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ハウステンボス!

皆さん、おはようございます!
一次産業といえば、自然に直接手を加える農林水産鉱業を指します。二次産業は製造業、三次産業はそれに当て嵌まらない産業がガラパゴスの如く分類されてます。IT産業を四次産業と分類するなら、人々に感動を与える感性産業を五次産業として括っても良いでしょう。



コロナ禍により業績が著しく悪化している大手旅行会社のHISが子会社であるテーマパーク「ハウステンボス」を過去にユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営会社などに投資した実績がある、香港拠点のアジア系投資ファンドPAGへ約1000億円で売却することで決定したようです。HISの背に腹は替えられない状況に、意外と早い決着を見ています。


HISとともに九州経済を支える為にハウステンボスに出資していた九州電力、JR九州、西日本鉄道、九電工、西部ガスホールディングスも、33.3%全ての株式を手放す予定ですので、HISの株式持ち分を含め全ての株式をこのPAGという外資系投資ファンドに売り渡すことになります。テーマパークではありますが、一つの街を売却するのと同じです。


元々、ハウステンボスは1992年に開業してますが、折からのバブル経済崩壊と甘い事業計画により業績不振が続いてた経緯がありメインバンクである旧日本興業銀行(=現みずほ銀行)の下で事業の立て直しを行っていましたが、その努力の甲斐なく2003年に経営破綻した経緯があります。当時は一種のテーマパーク流行りで多くの施設が消え去ってます。


私自身、街づくりに定評のあったセゾングループのディベロッパーで、既に開業した後の3つの施設の事業管理に奔走していたことが思い返されます。いずれもハードウエアである建物や内装設備に投資を掛け過ぎているにも拘わらず、当初計画した顧客動員数を実現できていなかった為に、業績は火の車であり投資が先行する事業の怖さを思い知らされています。


その後のハウステンボスは、野村ホールディングス傘下に入った後、2010年にHISが地元企業5社とともに再建を進めてきた経緯があります。余談ですが、古巣のディベロッパーは会社再建に際して個々の事業を流動化する計画に基づいて事業売却を行ってきましたが
、なぜ企業全体を売却するという発想にならなかったのか疑問が残ります。急ぎ過ぎです。


ハウステンボスも「人工の街」であるとはいえ開業から30年の歴史を刻んできたテーマパークに留まらない列記とした「街」として歴史と文化を宿しているものと思います。一企業がその土地と建物およびそれら施設の運営を司っているから、有事にリスク分散することが叶わず、テーマパーク全ての売却によりこれまで築いてきた歴史が分断されてしまいます。


街づくりの観点からすると、ハウステンボスの場合は各施設を小分けにして売却し、所有者を分散化させた方が望ましいものと思います。街全体の運営は、それこそパルコ方式ではありませんが、ハウステンボスという運営会社が司り各施設の事業主体から共同販売促進費を徴収しながらプロモーションを行って、ブランド力を維持していけば良いものと思います。


これからの時代、テーマパークの様な低採算の装置産業に手を出す事業主体は現れ難いと思います。日本国内にある景勝地や歴史的文化の残る街並みを活かして、先のパルコ方式によるサブリースと共同販促による方法で、個性のある観光地の活力を高めながら運営していくことは可能だと思います。過去に培った知見を再び新しい形で活かすことも必要でしょう。


今日もありがとうございます!
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