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数字をしなやかに描く!

皆さん、おはようございます!
数字の面白さに目覚めたのは、恐らく高校時代に学んだ物理であったと思います。それまでも中学高校で数学をゲーム感覚で楽しんでいたのですが、数字によって物体の運動や物体間にはたらく力を説明する力学に意味を見出した時には目から鱗が落ちるような思いでした。



数字の歴史を辿りますと古代インドが発祥だといわれています。それがアラビアを経由してヨーロッパに伝播したことからアラビア数字と呼ばれるようになったようです。そう考えてみれば、現在のインドにおける学校教育での数学のレベルの高さは、情報社会において目覚ましいものがあり、インド系米国人のIT企業における躍進には凄まじいものがあります。


数字というものは非常に便利な利器であり、定性的に説明し難い事象を定量的に端的に表現し相手に伝えることができるコミュケーションツールだと思います。ただし、気を付けなければいけないのは、数字があまりにも絶対量を指し示すものであることから、そこに意志表示をする者の数字に込めた思いや考えといったものまでを伝えることが出来ないことです。


金融市場などをご覧いただけばイメージできると思いますが、そこでは数字の多い少ないのみが取り扱われ、やれ得をした損をしたことのみが取り沙汰されています。そこで巧みに数字を扱うトレーダーたちは、日々そんな数字ばかりを追い掛けていますとゲーム感覚に陥ってしまい、それがゲームではなく糧を得るための真剣勝負であることが厄介なのでしょう。


やがて精神を蝕み身体を壊してしまうなどという話しは良く聞くところです。だから、仕事は仕事と割り切り、仕事とプライベートを分けてプライベートを思い切り楽しむというようなことにならざるを得ないものと思います。経営者も今日では企業価値を最大化することがミッションとなっていますので、その意味では数字を追いかける立場なのかもしれません。


私の究極の専門領域は、M&Aや事業承継などで対象となる企業や事業の取引価格(=経済価値、バリュエーション)を算定することです。最近はM&Aや事業承継が活況を帯びていますので、その企業や事業の取引案件数と同じ数だけのバリュエーションがなされていることになります。それだけバリュエーションを行う専門家の数も増えていることになります。


最近では数多のコーポレートファイナンスの教科書が出版されており、それを読めば誰でもバリュエーションのまねごとを行うことが出来ます。先進的なコンサルティングファームではWeb上で企業の株価算定のためのスプレッドシートを無料で配布しているくらいです。誰にでも企業価値の算定ができる社会ですが、その算定される数字を鵜呑みにできません。


様々な企業価値の算定方法がある訳ですが、どの方法を選択するかによって全く異なる企業価値が算出されることになります。また、将来の事業の見通しから企業価値を算定するDCF法などの場合では、そもそも事業の将来をどの様に見るかによって全く異なる企業価値が算定されてしまいます。大切なことは数字を悪戯に機械的に扱ってはならない事でしょう。


企業や事業という情緒的な生きものを数字で表現するためには、どこまでその中に入り込み
、そこで事業を司る人間模様や機微を五感で感じ取ることが必要だと思います。そして、そこで感じとった事象をどう数字に置き換えて行くかという感性を研ぎ澄ます必要があるでしょう。それが数字を扱う者の醍醐味であり、どこまでも謙虚でいる必要があると考えます。


今日もありがとうござます!
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社会の転換期!

皆さん、おはようございます!
目先の懸案となる重たい仕事が気になっているせいか、少し思考が論理的になり過ぎているように感じています。良い発想を思いつきブレークスルーしていくためには、もっと五感をフルに活用しながら直観的でフレキシブルな発想を持たなければならないと思っています。



時代の趨勢を紀元前にまで遡り現代までの社会の移り変わりや産業構造の変遷を俯瞰してみますと、一定の規則性があるように思います。やはりエポックとなる出来事は農業革命と産業革命だと思います。技術革新により生産性が飛躍的に高まり生活が豊かになるのですが、それも時間の経過とともに限界に達し振り子が戻る様に新しい価値観が生まれるようです。


近代経済は動力の発明により生活に必要なものを機械により大量に作ることにより生産効率を飛躍的に高め、その後のエレクトロニクスやコンピューターの発明によりあらゆるものが小型化、自動化してきた歴史があります。それに伴い擬制法人なるものが社会の仕組みとして生み出され、人々は会社に行って働くことがあたり前という価値観を持つに至ってます。


科学技術の進展と相まって、社会のあらゆるものが効率的となり、もうこれ以上効率化できないほどです。富を得るための知恵なのですが、それも行き過ぎますと人間という動物は不適応症状を起します。人間が創り出した社会の枠組みなのですが、振り子が戻り始める瞬間は振り子の速度が落ちるように、現代社会は経済が停滞し行き詰まりを見せてるようです。


社会の転換点においては、必ず新しい技術と人間の心の揺り動きの二つが重なり、新しい社会の価値観を生み出してます。情報技術革新と人間の心を無視した行き過ぎた効率化に対する反省により、ちょうど現在がそのタイミングにあたるのでしょう。その様な中においてコロナウイルス禍によって私たちの価値観を大きく変える背中を押しているように思います。


これから社会のあらゆるものが新しい考え方によって塗り替えられていくものと思いますが
、その中でも人々の働き方に注目したいと思います。元々、農業や家内工業時代、人々は自ら生産に必要な機器を持ち自宅を拠点として糧を得ていた訳けです。それが、産業革命後、企業が高額な生産設備を所有するようになり人々はそこへ手ぶらで通勤するようなります。


そして今回の情報革命によって情報デバイスさえあれば場所を選ばず仕事が出来るようになっています。リモートワークの出現です。それ以上に、ヒューマンキャピタル(=人的資本
)に再び脚光があたっているように、巨額な生産設備を持っていてもそれで何を作るかという人間が持つ知恵やアイディアがなければ糧を生み出すことが出来ない時代になってます。


また情報社会の進展により、人々の価値観や嗜好も多様化していることから、多品種の商品を少量提供していく必要に迫られています。これだけの諸条件が整えば、社会が新たな方向に動かない訳がありません。働く者にとって企業という枠組みはあまり意味をなさなくなってくるでしょう。企業にとってもその時々に必要な知恵やアイディアを持つ人財が欲しい。


会社に勤めるという概念が大きく変わり行くことでしょう。フリーランスやギガワーカーが増えているようですが、知恵やアイディアを持つ人々は企業に所属しない、若しくは今より緩やかな関係で個人で仕事をするようになると思います。その時に必要なのが、プロデューサーのように構想力でビジネスの企画を図り、それをオーガナイズしていく力量でしょう。


今日もありがとうございます!
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経営としての会計と財務!

皆さん、おはようございます!
この10月より「ビジネス支援プラザ」を正式に稼働させました。中小企業が事業を営んでいく上で不可欠なマネジメント、マーケティング、システム化などバックオフィス全般についてその道のエキスパートによる支援体制を整え、志ある経営者をサポートして参ります。



いまでも月に数冊は会計や財務の本に目を通す様にしています。それぞれの領域における新しい潮流であったり、時代の進展によって理論的背景が変わり行けばそれを問い直しながら自分なりの見解を深めたりしています。本来、会計と財務は同じ企業に関わる数字を扱っていながら相容れない関係にあり、それを融合しようと試みた大学院時代が思い返されます。


それは財務会計の目的が株主をはじめとす企業関係者に対して有用な情報を提供することにより利害調整を図ることを目的としているのに対して、コーポレートファイナンス(=企業財務)は企業の関係者に対して企業の経済価値を導く方法を提供することを目的としているからです。それでも最近では随分と時価会計的な思考が会計にも組み込まれつつあります。


しかし、会計の目的が利害調整である限りは歴史的な取得原価主義から離れる訳にはいかないでしょう。仮に会計側が時価主義的な歩み寄りを見せても最後はフローによる利益計算は残さざるを得ないものと考えたりしてます。財務会計やコーポレートファイナンスだって、時代の変化によって社会から求められるものが変われば自らの理論が修正される存在です。


それ以前に、現在の資本主義の潮流である金融資本主義が産業資本主義から取って代わられていることについて、果たしてこれからも金融資本主義が経済の主要な価値観として受け止められていくのか些か疑問を持たざるを得ません。時代の変革期において、新たな展開を見出せない産業界に対して余剰となっている金融資本が市場を駆け巡っている様に見えます。


これから情報社会が本格的に訪れて来ますと、金融資本主義的な考えが落ち着きを見せて来るでしょう。そもそも情報社会における知識集約型産業では、これまでの資本集約型産業のように多大な金融資本を必要とはしなくなるでしょう。世界のマスマーケット駆け巡っていた金融資本は、地域分権社会の下でもっと木目細かく多様に資金が循環していくでしょう。


クラウドファンディング、後継者のない中小企業に対するエクイティ投資など、金融と情報技術との融合と相まって、また知識資本の興隆によって金融資本と結びついた新たな未知の市場が創設されていくことも考えられます。その様な来るべき金融資本の変調を推測しながら事業主体にとっての会計や財務のあるべき姿を先取りしていくことは楽しくもあります。


経営に資する会計や財務を展望しますと、やはりこれから将来の経営判断に役立つ財務数値であるべきであり、それをどの様に理解するか指針となるべきものでしょう。その目的が明確な財務会計の枠組みが今後どの様になるかは成り行きを見守るとして、管理会計の観点からコーポレートファイナンスを融合させ、未来会計を確立させていくことに傾注してます。


情報社会においては規模の大小に拘わらず中小企業でも大手企業に挑むことが可能となります。それはヒューマンキャピタル(=人的資本)としての無形資産をどの様に把握評価し、経営の判断材料として活用していくかということもありますが、その様な情報をどうやって対外的に公表していくかも不可欠です。それは経済価値の計算に負うところが多そうです。


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