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東京大学のCFO職!

皆さん、おはようございます!
20年振り位に、一昨年購入したロードバイクに跨って1時間ほど慣らし運転をしました。若かりし頃、ランドナーで北海道、九州、四国、富士山や離島を駆け巡った時の面影はありませんが、サイクリング車の乗り方だけは身体に染みついている様で上半身が筋肉痛です。



国立大学法人の東京大学は、最高財務責任者(=CFO)職を8月1日付で新設し、アセットマネジメントOne前社長の菅野暁氏を任命するそうです。東京大学の資金管理や運用資産の決定など財務戦略全般を受け持ちます。大学間の国際競争が激しくなるなか、民間で培ってきた資産運用の経験や知見を研究資金の確保に活かして貰うことが期待されています。


今春設けた最高投資責任者(=CIO)職の上位職となるポストであり、菅野氏は財務戦略全般を統括し、ブラックロック・ジャパン出身の福島毅氏と協力しながら運用方針や投資資産を決めて行きます。東京大学では来春に財務運用を手掛けるCFOオフィスも開設することとしています。きっと学校運営全般の財務戦略マネジメントを期待されてるのでしょう。


東京大学が運用体制を強化するのは、独自基金拡大に取組む必要がある為です。国からの補助金などは使途や期限が決められており金額も小さいことから、長期にわたり自律的な研究を支えるには独自の財源を確保したり、運用益で研究資金を賄ったりしなければならないからです。資金を効率的に運用し、研究費を確保するには民間の力が欠かせないと判断です。


CFOに就任する菅野氏は1982年に旧日本興業銀行(=現みずほ銀行)へ入行。当時の興銀投資顧問でファンドマネージャーを務めたほか、第一生命保険との共同出資でアセットマネジメントOneの前身であるDIAMアセットマネジメントの設立に携わるなど、資産運用の分野でファンドマネージメントから会社のマネジメントまで豊富な経験を持ちます。


海外トップ大学に目を向ければ、大学運営を支える資金源としてその多くがファンドをを活用した資産運用に傾注していいます。米ハーバード大学は509億ドル(=約7兆円)の資産を運用しており、大学運営予算の3分の1以上を資産運用で賄っていると言われています
。これに対して東京大学が運用するファンドの総額は440億円と格差が歴然としてます。


大学間の国際競争力が激しさを増すなか、運用に通じたプロフェッショナル起用で、いかに研究開発の予算を確保できるかが注目されるでしょう。また、ファンドを通した資産運用に限定することなくアグレッシブに民間企業と共同研究などを通した開発費の捻出を考えても良いでしょうし、未だ日本では根付いてませんが寄付金を広く募ることも良いと思います。


その意味では、今般CFOに就任される菅野氏は、確かに資産運用分野での専門家であり、資産運用会社の設立やその後のマネジメント経験を持ちますが、それはファンドを通した資産運用の世界であり、それ以外にも学校運営のマネジメントにも精通していることが本来は望まれるでしょう。わが国にはその様な専門人財がいないという台所事情もあるでしょう。


これから東京大学に拘わらず、あらゆる大学で同様にCFO職が不可欠なって来ることでしょう。しかし、肩書きだけCFO職名が付いた役職の人財が、最近は民間企業に増えていますが、どちらかといいますとインベスターリレーションを専門にしていたり、財務経理部長の延長職である場合が多く、本物の専門家としてのCFOが存在しないお寒さがあります。


今日もありがとうございます!
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