幹路線を運航する権利を付与されていることに起因してます。


今般、スカイマークが株式を再上場させる主因は、インテグラルとDBJをはじめとするファンドから資金回収の圧力が高まっているからであり、恐らく株式再上場に際してANAHDが新株を引き受け限りなく50%近くまで保有する形態になるものと思います。薄利のエアラインビジネスにとってスカイマークの再上場は苦肉の選択だと言えるものと思います。


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変わる働き方!

皆さん、おはようございます!
地方で叩き上げの名経営者を目の当たりにすることがあります。自分のポリシーを明確にするブレない共通の特徴があります。それから金銭感覚が身体に染みついており鋭いこともあるでしょう。大手企業のサラリーマン経営者とは異なる世界に棲む強者揃いだと思います。



パナソニックホールディングスが10月から国内のどこに居住しても勤務できる制度の導入を発表しています。通勤圏外の実家などからのリモートワークを可能とするほか、社外での副業に対応する制度も整えるといいます。企業の論理としては、少しでも多くの優秀な人財を確保するために、働く自由度を高め魅力付けをしていきたいという狙いがあるようです。


この様な働き方変革は、パナソニックホールディングスのみならずNTTグループをはじめ
、多くの電機・IT系企業が取り組みを始めています。コロナウイルス禍を切っ掛けとしたものではありますが、もはや一部企業による一過性の取り組みでなく、働き方そのものが急激に変化しているのであり、これからの仕事に対する価値観の変化が読み取れるでしょう。


この様な働き方を可能とする背景には、やはり情報技術の進展によりリモートワークを可能としていること、またそれがコロナウイルス禍により結果的に実証される形となっていることが挙げられます。そして、企業もこれまでのメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用への移行により、時間で評価することから成果で評価するように変化していることもあります。


これまでの日本の滅私奉公的なお家意識や集団体制による組織運営は既に過去のものとなっており、より個の可能性が強調される時代に移り変わっていることを指摘しておく必要があるでしょう。黙っていてもモノが売れる時代とは異なり、現代は企業に勤める誰しもが自らのアイディアやノウハウを持ち寄り、新しい事業や商品を創出することが求められてます。


規模の経済という合理性を追求し、少しでも効率性を高めていく課題解決型の思考法ではなく、無から有を生み出す課題創出型の思考法が求められている訳です。前者は対象となる客体が存在しているのですが、後者はその様な客体はなく自らの思いで描き出していく必要があります。サイエンス思考からアート思考への転換が求めれているとも言い換えられます。


サイエンスが自分の外側に働きかける事象があるのに対して、アートは自分の内面に働きかける以外ありません。社会との関りにおいて、自分が持ち得る表現方法を用いて、何を課題認識として持ちそれをどの様に変えようとしているのかを描き出していく必要があります。
それは自己内省を繰り返し、独りで悶々としていても導き出される答えはないと思います。


人間は、自分のことを分かっている様で分からない存在であり、自分以外の他者との対話を通して自分の姿を浮き彫りにしていく(=ミラー効果)ことが必要です。自分の考えを相手に伝え、相手に理解してもらい、相手の考えを受け止めることによってのみ自らの内面が磨かれていくからです。その意味では同質性に向かう組織特性は反するものかもしれません。


その様に考えますと、これからの企業は組織マネジメントの部分では、これまでとは大きく内容を異にするものと思います。同質性の高い企業文化に染まることなく、もっと企業外の様々な関係を創りながら、異質な考えを持つ人々が対話をしていく企業にならないと組織が持たなくなってしまうからです。フラットでオープンな組織が求められているのでしょう。


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