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ゆうちょ銀行の1兆円新興投資!

皆さん、おはようございます!
地域づくりに大志を抱く若き知人がいます。精力的に地域イベントへ参加されていますが、きっと内心はどうやって糧を得て行くかという不安感と希望が入り混じった気持ちなんだと思います。焦ることはありません、仕事なんていうものは目を凝らせば至る所にあります。



ゆうちょ銀行は5月下旬に国内のスタートアップに1兆円規模の投資をする目標を公表していますが、この度、その詳細が明らかになっています。全国約2万4千局の郵便局網を生かして各地域で有力企業を発掘する計画です。地方の事業再生なども含めて、中期的に1兆円規模を投資する方針です。2026年以降の中期経営計画で法人ビジネスを柱に据えます。


プライベートエクイティ(=PE=未公開株)投資でスタートアップの資金調達を支える考えです。ゆうちょ銀行池田憲人社長は、日本にはユニコーン(=企業価値10億ドル以上の未上場企業)が少な過ぎており、ゆうちょ銀行がリスクをとって成長投資を担う旨を語っています。日本を代表するベンチャーキャピタル(=VC)でさえ数百億円の投資残高です。


確かに欧米各国のPE投資残高を見渡してみますと、1兆円を超える投資残高を持つファンドが多くあるのに対して、日本では貧弱であるという感じが拭い去れません。その様な中でゆうちょ銀行が3月末時点の貯金残高195兆を背景として、新たに国内スタートアップ企業などへの投資を行うことは、意義深くあると同時にゆうちょ銀行のノウハウが心配です。


国内最大の貯金量をこれまで債券投資や海外不動産投資などへの運用だけで収益を上げて行くことに限界があることも内実としてあると思います。その0.5%である1兆円をプライベートエクイティ投資に回すことは投資ポートフォリオの考え方からも、もっと早く行うべきであった遅すぎた感が拭い去れないほどです。国民のコンセンサスも得やすいでしょう。


具体的には、5月に観光産業の支援などを手掛けるファンドにまずは総額200億円の出資を行っています。今後は、テーマや分野に応じて複数のファンドをつくり、専門知見を持つ企業の参画を募るそうです。VCや大手商社、企業再生会社など複数の会社と具体的な検討に入っているそうです。出資だけに留まらず、営業や販路開拓など事業面でも支援します。


事業が軌道に乗るまで伴走し新規株式公開(=IPO)やM&A(=合併・買収)などにつなげたい考えです。肝になるのは全国に張り巡らせた郵便局網としています。13あるエリア本部が各局の郵便局長や従業員から各地の企業の情報を吸い上げ、一元管理するシステムを2024年度中に整える計画です。構想は良いのですが果たして機能するのでしょうか。


このゆうちょ銀行の一連の構想を実現させるための課題は、やはり地域に根差した生きの良いスタートアップ企業や既存事業を梃入れして成長軌道に乗せる対象となる企業を如何にして発掘していくかということだと思います。確かに全国の郵便局網は魅力的ですが、これまで法人取引を行っておらず受け身の郵便局に来る顧客ばかりを相手にしていたと思います。


その様な郵便局に地元企業を発掘するノウハウをどうやって植付けていくのでしょう。また投資した後の投資先企業のモニタリングにも課題がありそうですね。営業や販路開拓など事業面の支援を行うとしていますが、いったいハンズオン型支援が必要とされる投資先企業に対して、しかも地方都市の投資先企業を支援できる企業が日本にどれだけあるのでしょう。


その答えは、地域金融機関と協業することによって、完璧ではありませんが一定の目的を達成することが出来ると思います。また、ゆうちょ銀行が投資先企業の資本金を積み増し、それを裏付けとして地域金融機関が運転資金を融資でサポートすることも考えられるでしょう
。その実行力を高めるには、希薄化してしまった事業の目利き力を高めることが必要です。


今日もありがとうございます!
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