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ドラッグストアの規模の経済!

皆さん、おはようございます!
この時期になりますと3月と5月の確定申告に向け、手を煩わせられてしまい意気消沈してしまいます。会計ソフトがAIにより性能が向上したとはいえ、未だ証憑類は紙ですので入力作業に手間が取られてしまいます。特にインボイス対応での課税区分の変更が煩わしい。



ドラッグストア首位のウエルシアHDと2位のツルハHDは、経営統合する検討に入ったそうです。ウエルシアHD親会社であるイオンが、ツルハHD株を1割強保有する投資ファンドと同社株の取得で最終調整段階に入っています。取得後にイオン主導で両社の統合を進め
、売上高で2兆円規模のドラッグストア市場の25%を占める巨大チェーンが誕生します。


イオンは兼ねてよりドラッグストア再編を模索し続けており、同社主導で経営統合を進める為、投資ファンドからツルハ株を取得し現在イオンが保有する株式所有割合を増やしたい考えです。統合が実現すれば国内ドラッグストア市場8兆3449億円のうち約4分の1を占め、同業マツキヨココカラ&カンパニー9512億円の売上高の倍以上の規模になります。


国内店舗数でも5千店以上を抱えることになり、マツキヨココカラの約3.4千店を大きく引き離す巨大チェーンが生まれます。現状、数10店舗のアジアなど世界展開に向けた体制が整います。グローバル市場でもツルハHDとウエルシアHDの合計売上は、世界5位の規模にランクされることになります。果たして規模の経済追求が成長に繋がるのでしょうか。


もともとツルハHDは、北海道を地盤に積極出店と同業他社のM&A(=合併・買収)で勢力を拡大し、一時は店舗数で国内首位となった有力企業でもあります。1995年にイオンと資本業務提携を結び、現在までプライベートブランド(=PB)商品の供給などで提携関係が続いています。一方、ウエルシアHDは北海道地域で7店舗の出店に留まっています。


商品供給面でツルハHDとウエルシアHDは青森県で共同配送に取り組むなど協業を始めてます。M&A戦略の観点から見れば、互いに重複しないマーケットを持っており、また製薬会社に対する更なるバイイングパワーを発揮するこが出来ますし、両社で効率的なサプライチェーンを構築できるメリットもありますから生産性が高まり株価を押し上げるでしょう。


今やドラッグストアは、処方薬や大衆薬ばかりでなく、日用品や食品の扱いも増やしており
、国内でスーパーやコンビニエンスストアに次ぐ市場規模に成長しており、必ずしも同業者のみが競合でなく、スーパーやコンビニエンスストアとの戦いだといって良いでしょう。国内は人口減少が進み、医療費抑制の流れが強まり、取り巻く環境は厳しさを増しています。


しかし果たして陣取り合戦をどこまで続けるのでしょう。国内市場を制圧してしまえば海外市場に出て行かざるを得なくなります。その海外市場で運よくNo1の市場規模を誇ることが出来たとしても、その時に企業として成長が止まることに留意すべきだと思います。企業は自らの存続のために、確立したビジネスモデルを前提として戦い続ける宿命にあります。


その戦いの中で消費者が蚊帳の外に置かれていることが気になります。必ずしも安価のみを消費者は期待してる訳ではありません。生活していく上で最も大切な健康を託す相手として現在のドラッグストアは物足りないと思います。店舗は必ずしも清潔感溢れるとは言い難く
、店員の対応も相談相手としては物足りません。新しい業態で戦ってみては如何でしょう。


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規模の経済再考!

皆さん、おはようございます!
コミュニケーションもコミュニティもラテン語のcomminusに由来しています。その意味は共通な、公正な、一般的なにあります。コミュニケーションは、人々が共通の興味や目的を持ち、協力して活動するという意味で場所であるコミュニティとも関連しています。



規模の経済とは、生産量が大きくなるほど単位当たりの生産費(平均費用)が逓減していく現象を指します。主に設備投資や研究開発に莫大な固定費用がかかる産業において、生産規模の拡大に伴ってコストが下がり、収益率が向上させることが出来ます。具体的には工場や企業の規模が拡大することで、固定費用の分散、分業の利益、範囲の経済を享受できます。


一方で、規模が拡大することでコストが増加し効率が悪化する場合もあります。この状況を表す言葉として、規模の不経済という用語があります。規模の不経済は、規模の拡大によって生じるデメリットを指します。例えば、大企業が過度に成長することで管理の複雑化、コミュニケーションの困難、モチベーションの低下といった問題が発生することがあります。


管理の複雑化では、大規模な組織は管理が複雑になり、意思決定が遅れることがあります。
コミュニケーションの困難では、事業目的を達成するために多くの従業員や部門が関与することから、情報共有や意思疎通が難しくなることがあります。モチベーションの低下では、大企業で個々の従業員の貢献が目立たなくなりモチベーションが低下することがあります。


また、一番大事なことかもしれませんが、規模の経済を追及するためには大量の生産物を消費してくれる大きな市場の存在を前提としていることです。戦後モノが不足している時代ならともかく、既に飽食の時代と言われるくらいに世の中にはモノが満ち溢れています。価値観の多様化も相まって、規模の経済を満たす新しい市場を見出すことは難しくなってます。


その様に考えると、企業が悪戯にビジネスモデルである規模の拡大を目指すことは慎重にすべきであり、規模の経済と規模の不経済のバランスを取る必要があるでしょう。いまの大企業を前提とする経済は正しくこのジレンマに陥っているので、資本市場から株価を高め続けることを要求される中で、新しいフロンティアを求めた海外進出やM&Aに終始してます。


そして、最大の課題と考えられるのは、それら大企業が果たして市場のニーズに応えているのかということです。もっとミクロ的に見て行けば、お客様の欲求に応える商品を提供できているのかという問題があります。家電製品などを見ていても、必要以上の使いもしない機能を付加することにメーカーは躍起になっていますが、お客様はそこまで求めていません。


そこに現在の資本主義経済の問題があると思います。大企業が市場のコンサバで最大公約数的な需要に応えている内は良かったのですが、それが出来ない規模の不経済に陥っていると見るべきでしょう。しかも、そこから脱する解を見い出せない質の悪さがあります。私なら
、ホールディングカンパニー制の下、事業を出来る限り細分化することを考えるでしょう。


そもそも大きな設備投資の必要がないなら、果たして株式を上場させておく必要があるのかということに行き着きます。だから昨今、大企業によるMBOが増えているのかもしれません。ビジネスの基本は、お客様の欲求にどこまで迫れるかだと思います。それを行っていくためには、業種業態によって最適なビジネス規模があり、それを知ることが大切でしょう。


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協業時代の幕開け!

皆さん、おはようございます!
世の中、一気に時間が加速し始め新しい時代の幕開けという感じがします。これを200年余り前となぞらえて捉えると、産業革命の黎明期を過ぎて規模の経済をこぞって追求しだした時と被ります。情報革命の黎明期は過ぎ去りカスタマイズ経済が価値観の常識でしょう。



商品を提供する側である企業が事業を営むときの常識は、これまでなら自社の利益を追求するべくサプライチェーン全てを社内に抱え込みサプライチェーンを構築して比較優位に立とうする戦略が常識であったと思いますが、これからはそんなビジネスモデルを妄想していたら早まる時代の流れから取り残されるばかりか、規模の不経済を抱え込んでしうでしょう。


人的資本経営(=ヒューマンキャピタル経営)が常識となり、移ろいやすい人財を会社に繋ぎ留めるには、会社が向かうべき方向と人財の希望や遣り甲斐が同じ方向を向いている事こそ、唯一の不可欠なエネルギーとなります。これまでの様にものを言わず、従順に働いてくれた機械や設備が利益の源泉となる時代ではありません。感情を持つ人間が対象なのです。


もちろん情報武装した機械や設備がどんどん更新されていくと思います。でも、それすらそれらを考えるのは人間が持つアイディアであり、それを実現していく力です。それを実現していく為には、人間に蓄えられた経験知(=暗黙知)を形式知として誰でも理解できるように概念化していくプロセスが大切になります。創造力を発揮することほど楽しいものです。


その為には、自分の暗黙の知識を他人の暗黙の知識と重ね合わせていくプロセスが不可欠となりますが、ただロジカルに理詰めで形式知として概念化しようにも出来るものではありません。感情を持つ人間として新しいアイディアを創出するためには健康であることは勿論ですが、気持ちが高揚し少しばかりハイテンションになっていることも大事なことなのです。


それはただ独り佇んでいても起こり得るべくもなく、やはり他人と場面を共有しながら感覚的に共感できるコミュニケーションを取ることが不可欠になります。その様なシチュエーションの中から、新しいアイディアが形式知として創出されてくるのです。その時に、自己の利益ばかりを考えているのではなく、他人の利益をも思いやりを持って受け止めるのです。


これまでなら分業しながら狭い領域で専門特化することが経済合理性を追求するのに都合が良かったのですが、これからは専門性を持ち得るだけでなく他人と協業しながら新しいアイディアを創出することが経済合理性に叶うものと考えられるようになるでしょう。旧態依然とした企業組織のあり方をもっとフレキシブルな形態にデザインしていくことが必要です。


よく中小経営者から、もっと他社と協業したいという声を多く聞くようになっています。しかし、各々の企業が自己の利益を追求する組織形態であるため、なかなか利害関係が対立してしまい上手くいかないのが現実です。それを凌駕して行く為にはどうすべきかですが、足下ばかり見ていては損得勘定にばかり目が行ってしまい、折角のご縁も上手くいきません。


それには眩しいくらいの希望という名の利他的なビジョンを描くことです。将来の輝かしい目標に対してネガティブな感情を持つ人はいません。皆で同じ夢を見てビジョンを描き出すことにより結束力が固まるからです。その上で、協業関係にある企業同士が各々の強みを活かした役割を明確にすれば良いのです。その様な利害関係調整力が必要な時代になります。


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