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中小経営者のアイデンティティ!

皆さん、おはようございます!
ふいに「どこまでも人間を理解したいんだね」と知人から言われたことがあります。その様に言われますと確かにどの様なことを行っていても、いつも人間を見つめています。それが例え財務であってもです。人間ってなかなか自分で自分の個性に気付けないものの様です。



アイデンティティとは、自分が自分であること、更にはそうした自分が、他者や社会から認められている感覚のことです。日本語では自我同一性と呼ばれたり、存在証明と訳されています。中小企業経営者のアイデンティティに限定しますと、差し詰め事業を営む経営者として、なにに存在意義を見出して、その事業を営んでいるのかということになるのでしょう。


それは、人間として事業を営むということは、ただ単に事業が儲かりそうだとか、その事業が時流に合っているからということではなく、もっと事業を営む人間の過去から現在に至るまでに蓄積をしてきた自分の価値に根差した事業であることや、衝撃的な体験に裏付けられた本源的な体験に裏付けられたアイデンティティに基づく事業である必要があるからです。


なぜなら、特にこれからの時代に事業を営むということは、これまでの様にもの真似で頭で考えながら事業を司るだけでは紆余曲折ある事業を継続していくことに覚束ないばかりか自分に負けてしまうからです。大切なことは、自分の個性や原体験に裏付けられたアイデンティティから滲み出てくるように、自分ならではの事業を描き出し形にすることが必要です。


好きこそものの上手なれではありませんが、自分のアイデンティティに裏付けられた事業というものは、事業がどの様な局面にあっても、売上や利益を度外視してもそれを楽しみながら続けたいと思うものであり、その位の度量がないと事業を育て上げることが難しいでしょう。事業に魂を込めるということでもあり、当然に社会との関わりも投影されるからです。


また、市場社会や消費者が求める商品も情報社会の進展と相まって、これまでの機能性を重視する商品だけでなく、その創り手の思いの込められた商品に価値を見出されるようになっています。これも社会が成熟したからと言えばそれまでですが、これまでのモノが不足時代が終焉し、モノに対しても意味を見出し自らの価値観との整合性を推し量るからでしょう。


現代のキーワードに準えれば、企業や事業の「パーパース(=存在意義)」ということになるでしょう。それは、企業がいま一度、自らの存在意義を再定義することによって企業組織としての求心力を高めるとともに、社会に対して自らの役割を明確にすることによって一企業市民として受け入れられることにつながります。それはCSV経営とも通じるものです。


パーパス経営を実現していくためには、その企業で働く役職員が「マイパーパス(=自分自身の人生の目的)」を明確にして、企業のパーパスと重ね合わさっていることが理想なのです。このマイパーパスこそが、自己のアイデンティティから滲み出てくるものであり、表裏一体の概念と受け止めることが出来るでしょう。私は、暗黙知も同じ概念だと考えてます。


やたらスピチュアルな感じに聞こえるかもしれませんが、これからの社会は物質文明から精神文明と向かうこととも一致します。社会との関わりの中で自分のアイデンティティを掘り下げ、それに気付き事業に結び付けて行くということは、科学としてのビジネスではなくアートとしてビジネスに取り組むことも意味しており、これからの経営者の要件になります。


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事業成長担保権!

皆さん、おはようございます!
国立駅近くのコワーキングスペースに併設して開設したビジネス支援プラザに関心を持って施設会員になることを検討している方がいらっしゃいます。新たに教育ビジネスでの起業を検討されておりますが、国立市という文教地域に相応しいビジネスではないかと思います。



金融庁は、技術力や知的財産も担保にできる新法の検討をしているそうです。法務省と連携しながら、無形資産を含めた事業価値全体を担保の対象とする「事業成長担保権」を創設する方向です。実現すれば、不動産担保や経営者保証を前提としてきた日本独自の融資慣行が変わることが期待されます。中小・新興企業の資金調達の新たな手法となるのでしょうか。


11月上旬から金融審議会作業部会で制度設計の議論を始める計画で、早ければ来年の通常国会に法案を提出する方針です。現行制度では民法に抵当権や質権を設定できる規定されており、不動産など個別資産を担保にすることが可能ですが、技術力など無形資産は担保に出来ず、中小企業向け融資では不動産担保や経営者の個人保証に頼ってきた経緯があります。


新たな制度は、事業から生み出されるキャッシュフローやその将来性など事業を丸ごと評価して担保にすることを想定しています。スタートアップ企業や事業拡大のための成長資金や事業承継や事業再生の局面で活用されることを想定しています。物価高やコロナ禍で経営改善や事業再構築の必要性が高まる中、担保の乏しい企業も活用しやすくなることでしょう。


近年、金融庁は金融機関に対して事業の成長性に基づく事業性評価融資を促していますが、それを後押しする担保制度がなく実効性が乏しかったと受け止めているようです。米国では全財産を包括的に担保設定できる制度があり、中小企業の将来のキャッシュフロー見極めて全財産を担保に設定し、金融機関1行のみが融資をすることが基本となっているそうです。


金融機関は高いリスクを取るため、中小企業の事業性を木目細やかに評価する必要があります。だから、経営が悪化すれば早い段階で対処することも可能となります。国際連合の国際商取引法委員会がつくったモデル法では、技術力なども含めて全ての財産を担保の対象とすることが盛り込まれており、カナダやオーストラリアにも既に同様の制度があるそうです。


日本も金融機関が独自の取り組みで不動産を担保にする融資手法が変わりつつあるようです
。農業金融の世界では、和牛などを担保にして融資する動産担保融資に取り組む地方銀行が出てきています。大手金融機関でも特定事業のキャッシュフローを裏付けに融資するプロジェクトファイナンスという手法もありますが、事業成長担保権とは些か趣きを異にします。


プロジェクトファイナンスも確かに事業からのキャッシュフローを担保にすべく特定目的会社といわれるビークルを設立して、事業を切り分けた上でそのビークルの株式など権利に質権を設定する形態をとります。それに比べれば、事業成長担保権は無形資産や将来のキャッシュフローまで全てを担保に入れることが出来る簡便さと新規性があると言えるでしょう。


ただし、この事業成長担保権という便利な新しい法制度が成立しても、中小企業の事業に対して金融機関が深く関わり事業を評価しようとしなければ実効性が伴わないでしょう。前提として担保がなければ融資を行わないという意識を変え、飽くまでも事業そのものを自体をもって評価し融資を行い、それでも不透明な潜在リスクへの次善策として捉えるべきです。


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これからの企業組織のあり方!

皆さん、おはようございます!
この社会に生きる上で頭で考えても答えの出ないことは沢山あると思います。むしろ答えの出ないことの方が多いのではないでしょうか。その様な時に理屈ばかり考えて、結果的に結論を出さないよりも、その瞬間瞬間の直観を頼りに結論を出して行動に移すべきでしょう。



現在の代表取締役社長やCEOを頂点とするピラミッド型階層組織が最も効率良い文明の利器として受け止められるようになり、それがあたり前の慣習として疑うこともなくなってしまうほど社会に定着してます。しかし、本当にこれからもそうなのか疑問に思うことがあります。それが定着したのは産業革命から現在に至るまでの高々200年余りに過ぎません。


元々、ピラミッド型階層組織というものは、現代のように情報技術が進展していない時代に組織内のアナログ情報伝達を遣り取りする際に、最終的な経営判断をする社長やCEOに情報を集め、それに基づいて意志決定した内容を組織内に伝達する情報システムを張り巡らせるのに好都合であったと言えます。組織内における「上位下達」がキーワードになります。


また、産業革命以後、現在に至るまで企業というものが、工場や生産設備といった資本財を拠り所として製品を生産販売する資本集約型産業構造をとってきたことも、このピラミッド型階層組織をより一層助長してきたのでしょう。資本財を主体にそれを効率よく動かすことを目的に、人材はそれを補助する立場で業務の標準化を進めるのに好都合だったからです。


そこでの人材は機械の歯車の如く、摩耗すれば取り替えることが可能なように業務内容が画一的にされていたと思います。そして、実際に人事ローテーションという名の下で定期的に歯車の交換が為され機械のチューンナップをすることにより、人材に目先の業務の新鮮味を宛がい人間の向上心という原動力を引き出しながら生産力が高めてきたと言えるでしょう。


しかし、これからの産業社会を考えると、そもそも巨大な工場で大きな生産設備を活用して製品を生産販売する形の商品種大量生産するビジネスモデルは既に過去のものとなりつつあり、情報社会の進展と相まって多品種少量生産が潮流となりつつある中では、企業組織としても巨大な組織の全体最適を目指すよりも部分最適を目指す方が効率が良くなるでしょう。


それは日本の企業がメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へと変化を遂げていることからも窺い知れます。企業に入社してから人材を使い勝手の良い色に染めて行くコンサバな人事政策では、全体最適を目指すときには好都合なのですが、部分最適を目指すには企業の中の役割一つひとつの業務を明確にしながらそこに一番適した人財を見出す必要に迫られます。


そして、ただ単に自らの役割を担うだけではなく、そこに人財の誰しもが多種多様な商品を考え出していくべく創造力が求められています。創造力を最大限発揮する為には、人間が持つ暗黙知を形式知に変換するプロセスを踏む必要があります。それは、企業内で働く人々が組織の階層に関わりなく自由に動き回りながら暗黙の知識を交わらせていくことなのです。


その様に考えると、これから人財の自律性という能力を最大限引き出していくには、行き過ぎた硬直的ピラミッド型階層組織追求という思想では限界があります。もっと人財を歯車から解放し自律的に仕事のできるオープンでフラットな組織とする必要があります。それをティール組織と呼ぶのかもしれません。企業の所有者を含めたガバナンスの議論が必要です。


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