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東芝と会計監査制度

皆さん、こんばんは!
5月最後の日曜日をいかがお過ごしでしょうか。
我が家は先月結婚した長男夫婦が遊びに来て賑やかな一日でした。
子供が巣立つと、自らの気持ちも一段落というか、秋の様にいささか円熟した気分です。


いままで企業サイドのM&Aや協業について記載することが多かったですが、
ふと会計監査制度について思いついたことがあります。
いま世の中で注目されているのが東芝の決算に対して
監査意見を貰えず前代未聞の決算報告となったことですね。


先ほどWebを見ていたら、東芝が監査法人の変更を検討しているようです。
現監査法人はホッと肩をなでおろすところでしょうが、
引き受けてくれる新たな監査法人があるのか
興味深くもあります。


それにしても、現行の監査制度は企業が監査法人に報酬を支払う形態をとっていますが、
果たして報酬を貰う立場の監査法人は何処まで中立性を保てるのでしょうか。
確かに、今回、東芝の決算において監査意見を付けなかったスタンスは
素晴らしいと思います。


会計監査法人が企業に意見する様なものですから、
企業からしてみれば報酬を払っているのに何を言ってるんだ。。
という感情はないのでしょうか。日本で一番大きい監査法人なら財政基盤がしっかりしているのでまだしも、監査法人だって経営を考えなければいけません。


で、思ったのです。被監査対象企業が直接監査法人と監査契約をするのではなく、
全ての監査法人が所属する上部団体を設け、
上場企業をはじめとする被監査対象企業はその上部団体に対して強制的に会費を支払い、
その上部団体がランダムに監査法人に指定する企業の監査を行わせる。


会計監査法人が変更されることにより、
監査法人同士がライバル関係にあることから、
過去の監査経験が活かされなくなり、一定の監査契約の継続性が必要だと言われ、
過去には会計監査と企業間の不透明な暗礁になっていると言われたこともあります。


上部団体を経由して会計監査を行うようにすれば、
会計監査法人が変更となる場合にも引き継ぎがスムーズとなり、
変な軋轢が生まれることもないのではないでしょうか。
より中立的で客観性を市場に参加している投資者に担保することも可能だと思います。


そもそも、なぜ今の様な会計監査制度が生まれたのか。。
振り返ってみれば公認会計士なる資格が生まれたのも戦後の話しです。
証券市場および日本経済の公正な発展に資するという理由だったと思います。ですが、現状の会計監査を取り巻く状況を見ますと当初の目的が達成されているとは思えませんね。


であれば、その制度を実情に合わせて変えて行くことも選択肢かもしれません。
海外では、この東芝の会計監査の様な問題は起きないのでしょうか。
私もベンチャー企業でIPOを目指したことがありますが、監査法人の営業合戦は一般企業と何ら変わらないほど熾烈なものです。


その様な中で、公正で客観的な監査が何処まで担保されるかは、
皆様方のご想像にお任せしたいと思います。
今週半ばから6月ですね。暦上の季節は「夏」、梅雨でもあり、夏至もあります。
間もなく今年も折り返しですね。

最上の企業連携、近鉄ファミマ!

皆さま、今晩は!
いま奈良県は山村からの帰路で新幹線に乗っています。
東京まで片道5時間の往復。自身の肉体の衰えを感じつつも、
五感をフルパワーです!


京都駅まで近鉄特急に揺られること1時間。
停車する駅えきにコンビニのファミマがあることに気付きました。
何回も往復する路線ですが、ここまで意識に止めたことははじめて。
駅のホームに痒いところに手が届くように緑と青と白の看板が目に飛び込んできます。


街中のファミマに比べると、
やや小ぶりの、でも自動ドアが付いたちゃんとしたファミマ。
思わず近鉄京都駅のお店で新幹線で食べる夕飯のから揚げ弁当をレンジで温めているときに、店員さんに聞いてみたら近鉄直営店とのこと。やはり!


鉄道会社と小売店舗とのコラボレーションは今では珍しくないかもしれません。
意識してこのコラボレーションを五感で感じながら考えるのは初めてで、
世の中に様々なM&Aや資本業務提携があるけれど、
これほど美しいコラボレーションを見落としていたな。。という思いです。


それは「協業」の精神にかなっていると改めて気が付いたからです。
両者にとっても、ユーザーにとってもこれほど三方がWin-Winの関係が分かり易いと思った次第です。従来の鉄道会社のホームには必ず売店がありました。
そこで買い物をする人は、だいたい決まりきったものを同じ売店で買います。


商品のアイテム数は決して多くはないのですが、
だからこそ売店に行けば必ず自分が買いたいものが置いてある。
これがコンビニに置き換わりますと、一気に商品のアイテム数が増えますし、価格も下がります。それ以上に市民権を得ているコンビニですからユーザーにとっても安心感があります。


更に鉄道会社とコンビニ会社の相互補完効果を考えれば、
前者は仕入商品の調達力が増すばかりか、商品アイテムも増えますので売上増につながる以前に駅利用者のサービス向上にも繋がると思います。

コンビニ会社にとりましても一気に拠点が増えるばかりか、更なるバイイングパワーが高まります。


一方で、子供のころからおやつに食べていた懐かしの味カールが東日本地区での販売を停止するとのこと。地域の味シリーズを楽しみにしていた私には残念で仕方がありませんが、味覚の地域性に回帰しつつある一つの現象ではないかと思います。コンビニも更に店舗数が増えていきますと、地域ブロックごとにオリジナル商品を提供しやすくなるでしょう。


この様に考えてみますと、資本主義によるマス化、標準化と同時に、情報化によるパーソナル化と個性化が同時に進行している時代に見えます。
マスとパーソナルを連結させる接点は「協同」の精神ではないかと
思ってみたりする次第です。


今後、ますます事業連携や統合が増えてくると思います。
協同のポイントは互いに共通の利益をどれだけ見出せるかに関わっているように思います。株式会社を英語でコーポレーションということは皆さんご存知かと思います。コーポーレーションの和約を辞書で調べますと「協業」というのは偶然でしょうか。

アイディア資本主義

皆さん、こんにちわ!
最近、ニュースを見ていますと、テロや政治疑惑等、なんでこんなに毎日ドロドロとした人間のエゴとも言える様なことが表面化する一方で、若い眞子様と海の王子様の溌剌とした報道は本当に今後の日本を担う方々という意味でも嬉しいものですね。


昨日の朝刊の一面で「アイディア資本主義」という見出しに目が留まった方も多いと思います。優れたアイディアがあれば誰でも起業できるアイディア資本主義は、アイディア次第でベンチャーキャピタルや最近の時流であるクラウドファンディングを活用した資金調達の垣根が世界的に低くなってきているというものである。


また「協同組合の可能性~グローバル時代に相互扶助の精神を活かす」というフォーラムの案内も掲載されていました。私も知らなかったのですが、協同組合という法体系が、昨年、ユネスコの無形文化遺産として認定されていたのですね。申請者はドイツとの事ですが、日本独自の組織体かと思いきや欧州から持ち込まれたものだったのですね。


認定理由を調べると、「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行うことができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化や再生可能エネルギープロジェクトまで、さまざまな社会的な問題への創意工夫あふれる解決策を編み出している」とあり、従来の資本主義と社会主義の中間的な機能を持っています。


アイディア資本主義もこの協同組合の件も、共通点があることに気が付きました。何れも規模の合理性ではなく、個人や個性といったパーソナルに基づくものであるということです。規模の経済では文字通りスケールメリットを追求するので、没個性、標準化、機能性、形式的、効率性といった人間の個性を阻害する様な言葉が思いつきます。


今の時代を見つめてみますと、効率性を追い求め過ぎた為に、置き去りにしてきたものが沢山あるように思います。組織内のコミュニケーションではコンセンサスが尊ばれ、個人の暗黙知的な意見は黙殺せざるを得なくなり、個人の意見よりも大衆の意見が優先される。この様に生まれてから、その様な考え方に疑問を持たずに受け入れて育ってしまう。


いま小規模事業者持続化補助金申請のお手伝いをしているのですが、6つの事業者の共同申請なのですが、各事業者の役割と補助申請する費用を紐付けるのが、各々の事業内容が異なるので、負担案文を考慮しながら記載するにはどうにもこうにも申請書への収まりが悪い。


地域のインテリア家具を作る匠の技を持つ事業者から、製材する事業者、そして素材を生産する事業者まで、業態も異なれば収益率も異なるので、共同事業における利害調整に苦慮していた次第です。この様な時に協同組合という概念は、地域で連携しながら事業を営む者にとっては収まりが良いと感じた次第です。


また、手塩お掛けて作る手作りの家具は、工場生産にはない生産者の「五感」をフルに活用する暖かさがあります。冒頭に触れさせて頂きましたアイディア資本主義と通ずるものを感じます。個人の創造力を源泉とするいう意味では、規模の経済を前提に運営する企業組織においては相容れない矛盾があります。


情報化社会にも良し悪しがありますが、個々人が個々人の必要とする情報を得られるという意味においては、個性の後押しをする素晴らしい時代かとも思います。そらがまた、個々人を更に個性化に向かわせていることは間違いありません。この様に考えると、先の協同組合のユネスコ認定理由にもある従来の資本主義社会からもう少し個人寄りの新たな社会の考え方が芽吹きつつあるように思います。


私は、あまり二律相反の考え方が好きではなにのですが、資本主義の考え方と個人主義の考え方が上手く中和した考え方が生じてくるのかもしれません。それが、上手く地域経済、更にはそこで事業を営む中小企業が興隆して行くきっかけとなれば良いのではと思います。


その為には、ミクロ的には各々の中小企業も自らの経営資源を凝視し、時代の変化に合わせてそれを新たな構想のもとリデザインしていくことも不可欠だと思います。企業を取り巻く全ての仕組みが上手く調和しながら地域経済も個性を強めて行ければ良いと思います。これからの時代、必ずしも大が小を呑みこむ時代ではないと思います。


そこに必要なのは個々人の創造力ではないでしょうか。