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アマゾンエア!

皆さん、おはようございます!
人生も折り返し地点を過ぎますと、身体に力が入らなくなり素直に自分の好きなことや遣りたいことを楽しむ様になります。あまり先のことや自分にとっての利益を考えなくなるからかもしれませんが、それより増して自分の内なる声に耳を傾けられるからかもしれません。



米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは、自前の航空輸送網であるアマゾンエアの拡大に向け、貨物機10機の運航・保守業務を米ハワイアン航空に委託する契約を結んだことを発表してます。併せて同社の持ち株会社の普通株式を最大15%まで取得できる新株予約権も取得したようです。これでアマゾンエアが運航する機材数が65機となる見込みです。


ハワイアン航空はアマゾンとの契約に基づき、2023年秋から順次欧州製エアバスの中型機であるA330を10機運航を始めることになります。ハワイアン航空はアマゾンのために米国本土にパイロットの基地を新たに設けるほか、既存の整備拠点を拡張する計画です。
ハワイアン航空は成田空港や関西空港への旅客路線をも持っていますのでお馴染でしょう。


アマゾンは、米フェデックスやDHLなどの物流大手への依存を抑えつつ、翌日配送といったネット通販サービスを拡充するため、2016年に自前の貨物機運航をはじめた経緯があります。2021年には米ケンタッキー州北部で自社専用のハブ(=拠点)空港を本格稼働させるなど、米国内外でヴァーチャルエアラインとしての航空輸送網を拡大させています。


自社保有の機材は持たず、貨物全機が航空機リース会社や運航や整備を委託しているエアラインからのリース機材を運航するビジネスモデルとなっています。もともと、社名はアマゾン・プライム・エアでしたが、ドローン配信サービスを手掛けるAmazon Prime AIRと差別化を図る必要から、2017年年に現在の社名へ変更された経緯があります。


今般、アマゾンはなぜハワイアン航空と提携に至ったのでしょう。これまでのハワイアン航空の事業概況から窺い知れることは、同社はハワイを拠点とする観光需要を主体とするアイランド航空であり、世界中で流行したコロナ禍の影響を真ともに受けており、その業績悪化をこれまで参入経験のない貨物便の運行を受託することにより埋め合わせしたのでしょう。


ハワイアン航空の就航路線は、ハワイ諸島間路線、長距離の米国本土国内路線、太平洋を飛び越える日本やフィリピン、トンガなどの路線を持ちます。ハワイを拠点とする路線は観光需要が主体で付加価値の高いビジネス需要ではないことから、元々、不安定な事業構造なのではないかと思います。使用機材などもこれまで一貫性がなく運航コストも高いでしょう。


最近でこそボーイング717や767という機材に統一をしつつありますが、それでもボーイングとライバルであるエアバス330を使用している理由が分かりません。米国の場合
、日本とは異なりパイロットを自社養成せず、既に使用機材のライセンスを持っているパイロットを必要に応じて採用する身軽さが、アマゾンとの契約に繋がったのかもしれません。


アマゾンから見れば、アジア市場を視野に入れた物流網の構築であると考えれば、太平洋を横断する途中にあるハワイは中継地として、喉から手が出るほど欲しい拠点なのかもしれません。それもハワイアン航空という、どちらかと言えば運航コストの安い航空会社を活用することが出来ます。これでアマゾンのインフラ事業が、また一つ充実することになります。


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中小経営者のアイデンティティ!

皆さん、おはようございます!
ふいに「どこまでも人間を理解したいんだね」と知人から言われたことがあります。その様に言われますと確かにどの様なことを行っていても、いつも人間を見つめています。それが例え財務であってもです。人間ってなかなか自分で自分の個性に気付けないものの様です。



アイデンティティとは、自分が自分であること、更にはそうした自分が、他者や社会から認められている感覚のことです。日本語では自我同一性と呼ばれたり、存在証明と訳されています。中小企業経営者のアイデンティティに限定しますと、差し詰め事業を営む経営者として、なにに存在意義を見出して、その事業を営んでいるのかということになるのでしょう。


それは、人間として事業を営むということは、ただ単に事業が儲かりそうだとか、その事業が時流に合っているからということではなく、もっと事業を営む人間の過去から現在に至るまでに蓄積をしてきた自分の価値に根差した事業であることや、衝撃的な体験に裏付けられた本源的な体験に裏付けられたアイデンティティに基づく事業である必要があるからです。


なぜなら、特にこれからの時代に事業を営むということは、これまでの様にもの真似で頭で考えながら事業を司るだけでは紆余曲折ある事業を継続していくことに覚束ないばかりか自分に負けてしまうからです。大切なことは、自分の個性や原体験に裏付けられたアイデンティティから滲み出てくるように、自分ならではの事業を描き出し形にすることが必要です。


好きこそものの上手なれではありませんが、自分のアイデンティティに裏付けられた事業というものは、事業がどの様な局面にあっても、売上や利益を度外視してもそれを楽しみながら続けたいと思うものであり、その位の度量がないと事業を育て上げることが難しいでしょう。事業に魂を込めるということでもあり、当然に社会との関わりも投影されるからです。


また、市場社会や消費者が求める商品も情報社会の進展と相まって、これまでの機能性を重視する商品だけでなく、その創り手の思いの込められた商品に価値を見出されるようになっています。これも社会が成熟したからと言えばそれまでですが、これまでのモノが不足時代が終焉し、モノに対しても意味を見出し自らの価値観との整合性を推し量るからでしょう。


現代のキーワードに準えれば、企業や事業の「パーパース(=存在意義)」ということになるでしょう。それは、企業がいま一度、自らの存在意義を再定義することによって企業組織としての求心力を高めるとともに、社会に対して自らの役割を明確にすることによって一企業市民として受け入れられることにつながります。それはCSV経営とも通じるものです。


パーパス経営を実現していくためには、その企業で働く役職員が「マイパーパス(=自分自身の人生の目的)」を明確にして、企業のパーパスと重ね合わさっていることが理想なのです。このマイパーパスこそが、自己のアイデンティティから滲み出てくるものであり、表裏一体の概念と受け止めることが出来るでしょう。私は、暗黙知も同じ概念だと考えてます。


やたらスピチュアルな感じに聞こえるかもしれませんが、これからの社会は物質文明から精神文明と向かうこととも一致します。社会との関わりの中で自分のアイデンティティを掘り下げ、それに気付き事業に結び付けて行くということは、科学としてのビジネスではなくアートとしてビジネスに取り組むことも意味しており、これからの経営者の要件になります。


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事業成長担保権!

皆さん、おはようございます!
国立駅近くのコワーキングスペースに併設して開設したビジネス支援プラザに関心を持って施設会員になることを検討している方がいらっしゃいます。新たに教育ビジネスでの起業を検討されておりますが、国立市という文教地域に相応しいビジネスではないかと思います。



金融庁は、技術力や知的財産も担保にできる新法の検討をしているそうです。法務省と連携しながら、無形資産を含めた事業価値全体を担保の対象とする「事業成長担保権」を創設する方向です。実現すれば、不動産担保や経営者保証を前提としてきた日本独自の融資慣行が変わることが期待されます。中小・新興企業の資金調達の新たな手法となるのでしょうか。


11月上旬から金融審議会作業部会で制度設計の議論を始める計画で、早ければ来年の通常国会に法案を提出する方針です。現行制度では民法に抵当権や質権を設定できる規定されており、不動産など個別資産を担保にすることが可能ですが、技術力など無形資産は担保に出来ず、中小企業向け融資では不動産担保や経営者の個人保証に頼ってきた経緯があります。


新たな制度は、事業から生み出されるキャッシュフローやその将来性など事業を丸ごと評価して担保にすることを想定しています。スタートアップ企業や事業拡大のための成長資金や事業承継や事業再生の局面で活用されることを想定しています。物価高やコロナ禍で経営改善や事業再構築の必要性が高まる中、担保の乏しい企業も活用しやすくなることでしょう。


近年、金融庁は金融機関に対して事業の成長性に基づく事業性評価融資を促していますが、それを後押しする担保制度がなく実効性が乏しかったと受け止めているようです。米国では全財産を包括的に担保設定できる制度があり、中小企業の将来のキャッシュフロー見極めて全財産を担保に設定し、金融機関1行のみが融資をすることが基本となっているそうです。


金融機関は高いリスクを取るため、中小企業の事業性を木目細やかに評価する必要があります。だから、経営が悪化すれば早い段階で対処することも可能となります。国際連合の国際商取引法委員会がつくったモデル法では、技術力なども含めて全ての財産を担保の対象とすることが盛り込まれており、カナダやオーストラリアにも既に同様の制度があるそうです。


日本も金融機関が独自の取り組みで不動産を担保にする融資手法が変わりつつあるようです
。農業金融の世界では、和牛などを担保にして融資する動産担保融資に取り組む地方銀行が出てきています。大手金融機関でも特定事業のキャッシュフローを裏付けに融資するプロジェクトファイナンスという手法もありますが、事業成長担保権とは些か趣きを異にします。


プロジェクトファイナンスも確かに事業からのキャッシュフローを担保にすべく特定目的会社といわれるビークルを設立して、事業を切り分けた上でそのビークルの株式など権利に質権を設定する形態をとります。それに比べれば、事業成長担保権は無形資産や将来のキャッシュフローまで全てを担保に入れることが出来る簡便さと新規性があると言えるでしょう。


ただし、この事業成長担保権という便利な新しい法制度が成立しても、中小企業の事業に対して金融機関が深く関わり事業を評価しようとしなければ実効性が伴わないでしょう。前提として担保がなければ融資を行わないという意識を変え、飽くまでも事業そのものを自体をもって評価し融資を行い、それでも不透明な潜在リスクへの次善策として捉えるべきです。


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