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経営判断の岐路!

皆さん、おはようございます!
大学時代に自転車で北海道を駆け巡った記憶が、少なからずその後の人生に影響を及ぼしているようです。大自然を相手に決して平坦でないどこまでも続く道を、一歩づつ脚でペダルを踏み込みながら前に進んでいく地道な行動は、自分も自然の一部であると感じさせます。



とある中小企業の事業再構築を手掛けていますが、売上減少に歯止めが掛らず資金繰りに屈してます。もともと先代から引き継いだ事業ですが、現経営者が事業を引き継いだ時点で大きな債務超過に陥っており、それに見合う借入金の返済がそうでなくとも薄氷を踏むようなキャッシュフローにボディブローの様に重くのしかかって来ているのが正直なところです。


大手メーカー営業出身の現社長は、約10年間現在の事業を切り盛りしてきてますが、ご本人も営業の仕事を行っている時が一番楽しいというくらい、営業に傾注してきているのですが、売上高の多寡ばかりを追い求めてしまうので、売上から変動原価を差し引いた限界利益が黒字ならまだ良いのですが、固定原価を差し引いた売上総利益は赤字の状態が続きます。


財務数字という羅針盤を見ないで、独自の固定経費を充足させるのに必要な限界利益を享受する為なら限界利益率や限界利益の多寡に拘わらず、どの様な仕事でも取ってしまう考え方では、忙しさばかりが強調される割りに結果が伴わないというジレンマに陥ってしまいます
。2年間それを言い続けて来ましたが、それを受け入れて貰えなかったのは何故でしょう。


それは、この経営者が楽しい営業は行ってきましたが経営を行っていなかったことに尽きます。場当たり的に新規開拓を行っているので、そもそもなぜ経営者個人として何を目的として仕事を通して実現したいことがあるのかを理解できていないことにあります。自分が事業を通して実現したい漠然としたことが可視化されておらず、それが事業に反映されてない。


中小企業ほど経営者自らの出来ること遣りたいことを通して社会に対して実現したい志や意志が、会社や事業の存在意義と表裏一体に密着した関係であることは意外に知られていません。昨年一年間かけてメンタリングを行い、ようやくご自身の思いに気が付かれたその経営者は、ここに来て急に事業ビジョンや事業方針、営業施策がを描けるようになっています。


しかし折角、自律的にこれからの事業展開を描けるようになっても、事業というものは取り巻く利害関係者との関わりの中でポジションが決まって来るものですので、一朝一夕に主舵を切ることが出来る訳ではありません。時間を掛けてタイミングが巡って来ることを待ちながら、その時に向けて準備をしておく為には、揺るぎない熱量ある自らの意志が必要です。


事業を取り巻く環境を見定めながら、自らの意志に裏付けられた目標に近づく最短距離を目指せばよいのです。その様に考えると、どの様に難しい経営判断も自ずと答えが出て来るものです。必要なことは経営者個人としての自分を持つことの大切さなのです。また、どの様に大変な事業環境においても、自らの夢を実現するために前向きに捉えることが出来ます。


経営に関わる財務に携わってますと、資金調達、マネジメント、対外リレーションや事業再構築などの方法論だけでは限界に突き当たることがあります。自らその事業を経営している訳でもありません。その様な時、やはり中小経営者を支え援助する立場として、経営者に寄り添いその人間的な部分に大きく関わりながら方向性を定めることの大切さを痛感します。


今日もありがとうございます!
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