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ビジネスの基本、ナリワイ!

皆さん、おはようございます!
スタートアップも創業にあたっては最初から組織化を目指す風潮があると思います。
起業の理想は創業者個人が持つ糧を得るノウハウを標準化し分業することだと思います。
それがやがて成長して行くと企業と呼ばれるまでになるのでしょう。



ナリワイ(=生業)を辞書で調べてみると「生計のための職業。八百屋。小説家。」という解えが返ってきます。ようは生活と仕事の境目が明確に分かれていない個人事業者の様な働き方をイメージできると思います。自分個人の才覚でお客様に商品やサービスを提供して糧を得る、とてもシンプルな働き方だと思います。


いまの社会は、150年前の明治維新のころと比べますと、企業社会であると言うことが出来ると思います。それまでの多様なナリワイにより成り立っていた社会とは異なり、組織という分業集団でスケールメリットを追求した方が、効率良く売上を上げることが出来るからです。マスマーケットに対して大量に生産し販売することが出来ます。


ところが、企業社会というものも効率性を求めて規模の経済を追求すればするほど、硬直的なピラミッド型の官僚組織となってしまい、組織としての活力が失われて行くことが現実のものとして理解される様になっています。純粋にお客様の求めているものを提供すべく活動をするというよりも、自組織を維持する為に内側の力が働くからです。


人間の営みというものをシンプルに考えますと、自身と環境(=自然環境のみならず広義の環境)との相互作用だということが出来ます。より良い豊かな暮らしを享受する為に、社会環境に対して何らかの作用を施す。いまの企業が創業当時の頃は、社会に対して何を提供できるかを考えながら、事業を営んでいたのではないでしょうか。


それが、企業が大きくなりますと、働き手が仕事を通して直接環境と接点を持つことが極端に少なくなってしまい、内部環境との関わりが大部分を占める様になってしまいます。俗に言われる内向きの仕事ということではないでしょうか。組織を円滑に運営して行く為にはそれも必要なのですが、それだけでは組織が硬直してしまいます。


やはり仕事の原点というものは、社会やお客様と対峙して困っているコトを事業を通じて解決してあげることだと思います。それを直接的に感じることができる働き方の基本というのは「ナリワイ」ではないかと思います。ナリワイ稼業は、日々の糧を得るために社会やお客様の声を耳を澄まして研ぎ澄ましているわけです。


ナリワイの多くは、唯一の事業資源である自身の「労力」をお客様に提供して糧を得ると言う意味では、例えば材料等を買ってきて製品化し販売する商売とは異なり、資本は自分自身であり、それを商品とする訳ですから、非常にシンプルであり、かつ商売の醍醐味を感じることでしょう。最も働くことを実感できるものだと思います。


これに対し起業といいますと、ナリワイ型の創業のあり方を飛び越して、創業当初から資金を集め、何らかの商品加工を通して、お客様に提供しようとするスタートアップ型の企業が多いと思います。この時に思いますのは、果たしてその事業が自身一人で自己完結できることであり、かつ自分の遣りたい出来る事なのかが大切だと思います。


創業当初から資金調達することが出来ますと、最初から事務所や従業員を構えて、販売しようとする商品の素材を購入して、事業の体制を整えることが出来ます。しかし、創業にあたり一番大切なのは、創業者の胆力と言いますか、創業者自身が素の自分の強みや弱みを知り抜いていて、その強みをお客様に還元して行くナリワイを築くことです。


どんなに事業の体制を整えても、その事業は創業者が本来持っている能力以上に成功させることは出来ないものです。日本の創業企業の99%が10年以内に廃業に追い込まれる理由はそこにあるのではないでしょうか。自らの事業の礎を築くことをせずに、一足飛びに組織化を急いでしまうと、商売に必要な「型」が固まらない様に思います。


ことを急がずにナリワイの様に何もない所から自身の労力だけを頼りに、一歩ずつ事業を立ち上げて行くことが大切だと思います。創業当初から資金を得てしまいますと、どうしてもお金の有難味を見失いがちです。また、素の自分の強みを社会の中で研ぎ澄ませて行く期間は、商売を行っていく上で何よりも替え難いとプロセスでしょう。


内向きとなった大手企業におきましても、再度、創業当初の活力を取り戻すためには、働き手個々人がナリワイの様にお客様に対峙して自らの労力で何を提供することが出来るかを問い直すべきではないでしょうか。ナリワイビジネスは、自らの独創的なアイディアだけが拠り所となるからです。


今日もありがとうございます!
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