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文化と価格

皆さん、おはようございます!
植物の成長力ってたくましいですよね。
昨日、くもり空で適度に風があり涼しかったので、
野生と化した庭の手入れをし、今朝は穏やかな庭を眺めています。


今朝の朝刊にAIを使った昆虫のサイボーグの研究が進むとして、
シンガポールにおける、何でしょう手のひらに背中にランドセルを背負った
カブトムシの様な昆虫の写真が載っていました。
ホッ、良くできたAIドローンだなと思い記事を読み始めたまでは良かったのですが。。


子見出しに、ロボにも法的責任、倫理観育めるか、とあります。
なんとこれはロボットではなく、
本物の昆虫の背中に電子回路を埋め込み、
筋肉を刺激して羽を動かせるサイボーグだというのです。


緊急災害時に、この昆虫を飛ばして、
遠隔操縦しようと言う奇想天外な実証実験がなされているとは以外です。
研究者は動物ではなくで、昆虫だから倫理規範の制約を受けないとしていますが、
皆さん、どう思いますか?


金曜日の夜に、フランク・ロイド・ライトが設計した自由学園明日館という建物を見てきました。同氏の自然と調和した建物が多いことを知り、
早速、図書館で何冊かフランク・ロイド・ライトの本を借りて、
週末に読んでみました。


日本では帝国ホテルの建物の設計で多くの方がご存知かと思います。
19世紀後半から20世紀にかけて活躍された世界的に有名な建築の巨匠です。
日本の浮世絵や建築物等の文化に多くの影響を受けた作品が多いと言われていますが、
ご本人はそれを認めたがらなかったと書いてあります。


アート、デザインの分野では独創性が尊ばれますので、
フランク・ロイド・ライトご自身はあからさまに公言しなかったのですが、
今の時代では心理学や脳科学も進み、知識の創造は既知の文明文化の上に
自分なりのアイディアを付加したものであることが明らかにされています。


それはそうですよね、生まれたばかりの赤ん坊ではない限り、
世俗から遮断された環境で無垢のアイディアを創造し続けるなんで出来ません。
赤ん坊であっても、少なくとも母親から学び取るところが多分にあり、
その時分から観た環境を踏まえて様々なコトを創造していく訳ですから。


少々、話を横道に逸らしてしまいましたが、
いろいろと調べて行きますと、日本の文化の象徴とも言えます北斎の浮世絵や日本建築は、必ずしもフランク・ロイド・ライトに限らず、フランスの芸術界にも随分と影響を与えていることをはじめて知りました。


最近、Cafe’文化のルーツを調べたりしていましたが、確かにパリのカフェから多くのアーティストが生まれ、その中に日本の藤田嗣次画伯もおり、当時からのフランスには親日家が多かった様です。その時は、何故か分からなかったのですが、いま思えば日本の芸術が認められていたからなんですね。


そこまで考えが及びますと、また次なる疑問が湧き起こってきます。
これは私だけかも知れませんが、今の世の中、全てが貨幣経済優先となっており、
この文化的な側面での海外の国との交流にあまり目に触れることが少ないと思いませんか?実は、先のAI昆虫の研究者は日本人だと知り、いささか驚きを隠せませんでした。


「文化」という言葉について、改めて広辞苑で確認をしてみますと「人間が自然に手を加えて形成してきた成果のこと。衣食住をはじめ、技術・学問・芸術・道徳・宗教を含む。」とあります。人間と自然界との相互作用の中で織りなされる、伝統の上に積み上げられる人間の営みの結果として文化がある、という様に私は理解しました。


最近、消費者は商品やサービスについて、機能性や効率性という価格を訴求するものと、自分のライフスタイルの中での逸品を見つけた時には価値を訴求するものとに大きく分かれている様に思えます。前者はマス経済におけるマスプロダクト。後者は特産品や伝統工芸品です。


先端技術等もプロダクト化されますとマスプロダクトとして組み込まれてしまいますが、
文化を感じさせるプロダクトに対しては脈々と人間に受け継がれた洗練された文脈を感じることが出来ます。その有形無形のプロダクトから教えられる美意識とでも、道徳観とでもいう一種の教材とでもいうプロダクトから学べるもの。


いまの世の中、マス経済により多くの商品で確かに生活は満たされていますが、人間は一つの欲求が満たされると、また次の高次の欲求が出てきます。それが、文化に対する憧れ、自らも文化人たりたい欲求ではないでしょうか。戦後経済の中で、物欲にまい進した日本ではありますが、ここで多くの方が日本文化について見直しはじめているのではないでしょうか。


特産品や伝統工芸品を如何に経済的に普及させようかと努力をされている事業者が多くあります。私は、それをWebを活用して如何に広めるかではなく、
きちんと歴史的な背景や製品としての良さを伝えて行くことが先で、
極論すれば値付けはお客様がする新たな商売の方法があっても良いと思います。


原価計算を行い、販売戦略、価格戦略を考えるという方法は、
マスプロダクトに対する考え方だからです。
作り手と買い手が共感し合い、
お互いが納得した価格で取引が成立する世界があっても良いですよね。


それから、政策的にも海外輸出を増やすのも分かりますが、
そこに日本の文化を伝えて行くという視点も不可欠だと思います。
その為には、私たちが日本の文化に対する理解を深めて行く必要がありますし、
それを通してのいま揺らいでいる道徳心も明確になるのではないでしょうか。

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