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小商いとしての起業!

皆さん、おはようございます!
スタートアップ企業というと何やら先端技術を活用して、新たなビジネスを起こしていく一握りの企業というイメージがあります。いま社会に求められているのは、その様な尖った企業ばかりでなく、誰にでも容易に取り組めるビジネスだと思います。



政府は、日本のスタートアップ企業を倍増させるためには、米国のシリコンバレー、ニューヨーク、ロサンゼルスなどの様に、スタートアップ企業が集積する拠点都市が必要だとする考えから、日本でも国内の2~3ヶ所を選び、規制緩和や起業家、投資家の招致などで集中的に支援していくことを打ち出しています。


いわばスタートアップを支援する特区の様なものを作って、政府、地方自治体、大学、民間企業が連携して総合的に支援できる体制を整えるというものです。確かに米国などに比べますと、企業価値が10億ドルを超える未上場企業(=ユニコーン)が出現する起業の絶対数が圧倒的に見劣りすることが否めません。


しかし、スタートアップ企業が集積する拠点都市を整えたからといって、本当にユニコーンを増やすことが出来るのでしょうか。むしろ、米国のシリコンバレーなどは、スタートアップ企業が集積した結果として、いまのシリコンバレーが存在するのであり、最初から政府主導でその様な拠点づくりをした訳ではないことに留意が必要です。


確かにスタートアップ企業が集積することにより、大学や民間企業との連携関係が密接になり、新たな創造的な知識が地域に蓄積していっていることは間違いありません。それはスタートアップ企業の創業者らの情熱と行動力の賜物であり、決して政府が用意したプログラムに則った結果ではありません。


また、当該集積拠点に居を構えるスタートアップ企業には金銭面であるか否かに関わらず、様々な便宜が図られると思います。率直にいって、最初からその様な便宜を期待するスタートアップ企業というものは、事業の成功には程遠いと言わざるを得ません。むしろ、それら便宜を部分的に利用してやる位の気概がないといけないと思います。


人間の意識とは不思議なもので、最初から恵まれた環境に身を置いていますと、必死になって考えようとしなくなります。意識のどこかに甘えが出て企業の活力を削いでしまう
ところが補助金漬けになる怖さです。スタートアップ企業に非常に活力がある場合にはこの限りではなく、利用できることは利用すべきだと思います。


政府が日本版シリコンバレーを作ったところで、上手くいかないことは目に見えています。また、いま必要なのは一握りのユニコーンを作り上げることではなく、もっと裾野の広い容易に起業できる環境を整えることだと思います。副業としての小商いや、会社員による中小企業のミニM&Aであっても良いと思います。


個人の立場で事業を行おうとする人が増えてこないと国としての活力が生まれません。いまの日本人の意識の大勢はサラリーマン気質となってしまっていますが、江戸商人文化の様に、個々人が生計を立てるために何がしかの小商いを営むことにより社会が活気づくものです。その様な活気の中からユニコーンが生まれてくるものでしょう。


その意味で、JR東日本が中央線の高架下開発を進めるJR中央ラインモールを通じて、創業支援を手掛けるタウンキッチン(=東京都小金井市)と連携して、雑貨や食品の製造を手掛ける起業家を支援する施設「MA-TO(=マート)」を開業していますが、こちらの方がよほど社会のためになるものだと思います。


工房、キッチンのほか店舗としても利用できる個室を併設しており、個人でも起業しやすい環境が整えられています。この様な施設をシェアリングエコノミーで利用できれば、起業する負担も大きく減りますし、お客様側もバラエティに富んだ商品を需要することができ、起業しようとする人の裾野も広がるというものでしょう。


その様な起業文化が育まれる中から、ユニコーンが出現することが理想だと思います。それは、企業内のイントプレナー(=企業内起業家)に波及してくることでしょう。その意味からも、企業が社員に対して副業を認めることは意義の高いことだと思います。副業で小商いを営み、その経験を企業の中で生かすことも出来ます。


1億総国民が、思いおもいに自分の遣りたいことが出来る環境を作って行くことこそ、いまの日本にとって大切なことだと思います。その為には、JR東日本のマートをはじめ、大手企業中心の社会の仕組みを変革し、個人でも好きに小商いを営める様な、負担を軽減できる社会の仕組みを創って行くことが必要でしょう。


今日もありがとうございます!
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