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全てのリース取引を資産計上!

皆さん、おはようございます!
腐っても鯛ではありませんが、自分の本分を一言で言い表すとCFOということになります
。単に財務、経営管理、IRなどの業務に長けているだけでなく、事業開発や経営方針策定においてCEOのマイパーパスを踏まえ会社のパーパスを明確化し経営方針を策定します。



店舗や社屋、設備などを借りて使うリース取引の会計処理が変わる見通しです。日本の会計基準では一部の取引について、賃借料を費用として処理することが認められてきましたが、数年後には原則全ての取引について賃借している資産を貸借対照表(=BS)に計上する必要に迫られます。店舗をリースで借りている小売業など約1400社が該当するようです。


日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会(=ASBJ)が近く全てのリース取引を資産計上することを盛り込んだ草案を公開する予定です。草案に対する意見を集めつつ、最終的に新たな基準をまとめる予定であり、適用開始は数年後になる見込みです。リース取引には大きくファイナンスリースとオペレーティングリースの2種類に大別することができます。


ファイナンスリースは、中途解約が出来ず期間中のリース料合計が資産を買った場合とほぼ同額になる取引をいいます。いまでも賃借物の資産計上が必要です。確かファイナンスリースの資産計上が導入されたのが約20年ほど前あったと思います。その時にも、企業がリース取引を行う妙味に欠けるようになることから、リース会社の業績悪化が囁かれています。


その時、オペレーティングリースは費用計上を継続することで決着していますが、国際会計基準(=IFRS)や米国会計基準(=FASB)が損益費用アプローチよりも貸借対照表を中心とする財政状態開示(=企業の資産価値を公正に評価する考え方)に舵を切ったことから、資産計上するオペレーティングリースについても会計基準と整合性をとるものです。


オペレーティングリースは、支払ったリース料を毎期の費用として計上しており、資産計上はすることがありませんでした。よくリース取引を活用するオペ―レーティングリースの代表例として車両やパソコンなど馴染みあるものが想定されます。これをファイナンスリースと同様に対象となるリース資産について、これから支払未払リース料を負債に計上します。


有価証券報告書の注記で今後支払うリース料から見経過リース料を推定すると、日本企業合計で約18兆円に達するそうです。新たな資産計上額が大きいと実態が変わらないのに財務内容が一変した様に映ります。総資産から膨らみ、資産からいかに利益を効率良く生み出しているかを示す総資産利益率(=ROA)や財務健全性を示す自己資本比率が下がります。


キャッシュフロー(=FCF)収支は変わらないのに、会計基準の変更によって見掛け上の財務指標が変わってしまうことに違和感を覚える方もいらっしゃると思います。その意味では、キャッシュフロー計算書に記載されている資金収支が実は財務諸表の中で一番大切な会計報告資料であり、その内容を補足する資料としてBSやPLが存在していると言えます。


企業の調達資金をどの様に運用しているか明細を示すのがBSであり、キャッシュフロー計算書では把握できない利益の多寡を補足するのがPLなのです。企業の開始から終了までの期間の利益合計は、当然に余剰キャッシュフローと一致することになります。その意味ではPLにおける利益額の真実性についても相対的真実を示していることを忘れないことです。


今日もありがとうございます!
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