誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

都市再生の魔術師

皆さん、おはようございます!
今日は木曜日、毎日が早いですね。
年を追うごとに毎日が速くなるとは言いますが、本当ですね。
今月末までのスケジュールが見えてしまってますので、あっ今年もあと5ヶ月か。。


と、まぁ気の早い話ではありますが。そんな忙しさの中でも、頭が空いている時にいつもこの社会はどの様になって行くのだろう?などと考えることが多いのですが、これまでの10年を振り返りますと、今後の10年はある程度の想像が付くくらい技術動向や消費者心理の流れの方向が見えて来たように思います。


私の好きな人物に米国のJ・W・ラウスという、
不動産開発に携わった方なら誰しもが知る都市計画の匠がいます。
既にお亡くなりになりましたが、米国が工業国から金融産業へ転換期を迎えた時期に、荒廃した数々の都市を再生し商業施設で街にコミュニティを再生して行った方であります。


もともと弁護士だったと思いますが、
少しでも多くの人々を助けたいとの思いから、
住宅抵当証券会社経営を経てラウス社というデベロッパーを創設しています。
私が勤めた流通企業グループも大きな影響を受けていました。


私のラウス氏の印象は、
商業施設というハードウェアの厳つい開発を行いながらも、
その施設内で人々がどの様なコミュニティを醸し出すか、
施設内のお店や商品にまで心配りのできる柔鋼両面を持ち合わせたしなやかな方です。


なかなか不動産開発という力仕事に、人の心を理解して取り入れる方は
業界広しと言えども、お目に掛かったことがありません。
そう言えばトランプ大統領も
一時期、アメリカの不動産王って言われてた時代がありましたっけ。


ラウス氏が名を馳せたのが1980年代です。
ちょうど米国の重工業が衰退しはじめた時ですね。
都会の巨大な工場がどんどん閉鎖されて行く訳ですから、
その地域にすむ住民にとっては一大事に違いありません。


それを既存のインフラである建物を最大限に活かしながら、
ショッピングセンターに転用して行き、
街に賑わいを取り戻したというところが都市再生の魔術師と言われる所以です。
都市再生のプロデューサーと言われることもあります。


翻って、それから40年近く経過し、世の中も大きく変容しています。
ショッピングセンターも地域を選ばず標準化された施設が日本全国に存在し、
消費者もただ単に商品を買いに行くだけではなく、
Cafe’ではありませんが人々との繋がりを楽しむ暮らしの時代に変化しています。


ラウス氏が今の日本を見たら何て言うか考えてみました。
都会やそこに居る企業を中心として、全てが縦割りに繋がった社会の仕組みである。
これからの時代は、個人が暮らしを取り戻す時代だから、
縦割りだけではなく地域の横の連携を再生して行く必要があるのではないでしょうか。


例えば、行政も中央官庁から県庁、そして市町村と縦割りの指示命令系統で運営されていますので、地域の市町村に至ってはなかなか小回りが利かない。
一方、戦後以来築きあげられた大手企業を中心とする下請け構造。これも大手企業のグローバル競争の下で系列の維持は困難になっています。


ただ、この下請けメーカーは、
今までにこのブログで熊本、富士吉田、甲府等の地方の中小繊維業界が独自のブランドを打ち立て、国産品質とブランドを裏付けに新たな顧客層を掴む新たな動きが見られることは嬉しい限りです。


また、世界で初めて人口減少を経験する日本ですので、
80年代の様にハードウエアを中心に新たな建物を建てるのではなく、
余剰となったインフラを如何に地域の意味ある事に転用して行くかを考える必要があります。ソフトウエアをどの様に組み立てるかではないでしょうか。


シニアが人口に占める割合が増え、また生産労働人口が減少します。働き方改革ではないですが、地域で仕事をするということは避けて通れないのではないでしょうか。シニアも年齢に関係なく、働きたい限り働き続けるのは当たり前の話しです。そして、介護が必要なシニアが居るのに、通勤で片道1時間半も掛けていたら非効率ですよね。


財務の立場として地域のお金の流れを考えると、
都心でお金を得て、都心の商業施設でお金を落とす。
これでは地域の雇用が生まれないばかりか、
お金が地域で循環しませんよね。


地域での雇用創造が先か、消費が先かは兎も角、
地域で暮らしが完結する社会の仕組みも作らなければいけないのではないでしょうか。
もう少し、モノやお金が地域内で循環する仕組みを。
その中心にあるのは、そこで暮らし人々の創造力、アイディアだと思います。


その為には、地域のコミュニティを再生することが必要だ。と、ラウスは言うのではないでしょうか。



×

非ログインユーザーとして返信する