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財務諸表は人格を現わす!

皆さん、おはようございます!
今日も朝から素晴らしい青空が広がっていますね。
昨日は午前中から半袖で外出したのですが、夜になって寒かったですね。
今日は一日のんびりと過ごしたいと思います。



ある経営者とお話しをしていました時に、財務諸表の話しになりました。
その女史いわく、今の経営者は財務諸表を目的化し過ぎている。誠心誠意事業に向き合っていれば、どんなに大変な時でもお金は後からついて来るもの。時に参考程度に財務諸表を見ることがあっても、経営とは肌感覚でお金の動きを理解していなければならない。


決して財務を専門とする方ではありませんが、とても本質を突いた感性の鋭い意見だと感心しております。財務諸表というものは、企業の過去の経済事象の結果を数値で表現したコミュニケーションツールに過ぎません。逆にいえば、その羅列された数字の並びから如何に事業をリアリティをもって脳裏に回想できるかが大切です。


ある会計学者が良く仰った言葉に「会計はフィクションである」という名言があります。財務諸表はある一定のストーリーをもって許容される選択肢の中から自由に会計処理方法を選び事業を表現して行くものです。どうすれば事業の本質に迫ったリアルな表現が出来るかを考えることが醍醐味です。


その為には現実の事業をどこまで五感で実体験として掴んでいるかが大切になってきます。この肌感覚で事業を掴んでいることが財務諸表を作成する上での原点となります。
ところが、最近の大手企業を見ていますと、財務諸表を作成する為に事業を行っているような錯覚にさせられる経済活動が目に留まります。


最近、日本の大手製薬会社がアイルランドの製薬会社を7兆円で買収した件は、記憶に新しいことと思います。その後に同社の決算発表がありましたが、業績がまったく振るっていません。買収理由の一つとして、自らよりも素晴らしい相手先の業績を財務諸表に取り込みたいというものがありました。


もっと積極的に、自ら持つ技術と相手の持つ技術を掛け合わせると世に未だない新薬が開発できるという理由があるなら理解も出来ます。高価な買収価格を支払ってでも余りある将来的な利益が期待できるからです。社会の公器である企業が、お客様のニーズに応える為ではなく、自らの財務諸表を事業の目的にしてしまっては本末転倒だと思います。


日本郵政が2019年3月期の連結純利益が前期比28%減になる見通しであることを発表しています。収益の柱であるゆうちょ銀行がマイナス金利の影響で運用が振るわないことが一因のようです。日本郵政としては、ゆうちょ銀行に次ぐ事業の柱を開拓すべく、今後3年間でM&Aに数千億円の投資を視野を入れているとあります。


確かに、昨年不調に終わった野村不動産の買収計画のように、どこかの大手企業を買収すれば財務諸表上は売上も利益も増加することになります。しかし、それは日本郵政が事業を行っていると言うことが出来るのでしょうか。見方を変えますと、ゆうちょ銀行の運用の様に企業の株式に単に投資する金融投資とどこか異なるのでしょうか。


まだ具体的な買収先企業が候補として上がっている訳ではありませんが、少なくとも郵便事業や金融事業と事業の上で何らかの相互補完性が見込めなければ事業上のM&Aとは言い難い様に思えます。日本郵政でしたら、日本全国に2万ヶ所の郵便局という資源を持っているので、この資源を有効利用する視点で考えてみるべきかと思います。


消費市場が成熟し、金融市場では資金が余剰となっており、市場環境としてはM&Aを行いやすい状況にあります。しかし、企業というものは消費者をはじめとする社会のニーズに応えて商品を提供する事業活動にこそ価値があります。これからの事業には、お金という資本よりも、人間が創りだすアイディアという知的資本が重要になると思います。


その意味では、現在の財務諸表も規模の経済を前提とした製造業を対象とした枠組みとなっていますので、来るべき時代に向けてその枠組みを変容させていく必要もあるでしょう。具体的には知的財産やアイディアといった無形資産を柔軟に財務諸表に取り込み表現していくことが企業の実態に近づくことになります。


財務諸表とは、あくまでも事業活動の状況を説明するコミュニケーション手段に過ぎないと言えます。事業を言葉で俯瞰し説明するのが大変なため、便宜的に一定のロジックに基づいて数値によりストーリーを表現しているに過ぎません。そこから何を読み取り、将来に向けて何を糧として語りかけるかは経営者の資質次第ではないでしょうか。


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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