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富士フィルムと三菱重工!

皆さん、おはようございます!
ここ松本も、昨日の午後から良い天気に恵まれています。松本に来るといつも思いますのは、本当に地に足のついたコンパクトな街だと思います。それに比べて、都会の分業化されすぎたシステムの上に成り立つ暮らしに危うさはないのかと考えさせられます。



富士フィルムホールディングスが米事務機器大手ゼロックスの買収を巡り、ゼロックスによる一方的な買収合意の破棄通告に対して10億ドル(=約1100億円)超の損害賠償を求めて提訴を行いました。両社の交渉は膠着し、手詰まり感が強くなっているなかで、新たな一手で事態を打開し、ゼロックスから好条件を引き出す狙いがあるようです。


両社の買収交渉は紆余曲折を辿り、もの言う投資家として名高いアイカーン氏等が買収価格を不服として、時のゼロックスCEOをはじめ取締役に異議を申し立てたことに端を発しています。最終的には、ゼロックスCEO等が辞任し、富士フィルムホールディングスとの買収交渉を破棄することで一応の決着をみています。


今回の富士フィルムホールディングスによる提訴について専門家は、高額の賠償金獲得が狙いではなく、行き詰まっている買収交渉を有利に進めるための手段だとという見方が為されています。一方、M&Aの契約違反で損害賠償が認められる例は少ないが、手を打たないと自らの株主に説明がつかないという見方もなされています。


三菱重工業が開発を進める国産初のジェット旅客機MRJの試作機に関わる資産約4000億円が同社の前期末貸借対照表から突如として消えてしまい市場が困惑しているといいます。本来、資産の価値を引き下げる会計ルール(=減損会計)に従えば、同額の損失が発生し、同社は赤字決算を余儀なくされるところ、それを回避できたからです。


ことの真相は、三菱重工業が会計基準をこれまでの日本基準からIFRSという国際会計基準に変更したことにより、その移行処置として減損を損失として計上することなく、直接純資産から差し引くルールに従った為に起きてしまったようです。三菱重工業からしてみれば、損失を計上せずに懸念事項を処理できたことになります。


市場関係者からみれば、企業が公表する財務諸表を拠り所として株式市場で同社の株価が決定されているのに、会計基準の違いにより4000億円もの損失が消失してしまう事に対して困惑するのはあたり前だと言えます。しかも、三菱重工業がそれにより最終赤字を回避していますので、議論の余地がありそうですね。


富士フィルムホールディングスの提訴の件と三菱重工業の会計問題は、何れも経済合理性を追求するが故の論理であると受け止めることが出来ると思います。
何れの会社も国際的に事業を営む大企業であり、世界の会社を相手に競争に晒されているといってもいいと思います。


富士フィルムホールディングスとしては、是が非でもゼロックスを手中に納めて子会社である富士ゼロックスの事業立て直しを行いたかったと同時に、株主総会を前(2018年6月28日開催予定)にして、株主に対する説明責任を回避したいという思惑もあると思います。大義名分が必要だということなのでしょう。


三菱重工業の宙に浮いた4000億円の減損損失については、例えIFRSへの移行処置ルールに従ったとはいえ、MRJ開発にあたり同額の初期投資を行っており、その投資額が無価値であると会計として認定されていることを重く受け止めるべきだと思います。表面的に損失を回避できたからというのでは本質を理解していることになりません。


両社ともにその金額の桁が大き過ぎるのと、その経済行為が余りにも合理的であるため、私たち個々人からしてみますと少し浮世離れした感じが否めません。
経済合理性を追求するという意味では決して誤った行為ではないと思いますが。これも企業の規模が大きく、マスを対象としてビジネスを営んでいるが為の帰結かもしれません。


そこで働く個々人の意思とは別に、組織の論理に突き動かされた経済行為であり、巨大システムを必ずしも自由自在にコントロール出来ているのか疑問に思う事があります。
これらの企業が、日本の経済の近代化を支え、モノのない生活を物量的に豊かにしてきたことは揺るぎない事実であり疑う余地はありません。


今までは生産者主体の経済でしたが、情報技術の進展と相まって、生活者の間に新たな意識が芽生えつつある様に思えます。これからの時代、その意味では生活する者が主体の経済へと徐々に移行するのではないかと思います。人間は金銭的な価値や合理性だけで満たされるものではなく、もっと人間らしさを持っているものでしょう。


今日もありがとうございます。
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