誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

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改めて財務とはなにか

皆さま、おはようございます!
先週末の快晴が嘘のように、今日は雨雲が垂れ込めていて
だんだんと梅雨前線が近付いている気配がしますね。
私の頭髪は天然パーマなので、湿度が上がるとウエーブ具合で直ぐに分かったりします。


眞子様のブータン訪問も終わり、今日、帰国される様ですね。
毎朝のニュースを見ていて、ブータンは経済的には近代化が遅れている様に見えますが、
自然に囲まれていて、人々も自然な笑顔がとてもいいですね。
どことなく日本人と似ていて愛着が湧きます。一度、訪れてみたい国ですね。


確かにGDPという経済指標で国力を測りますと先進国とは言えないのでしょうが、
幸せ度という指標で測ると上位にランクされるとのことです。
この幸せ度という指標は、もともとブータンで編み出されたようですが、現在では国連から毎年公表されているそうです。


私も最近知った指標なのですが、何やらGDP成長率一本やりで国際比較するよりも、温かみのある本質的な指標だと思いませんか?
この指標では、1人あたりGDP、健康度、信頼できる人がいるかどうか、自由度などの10の指標から総合的に算定するそうです。


上位国には、北欧、南欧など、どちらかと言うと自然に抱かれた誰もが一度は行ってみたいという国が多いように思います。
日本も海に抱かれ国土の70%は山脈で構成され、それこそ大自然に恵まれた綺麗な国だと思いますが、インバンドの旅行者を見ていると爆買いのイメージが強く閉口しますね。


今日のタイトル、改めて「財務」って何かを考えてみました。
企業の財務部とかいいますと、
とにかく資金繰りと資金調達だけを専門に手掛ける部署で、一度、財務部に配属となると、なかなか財務部から抜け出せない部署というイメージが強いのではないでしょうか。


あと、企業によって財務と経理と経営管理の行っている業務がまちまちで、
あまり明確な使い分けがされていない様に思います。
特に営業系の部署からみると
全てをひっくるめて経理と言われることが多いように思います。


企業の財務諸表を商売道具としている点では各々共通しています。異なる点としては順番に財務諸表を活用して対外的に説明をする人、財務諸表を作る人、財務諸表を経営判断に資するように分析する人、という感じでしょうか。
また、財務諸表に記載された内容についての理解度が問われる仕事でもあります。


また、財務諸表というのは、事業を語る際のコミュニケーションツールであり、
その意味では一つの言語手段であり、目的は事業の状況や作成した事業計画を法律、規定、慣習によって定められた定義にしたがって表現する方法ということになります。
この理解力、表現力の豊かさに個人差が出てしまうと言ってよいかもしれません。


理解力、表現力を磨く為には、事業をどれだけ理解しているかに真価が問われます。
企業の理念から始まって、経営方針、ビジネスモデル、そして重要なのが実際に有形無形の資産を実際に現場で見て把握できているか。
また、無形資産であれば契約書の隅々について、きちんと読み込みを行っているか。


そして、それら有形無形の資産がどの様に組み合わさって、全体としての事業が成り立っているかを理解出来ていれば、結果的にビジネスモデルを理解していることになります。
当然にお客様との契約条件も含まれますので、市場動向やお客様の戦略変更等を新聞で目に留まれば、それが業績にどの様な影響を及ぼすがある程度の推測が立ちます。


この現時点における事業のおかれた全体像を把握できていなければ、財務諸表を完璧に作ることも出来ませんし、それを持って対外的、対内的に説得力をもって説明することが出来ないものです。この生モノである事業のおかれた状況を言語手段である会計規定に返還する作業が財務会計系職種の醍醐味かもしれません。丁度、通訳や翻訳家と似ているかもしれません。


この様に見て行きますと、本来、財務会計職というのは非常に奥が深い仕事ですが、これが出来るようになると、日々の事業の中で市場環境との乖離から手直しをしなければならない事業構造が理路整然と見えるようになります。それが業務改善である場合もあれば、資本業務提携やM&Aまで踏み込む必要がある場合もあります。


必要なのは、事業がどの様な個々の有形無形の資源によって構成され一つの機能が成り立っているのかという視点であり、事業に必要な機能を補う為に、
自社内で補えるのか、外部から調達して来て補うのか、
投資判断の優先順を整理して判断できるようになります。


今の社会は非常に高度化しており、大手企業においては組織が肥大化複雑になってます。
一つの財務部署や経理部署に所属しているだけでは企業の全体像を大局的に理解することが出来ず、本来あるべき財務マンが育ちにくい環境にあると言えるかもしれません。
日本で名を馳せているCFOが見当たらないのはその様な事情があるかもしれません。


CEOとCFOは企業や事業の経営について同じ視点をもって現状を把握し、ビジョンを持っていますが、使用する言語が異なるに過ぎないと思います。もちろん役割の違いはありますが。財務諸表というのは、公式に当てはめた単なる数字の羅列ではなく、その行間を含めて、その企業の夢や文化をも語るものであるとつくづく感じる今日この頃です。


最近、「誰にも聞けない財務戦略!」と言っておきながら財務そのものに触れていなかったので記したくなりました!(^_-)

匠と工業生産

皆さん、こんばんは!


この週末は素晴らしい天気の休日でしたが、いかがお過ごしだったでしょうか?
私は、久しぶりに家内と猫の額ほどの雑草で生い茂った庭の手入れをしていました。
日頃の運動不足で体中が筋肉痛でしたが、いまバリカンで刈り上げた様な庭を見ながら、
気持ち良く、キーボードを指で滑らせています。


生け垣なども、部屋からの見映えを考えながら
どの様に刈り込んでみようかと、
結構、それなりに綺麗に整ってくると全体のバランスが気になったりします。
やりながら庭師というお仕事もアート性が必要なんだな。。等と考えたりしていました。


昨日の日経朝刊トップページに「ご当地アパレル、芽吹く」という記事が掲載されていました。熊本県の大手アパレルメーカーの下請けだったアパレルメーカーのオリジナルブランドのデザインシャツが、大量生産品にはない品質や商品へのこだわりから、インターネットの普及も相俟って、ファンが増加しているそうです。


今治タオルをはじめ、全国で新潟ニット、長崎シャツ、秋田県産のポロシャツ等が一斉に芽吹きだしているそうです。そう言えば、今年の3月に繊維で栄えた富士吉田に行った時にも、国産ネクタイメーカーが糸づくり、生地織りからデザイン、仕立て迄の技術を活かし、オリジナルの風合いある洋服、バッグ、リネン等へ業態転換した話しを聞きました。


甲府にも、その様なアパレルメーカーがあると家内が言っていたのを思い出しました。
確かに大量生産品ですと、品質は高いですが、オリジナリティに欠けます。また、最近は海外生産が多く、なかなか作り手のこだわりを消費者に伝えるのは難しいと思います。その様な中で、モノづくりへの思いを語る製品に消費者が共感している好例だと思います。


2週間ほど前にプロフェッショナルの流儀で数寄屋造りの棟梁の特集がありました。ただ単に建物を建てるのではなく、建物の借景や部屋の使用方法、利用者の目線などを意識して、素材である木の良さを最大限引き出す。そして、建物の使用後も定期的に巡回して不具合を丁寧に調整して周るプロの流儀の思わず絆されました。これぞ匠です。


このことを消費者の側からみると、商品の良し悪し以前に、それを作った織り職人なり棟梁のこだわりや人柄があり、その愚直なまでの魂に絆される。
当然に、その様な匠が作るものですから、手作り感と温もりのある商品として仕上がることが前提としてある訳です。


ヨーロッパ、特に北欧の家具については、日本でもその素材感を活かした家具として、高価であるにも関わらずとても人気があります。なかでもフィンランドは、白夜と言われるように北極圏に近く夜がながい国です。その様な国での生活の知恵でしょうか、暗くても生活を楽しむ文化の中から、シンプルなデザインだけど温かみのある商品が多いものです。


私も知らなかったのですが、そのフィンランドのデザインの歴史を紐解くと、
微妙に日本の工芸品の影響を受けているとのことです。
日本の工芸品も自然の素材の風合いを活かし、製造元のブランドを前面に出さない質素さといいますか、禅の精神がフィンランドでも賞賛されているようです。


そう言えば、かの有名なアップルの創業者、スティーブ・ジョブズも親日家で知られ、
禅の精神を大切にしていたと、とある本で紹介されていました。
それが、あのスマートフォンという機能性の中に洗練されたデザインを生んだのかもしれません。


この様に思いを巡らしてみますと、今の時代において消費者に好まれる商品というのは、
機能性を追求した工業製品だけではなく、その商品に込められた製作者の思いや考え方が消費者の共感を生み、商品としても何とも優しい温もりを感じる。その様な商品に人々は安心感を覚えるのではないでしょうか。人間の本能がアナログである所以ではないでしょうか。


もう一つ、着目しなければいけないのは、情報化社会の進展により企業規模に関わらず、良い商品の情報が個々の消費者の目に留まるようになったことです。必ずしも企業の規模が比較優位な社会ではなくなってきていることです。その様に考えますと、アパレル、家具以外にも消費者が求める暮らしを豊かにする商品は沢山ありそうですね。


消費者も機能を追求する商品は良いものをより安く、暮らしを豊かにする共感商品には少しくらい高くても、とメリハリのあるお金の使い方をする様にライフスタイルが変わってきているように思います。また、これからの社会は消費者と供給者の境目も曖昧になってくるのではないでしょうか。


消費者であっても、工芸を趣味とする玄人はだしの方々は世の中に沢山いらっしゃいます。インターネットというツールを使えば、その様な方も自由にグローバルに情報を発信することが出来ますね。作家の世界でも同じような現象が既に起きているようです。一昔前であれば、出版社の編集者と作家の共同作業がなければ本が世に知れ渡ることはありませんでした。


この様に見て来ますと、モノづくりだけではなく、極論すれば消費者が求めるあらゆるコトに同じことが言えるのではないでしょうか。長年、日本では大手企業の下請けという形で中小企業は屋台骨を支えて来ましたが、これからの時代は冒頭の熊本県のアパレルメーカに見るように、今まで培ってきた持てる技術力を活かし新たな活路を見出して行けるでしょう!

三菱重工とJapan Taxi

皆さん、おはようございます!
今日は朝からスカッ!と快晴で思わず心にスニーカーを履いたようにウキウキしますね。
東京も午前中には気温が30度を超える様で、
まるで真夏の様な天気です。二男は来週から沖縄社員旅行、いいな~!


今朝、Yahoo!ニュースを見ていましたら三菱重工の記事に目が留まりました。
最近、立て続けで純国産ジェット旅客機MRJが5度目の納期延長、
造船業の豪華客船製造で1千億円の受注に対して2500億円超の損失発生、
三菱自動車のリコール隠ぺいや燃費データの改ざん問題等など。


新聞紙上で事実関係をご覧になり記憶に残っていらっしゃる方は多いと思います。
なぜ三菱重工グループに限ってこの様な不祥事が頻発するのか不思議でしょうがなかったのですが、やっとその理由が分かりました。
どうやら「重工業体質」というのがあるようです。


一言で言いますと、
三菱重工業は、三菱財閥の祖、岩崎弥太郎が「三菱は国家なり」と語った言葉にある通り、官業中心の重工業を営んできた歴史があるため、消費者を軽視する体質があると揶揄されているそうです。


また、その根本に技術力の低下が著しく、設計が製造部署に出す部品据え付け要請書なるものを作成できない、現場を知らない技術者がマネジメント層の多数を占めるようになり、技能伝承を含めた人材育成が出来なくなっているとのことです。それがデータ改ざんや隠ぺい問題として露呈していたのですね。「下町ロケット」の帝国重工を彷彿させます。


一方、皆さんJapan Taxi株式会社ってご存知ですか?思わず、そんなタクシー会社あったかな?と考えてしまいますね。実をいうと日本最大の車両数を誇る日本交通のデジタル機器やアプリケーションを開発する子会社なんです。「全国タクシー」というスマホでタクシーを呼ぶアプリを開発しています。


つい昨日の日経にも掲載されていましたが、
トヨタ系「未来創生ファンド」から5億円の資金調達を行っていました。
タクシーに乗ると料金メーターやらドライブレコーダーやカーナビ等ありますが、これって一式揃えると1台あたり車両価格の1/3程度掛かるらしいのです。


製造メーカーは歴史のある老舗2部上場企業が多いようですが、独占市場で価格が硬直的なのでしょうね。そこに目を付けた日本交通のタクシー王子こと川鍋社長が「自ら安く作っちゃえ~」っと。それだけではなく、国内外のタクシー会社にも販売しよう!っという発想力がコペルニクス的な逆転の発想で素晴らしいですね。


だから先ほどのスマホでタクシーを呼ぶアプリ開発等も出来るのですね。スマホでタクシーを呼ぶと、近くに居るタクシーのカーナビに表示されるのご存知でした?!
私もタクシーに乗る時は日本交通を好んで選びますが、どの運転手さんも礼儀正しくて清々しいですよね。


運転手さんに話を聞けば、時々日本交通の社員の方が覆面でお客様として乗車し、運転手さんの運転技量とサービスマナーを確認しているとのことです。業者に依頼するなら兎も角、社内でこの様なことを行うことは良い意味でなかなか出来ませんよね。
時間がある時には川鍋社長自ら運転手を務めるというから驚きです。


ここまで徹底した現場主義を貫き通すから運転手さんのサービスは勿論、
お客様が社内で快適に過ごして頂く為の様々な方策が思い浮かぶのでしょう。
ここが川鍋社長の逆転の発想が出来る強さなのではないでしょうか。
自動車の自動運転化が進むことを考えますとトヨタ系ファンドからの出資も意味深ですね。


ある本を読んだ時、アイディアというものは、匠の技の様な五感の直感的な言語化できない経験知(=暗黙知というらしいです)を少しずつ周囲の人に伝えて行く経験知を皆で共有していく過程(=形式知というらしいです)の中で、創出されることが多いそうです。先の三菱重工の技能伝承の部分ですね。


経験した知識と言うのは現場でなければ得られない掛替えのない知識です。研修室でマニュアル(=形式知)を勉強するのも即効性があり重要ではありますが、経験と両輪でないと実感がわかずにアイディアが生まれてこないものでしょう。その意味で、三菱重工とJapan Taxiは好対照だと思いました。


昨日から大学新卒者の採用試験が開始されました。
業種にもよりますが、有効求人倍率がバブル経済期に次ぐ高さで、ややもすると入社後の現業職への配置は新卒者から敬遠されがちではないでしょうか。企業サイドも、組織の仲間に入る為の儀式ではなく、なぜ現場経験を積む必要があるのかをきちんと理解する必要があります。


今日、そのことを理解できていない世代が企業の経営層を占めつつあることが容易に想像されます。日本の組織が官僚組織になりつつある原因は、ここら辺にあるのではないでしょうか。私が、財務を行いながらも、数字の根拠である現場に行って見て、手で触ってみないと数字が腹に落ちず理解できない理由がやっと分かりました。