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ゼネコンのM&A戦略!

皆さん、おはようございます!
一芸に秀でた専門性を研ぎ澄まし、守・破・離ではありませんが自らの型を確立していくことが大切なのは洋の東西に拘わらず普遍的な真理だと思います。その様な専門性を持ち得ていれば、どの様な状況に直面しても応用力を利かせ対処できる余裕を持てるものでしょう。



東京五輪・パラリンピックが開催され、一部の首都圏での再開発需要を除いては、大型の施設を建設する特需も減少していくことでしょう。ゼネコン(=ゼネラルコンストラクターの略、総合建設会社)各社は、背に腹は替えられないことから、今まで受注してなかった小型案件やリノベーション案件にまで手を出し始めているという話しが巷から聞こえてきます。


大手ゼネコンである大成建設は、国内同業のM&A(=合併・買収)を検討していることを明らかにしています。今後10年で1兆円の売上を増加させること目指し、そのうち半分5千億円程度を国内中心のM&Aによって上乗せする計画です。具体的には営業基盤の弱い関西などの地場建設会社や木造建築技術、高速道路改修に強みを持つ専業を想定しています。


業界特有の慣習があり、ゼネコン各社は工事受注枠が減少するとの理由から、国内同業のM&Aに消極的であったと言えます。大型施設の建設工事受注に際して入札を行いますが、同業他社を買収しても入札枠が増えることがないことを背景としています。その結果、業界には似たようなゼネコンが乱立する様になり、業界の再編が進んでこなかったと言えます。


そのことは大手ゼネコンに限ったことではなく、町場の建設会社においても同じことが言えます。ところが、東京五輪・パラリンピック関連特需の終息や人手不足などで新たな対応に迫られていることが、今般の大成建設のM&A戦略に込められています。2024年3月までに2500億円の投資枠を設け、それとは別にM&Aの投資枠をも設けているそうです。


大成建設は、M&A等で2031年3月期迄に連結売上高を前期比7割増の2兆5千億円にする計画です。2021年3月期の売上高は1兆4801億円で、新型コロナによる受注の冷え込みなどで前の期比15%売上高が減少しています。今後10年で1兆円規模の売上を上乗せする目標達成には現状体制で実現することが難しいとする危機感が滲み出ています。


大手ゼネコンになりますと、流石に自ら現場仕事で工事に携わることはなく、下請けの建設会社を活用しますので、文字通りのコンストラクションマネジメント業務が主となります。ビジネスモデルとして、工事を受注し建設工事を行い竣工させる、完全なるフロービジネスだということが出来ます。その様なビジネスで売上規模を拡大することに無理があります。


建物設計、積算、工事監理が主な業務となる訳ですが、利益を出すためには如何に工期を短縮し工事原価を安くするかという技術力に負うところが多いと思います。確かにそれは大切なのですが、これからの社会を広く見渡しますと、エネルギー効率の高い持続可能な建物のリノベーション需要が増えていくので、その様な技術を確立していく必要もあるでしょう。


M&Aを行うのであれば、長期的な視点からエネルギーマネジメント技術を持つ企業との連携を考えるべきであり、もっと建物のマネジメントに力を入れてスットクビジネス化していく必要もあるでしょう。もちろん工事技術力を研ぎ澄ますことも忘れてはなりませんが、派生する技術を採り入れながら、他にはないオリジナルな「型」を編み出していくべきです。


今日もありがとうございます!
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