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地方銀行の事業展開!

皆さん、おはようございます!
頭で考えて行動するとあまり良い結果が出ないものかもしれません。それより自分の気持ちに素直になって臨機応変に行動する方が、よほど勘が冴えわたり精神的にも安定するものと思います。それを言い換えれば、左脳と右脳を上手く使い分けることが大切なのでしょう。



京都銀行を傘下に持つ京都ファイナンシャルグループ(=FG)はスタートアップなどに投資するファンドの組成額を2030年度に1000億円に引き上げる考えを明らかにしています。現在の約10倍にあたり地方銀行として最大規模を目指します。京セラなど地元有力企業を創業初期から資金支援してきた知見を生かして次世代の収益源を育成する考えです。


ファンド拡大を通じ京都大学発など有望スタートアップや事業承継に悩む地元企業を支援して収益源の多様化に繋げる方針です。投資専門子会社として設立した京都キャピタルパートナーズの営業を既に開始し、京都銀行傘下で運営してきたファンド事業(=合計75億円のファンドを運用中)を移管し専門人財の採用や育成を本格化させ新ファンドを追加します。


ファンド総額が1000億円規模となる2030年度にはスタートアップ向けと事業承継向けの運用額はそれぞれ約5割ずつとなる構想を描きます。資金回収の方は、外部企業への売却やMBO(=経営陣が参加する買収)を想定しています。京都銀行はこれまで京セラやニデックの草創期から出資しており、その含み益7000億円を原資にする考えのようです。


一方、山梨中央銀行は観光事業に参入するとしています。山梨県内の埋もれた観光資源を発掘して旅行プランを開発し、JTBと連携してインバウンドなどに販売することを目論みます。2024年度には旅行業の許認可を取得し、専門子会社を設立して個人向けの観光事業を本格的に展開する考えです。地域経済の活性化と新たな収益源の確保を目指しています。


旅行プランは県内各地の同行店舗や取引先などの情報網を活用し、地域の魅力的な人や場所
、食、体験などを発掘し商品化する計画です。取引先企業が扱う地場産品も合わせて紹介・販売する考えです。地方銀行に対する出資規制の緩和を受け、地方銀行が地域商社などを設立する動きが活発になっていますが、山梨中央銀行の様に観光事業に参入する例は稀です。


まずはJTBが富士北麓に開設するインバウンド向け観光交流拠点「ツーリストベース河口湖」で外国人観光客向けに自社開発した旅行プランを販売する予定です。同拠点には国内旅行業務取扱管理者の資格を取得した若手行員1名を派遣して常駐させるようです。俄かに地方銀行の動きが活発化している背景には、銀行業務だけでは立ち行かない事情があります。


他の地方銀行の動向を見ても北陸地盤の北國銀行が、コンサルティング事業を中心にファンド事業やECモールなどを展開してます。それら展開を見ていますと一つの法則があることに気が付きます。一つは銀行業務で培った融資における審査判断力やその後のモニタリング力を生かして、スタートアップ投資や事業承継などのファンドビジネスを展開しています。


もう一つの展開軸は、これまで築き上げてきた顧客基盤を生かし地域商社や観光事業、そしてEC事業などの流通に進出する動きです。その何れにも共通しているのは、地域の企業を巻き込んで地域経済の活力を高めることにあります。そのオーガナイザーとしての機能を司ろうと考えている訳です。その成り行きについては暖かい目で見守り続けたいと思います。


今日もありがとうござます!
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