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百貨店のファンドビジネス!

皆さん、おはようございます!
主観価値を感じる良い機会がありました。愛車NWGでお世話になっているディーラーのご担当者とは、かれこれ30年近いお付き合いです。一生のうちにクルマなんてそうそう乗り換えるものではありませんが、ホンダ車一筋なのはこのご担当者がいらっしゃるからです。



高島屋は介護施設などヘルスケア施設を投資対象とする不動産ファンドに出資すると発表しています。ファンドを運営するFantaと資本業務提携を結んだそうです。百貨店や商業施設開発に次ぐ金融事業の収益を拡大することを企図しています。本業の知見を活かし商業施設開発するなら未だしも、不動産ファンド投資で運用するのは本業とは関係ありません。


Fantaへの出資額は非公開ですが、本年中にも創設するファンドの保有不動産資産規模は約500億円を目指すそうです。Fantaが介護施設や医療施設など不動産開発を行い
高島屋が投資を行いリターンを得る計画です。高島屋とFantaは国内外でヘルスケア施設に特化した投資法人の設立も計画している事から完全なる不動産金融事業への進出です。


高島屋としては、ヘルスケアの不動産投資信託(=REIT)商品をつくり、百貨店の顧客などに資産運用商品として斡旋することも視野に入れています。百貨店の店舗づくりや商業施設開発に定評のある高島屋ですが、確かに少子高齢化を背景にヘルスケア市場に進出することは良いことだと思いますが、本業との相互補完効果があまり感じられないと思います。


本業である百貨店のお客様に、高島屋ブランドで新たな不動産信託商品を提供すること、およびヘルスケア市場に参入しシニア向介護付マンションを仮に提供することが出来たとしても、それは百貨店とは全く異なる事業領域であり、その様な商品を本業として提供する異業種他社と連携すればことが足るのではないでしょうか。きっと株価は反応しないでしょう。


先行きの業績低迷が拭い去れない百貨店業界ですが、これまでの慣習に捉われない新たな百貨店のビジネスモデルを考え抜くべきではないでしょうか。少子高齢化、人口減少問題が顕在化する中でも、流通事業が消えて無くなる訳ではありません。それこそ客観的価値を超える主観価値を最大化すべく、もっと価格を維持しサービスの質を極めても面白いでしょう。


同じファンドビジネスでも、J.フロントリテイリングが本年1月に発表した事業承継ファンドへの進出は、百貨店事業と相性の良い商品を製造販売する中小企業を事業承継することで、最終的に同社グループ子会社として傘下に収め、共同で商品開発行い、同社の店舗網で販売することを狙いとしています。まだまだ百貨店に商品開発の余地があるとの考えです。


傘下には子会社として収めたPARCOがあります。同社のビジネスモデルは、商業専門施設運営開発に特化したビジネスですが、PARCOブランドとマーケティング力を拠り所として、テナントと共同販促を行うことで知られてます。また入居テナントを開発すべく若手デザイナーを支援しながら事業インキュベーションしてることにヒントを得たのでしょう。


小売販売という「場」を提供する百貨店業界ですが、もっと小売業界のイノベーションを起こして欲しいと思います。場の在り方を再定義することも必要でしょうし、小売りそのものの在り方を社会の変化を捉えて見直してみることも大切です。きっと古き慣習に捉われていることに気付くと思います。街づくりの観点から捉え直してみることも面白いと思います。


今日もありがとうございます!
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