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アルムナイ・ネットワーク!

皆さん、おはようございます!
この週末は岩手県の北上市におりました。地元の若き経営者たちとの懇談会を通して、東北という過疎化が進む経済圏であるにも拘わらず、エネルギッシュに事業を取り組んでいる姿が印象的でした。奇をてらわず本音で人間関係を築いてこそ信頼が生まれるのでしょう。



広告代理店の電通は、新会社を設立して早期退職した約230人に業務を委託する仕組みを作っています。転職が多い米国では、アルムナイ(=ラテン語を起源とする英語で、同窓生や卒業生を意味する言葉)・ネットワークと呼ばれる交流組織が重視されており、日本でも終身雇用が限界に直面するなか、会社と個人が互いに活力を生む関係創りが芽生えてます。


電通では、2020年末に全従業員の3%にあたる約230人が早期退職の募集に応じて退職していますが、通常の早期退職とは異なるようです。元社員は全員が電通が設立した新会社「ニューホライズンコレクティブ(=NH社)」と最長10年の業務委託契約を結び、NH社が紹介する仕事を請負うことができます。体の良い退職制度に見えますが異なります。


早期退職ではあるのですが、どちらかと言えば経験と独自の人脈を持つベテラン社員が次のライフステージを見定め、個人事業者として独立して自律的に事業を営んで行く形です。NH社からの業務を請負うのみならず、元社員たちは電通が手掛けられていない領域で機動的に新規事業を立上げて電通と連携したり、NH社外の仕事を受注し請負ったりしています。


いわばNH社は、元社員達が個人事業者として独り立ちする為の孵化器のような存在として積極的に受け止めることもできるでしょう。電通としても、退職によっても元社員が持つノウハウを活用できるメリットがあります。働き方が多様化する中で、退職者と会社にとってともにメリットのある試みであり、シニア層の人財が流動化する社会的な意義もあります。


終身雇用が標準的な日本では、定年前に自己都合などで退職した社員は「裏切り者」扱いされることも少なくないと思います。これまでなら退職によって会社との縁が切れるという受け止め方が為されるほど、日本の企業社会はムラ社会であったと思います。いや、寧ろ未だその様な感覚で受け止めることが一般的であり、それを冷静に受け止める必要があります。


少し話しが横道に逸れますが、名だたる一流企業において、重役からヒラ社員に至るまで一糸乱れぬ上下関係の契りを結ぶかの様に、重役の履いている靴にお酒をついで一派が回し飲みするなどというバカげた挙動をとっている会社がある(=あった)ことを知っています。これがサラリーマン社会の現実であり、時代から大きく乖離していると言えるでしょう。


世のサラリーマン達は、大なり小なり心当たりのあることだと思います。それだけ日本の企業社会における、世界に知らしめた求心力である訳なのですが、それが異常な世界であることをご理解頂けるでしょう。今でも、日本の企業にはその様な名残が残っていると考えられますが、その様な中からオープンイノベーションなんて起こり得る訳がないと思います。


これからの時代は、個人の能力を活かして新しい事業や商品を創っていかなければいけません。その為には、個人個人が自立して自らのライフステージの主人公としての役割を担っていく必要があります。その為には、まずは大手企業自らこれまでの企業文化を変えて行くことが必要だと切に思います。アルムナイ・ネットワークも一つの素晴らしい方策でしょう。


今日もありがとうございます!
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