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2022年のM&A!

皆さん、おはようございます!
M&Aや事業再構築も企業財務の一領域であることは良く知られた所です。それはただ単に財務数値のみを読み解けば良いというものでなく、事業の市場環境を充分に理解した上で、その事業が持つ光り輝く資源をクローズアップし、新たな事業戦略を描いて行くことです。



2022年1~12月に日本企業が関連したM&A(=合併・買収)の件数が、前の年比僅かながら1%増え4304件(=2021年は4280件)となったそうです。国内外の投資会社による日本企業の買収案件が増加した他、事業承継の件数も伸びているそうです。差し出がましい様ですが、昨年は私もその内の1案件の成約に、貢献させて頂いております。


M&Aを活用した事業承継案件だったのですが、2年越しの交渉の末、売主と買主にとってメリットを享受できる案件であったと思います。今後も、複数の工場の生産拠点を統廃合して生産効率を高める必要のある先駆け的な事案を抱えておりますので、同業者同士が連携を図りながら、行政や金融機関の協力も得ながら、首尾よく成約に漕ぎ着きたいと思います。


一方、世界では欧米の利上げなどを背景としてM&A件数は減少しており、国内に目を向ければコロナ禍からの回復を目指した、国内案件は堅調に推移すると見られていますが、今年は世界経済が減速する可能性が非常に高いことから、日本企業が絡む案件もどこまで増えるのか、予断を許さない状況だと思います。国内金利水準の切り上げが予測されるでしょう。


国内外の投資会社による国内企業の買収件数は、前年比3%増の1071件と1998年以来、最も多かったそうです。また、事業承継案件も700件を超え。全体の2割を占めるまでになっています。M&A全体の合計金額は32%減の11兆4356億円と、2年振りのマイナスとなっています。日本企業同士は4兆59億円と26%増えているとのことです。


日本企業による海外企業の買収額が3兆4743億円と半減していますが、これは大型案件が少なかったことによるものです。海外企業による国内企業の買収額も3兆9552億円と約4割減少しています。こうやって具にM&A案件の動向を見ていますと、同じM&A案件でも大手企業と中小企業とでは、その案件の考え方や目的などが異なるものだと思います。


大手企業であれば、やはり資本の論理が働きますので、一定の社内レートであるWACC(
=加重平均資本コスト)を上回ることのない事業を事業の選択と集中の下、M&A手法を活用して売却する動きとなります。それは最早、事業を長期的な視点で育て上げようというより、機関投資家からの圧力により短期的な利益(=株価を上げること)を求めるからです。


それも株式公開する大手企業に課せられた制約なのかもしれません。もっと戦略性もって事業を育てていかなければ、何のために実業を営む事業会社だか分からなくなります。ピラミッド型階層組織という枠組みの中で、一度、確立してしまった事業を再構築する為には、その様な組織と矛盾してしまいますがフラットな組織で自律的に自走させる必要があります。


中小事業のM&Aに携わってると、もちろん事業価値を毀損しない様に留意はしますが、その本質は将来に向け事業をより良く強化するという意味では、事業戦略上のM&Aと言えます。事業を売却することも簡単ですが、その前に買収するという方法もあります。昔、僚友と事業戦略上のM&Aと金融戦略上のM&Aの議論をしたことが懐かしく思い返されます。


今日もありがとうございます!
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