誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

アントニン・レイモンド繋がりの建築!

皆さん、おはようございます!
今日も素晴らしい天気ですね。。でも、ちょっと陽の光が弱くなっています。
そろそろ冬支度が似合う季節でもあります。
天気予報によりますと一日曇り空で、夕方、にわか雨が降る様ですが。。


昨日、吉祥寺にある東京女子大学に行ってきました。
お目当てはアントニン・レイモンドが設計した礼拝堂を見るためです。
普段は学内に入れないのですが、昨日は学園祭のため一般公開されていました。
建物内まで立ち入ることができ、とても楽しかったですね。


この礼拝堂は築87年が経過する近代建築であり、
一般的な昔ながらの教会のイメージからしますと、非常にデザインが洗練されておりモダンです。ステンドグラスを遣った丸い小窓を多く配し、建物内は陽の光が差し込み、内壁に映し出される青、赤、黄色の光の調和が技巧的でとても幻想的な雰囲気です。


アントニン・レイモンドは、近代建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトに師事した方であり、帝国ホテルをはじめとする多くの建築に携わっています。
新潟の知人に話しをしましたら、新潟にもアントニン・レイモンドが建築した木造の小さな礼拝堂があり、やはり丸い小窓による光のアートが象徴的です。


この東京女子大学の礼拝堂が戦前に建てられたとは思えないくらい立派で、
街の借景に溶け込んでいることが名建築と言われる所以なんでしょう。
普通でしたらザ教会というような分かりやすい建物の形状になるのでしょうが、
数十年後の街の景観をも予測する様にデザインがなされています。


東京女子大学は住宅街に位置するのですが、
シンボリックな建物として、街に彩りを添えているといえます。
対照的にすぐ近くに、この5年くらい前に私立高校の跡地に建てられた大型のマンションがあります。


建物だけを見れば現代建築でデザインも優れており、マンションにしてはスマートで良いと思うのですが、周囲の戸建住宅を含めた街の景観として見てみますと、妙に規模の大きな客船が港に停泊しているような趣きで、とても80年後を創造できる様な井出達ではありません。


いまの建築物は、都市計画法や地域規制の中で、事業主体である建築主が与えられた制約のなかで、利益を最大化する建物を建築するので、どうしても周辺の建物との調和や歴史的な流れが等閑りにされてしまい、視覚的、心理的に街が分断されていく様に思えてなりません。その建物だけの機能性を追求するからでしょう。


街全体の景観(=ランドスケープ)との調和が弱いですね。建物もその地域のシンボリックな「情報」として捉えるなら、その地域を通る人々はその情報から個々人思い思いの様々な情報を受容する訳です。その地域にお住まいの方、その建物の利用者、その地域を偶々通りすがりの方。。それら全ての心理を紡ぐ奥深さが欲しいですね。


都心の高層ビルもそうです。個々の建物のデザインは素晴らしいのですが、これだけ新しい高層ビルが一気に建てられますと、その街の歴史を踏まえた織りなす個性が分断されてしまいます。建物の機能性には素晴らしいものがあり視覚を楽しませてくれますが、精神的にはどこかで異和感を感じているのが人間というものです。


最近では、建物の建築費を削減する為、設計も建築家には依頼をせずに、ゼネコン設計と言われる建築会社が設計と工事の両方を請け負うスタイルが増えています。
名建築家というものは、その街固有の歴史や景観等の「繋がり」を充分に見極めた洗練された建物を設計するのと様相が随分と異なっていることも問題の一旦でしょう。


このことは建築の世界固有の話ではなく、産業界や企業にも同じことが言えます。
事業会社はある一定の市場分野に特化して効率を深めて行きます。
しかしながら、本当にいま世に存在する事業領域や産業領域しか、世の中から必要とされている商品やサービスはないのでしょうか。


本当はサプライチェーン(=原料から消費者に商品が届くまでの事業機能の繋がり)としての繋がりだけではなく、消費者から見た事業者間、産業間の繋がりを充実させ、その分断されている間の中にこそ、新たなフロンティアやイノベーションが存在しているのではないでしょうか。


これは企業内の組織上の部署についても同じことが言えると思います。経済合理性の効率ばかりを追い求めますと、確かに専門特化して効率性が高まる様に見えますが、逆にその部署間の連携が取りづらくなるというデメリットもあります。それが現代における大手企業の最大の課題ではないでしょうか。


大雑把な組織上のヒエラルキーを持ちながらも、縦横無断にそのヒエラルキーの中を繋がって行ける様な自律的な自由度がないと、社会が硬直的になり人間の疎外感が高まるばかりです。一定の事物、事象の間にある「際(=コンテキスト。文脈。)」にこそ充実させるべき社会の課題が存在することを再認識した日でした。


より良い暮らしを創造しよう!
今日もご覧いただきまして有難うございます。


東京女子大学の礼拝堂


CREATE LIFE!
http://crelife.co.jp





×

非ログインユーザーとして返信する