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セコムのホームセキュリティ!

皆さん、おはようございます!
新たなビジネスというものは、自社の事業領域を深掘りして磨き上げていくことと、その既存事業における領域を超えて広げていこうとうする両面から捉えていく必要があると思います。それにより独創的なアイディアや考え方が創出されるのでしょう。



未だAI(=人工知能)やIoT(=あらゆるモノがインターネットにつながる)という概念がこの世の中に登場する約50年あまり前にセキュリティ事業を営むセコムが創業者の飯田亮氏により創業されています。前回の東京五輪開催時に警備業務を請け負ったセコムは、そこで弾みをつけてホームセキュリティ事業に参入しています。


警備員による人的な警備から事業をはじめたセコムは、飯田氏の独創的なアイディアにより機械式警備に目を付けます。今という時代なら差し詰めAIやIoTの走りと受け止めることが出来ると思います。電話回線を使用し、自宅に設置したホームターミナルと各種セキュリティ機器により24時間警備を実現しています。


人的警備では、とてもではありませんが住宅各戸を24時間警備することはコスト的に見合わず、ここまで普及することはなかったでしょう。今では、保険会社と提携することにより、自家用車でのトラブル時にビートという警備員が駆け付けるサービスまで展開していることは、テレビコマーシャルを見て誰しもが知るところとなっています。


しかし、情報技術革新によりAIやIoTの世界にGAFA(=グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のみならず、大手家電メーカーがこぞって経営資源を集中している中で、いままでセコムが築き上げてきた牙城はこれからも安泰と言えるのでしょうか。技術的にはホームセキュリティの分野への参入は難しくない様に思えます。


アマゾンエコーやグーグルホームの様なAIスピーカーにより意図も容易く家電製品を制御できる様になれば、セキュリティにも応用することも簡単にできることは誰しも想像できると思います。ただし、ここで見落としていけないのは、ハードウエアやソフトウエアによる機器類の開発をすることが出来ても、それだけではビジネスが成立しません。


セコムのホームセキュリティの要点は、確かに先端のセキュリティ機器類も無くてはならない必要なものですが、それを事業として成り立たせるためには異常時にお客様のところへ駆けつけるビートという人的警備員の存在なくては考えられません。いまの情報技術革新において以外と見落とされている点かもしれません。


例えば、アマゾンのネット通信販売もそうだと思います。Webを駆使して、お客様を自社のサイトに誘致したり、お客様が関心を持つ商品を抱き合わせで購買する動機付けをさせることが出来ても、最後はその購入した商品をお客様のところへ届けられなければ事業として成立しません。ハイテクとアナログが融合して一つの事業が成り立っています。


特に日増しに増える通信販売による物量により、宅配便各社ともアマゾンの荷受けが出来なくなっている中で、アマゾンは自ら航空機やトラックを仕立てて物流体制を整えはじめています。更には、大手生鮮食品販売スーパーを買収することにより、店頭での商品デリバリー体制をも築き始めています。


このアマゾンの例でいえば、お客様へ商品をお届けするラストワンマイルは、人手に頼らざるを得ないことを見逃してはいけないと思います。アマゾンでは、このラストワンマイルについても、ドローンや無人店舗により機械化を図れないか検討を行っていますが、まだ暫くは時間を要することでしょう。


翻ってセコムですが、多くのハードウエア、ソフトウエア事業者がIoTの分野に参入を試みる中で、やはりビートという人的警備網を構築していることが、他に追随を許さぬ大きな強みとなっていることは揺るぎない事実だと思います。セコムにしても、これからの人口減少下、いつまでも人的警備網に頼っていられない思いもあるでしょう。


ホームセキュリティ事業のこのラストワンマイルについては、例えば警備員としてのビートを社員として雇い入れるばかりではなく、地域の相互扶助ではありませんがご近所さんが互いに見守り役を果たす様な仕組みを創っても良いのではないでしょうか。既に過疎地域のホームセキュリティにおいてはそれと同じ様な仕組みを導入しています。


それと同様な仕組みを全国、いやグローバルな観点でシステム化していくべきだと思います。これからの時代は、ハイテクとアナログを融合させるところに、新たな事業の可能性が見い出せると思います。逆に言えば、異業種からホームセキュリティ事業へ参入しようと思っても、そのラストワンマイルが構築できなければ事業として成立しません。


今日もありがとうございます!
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