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リカレント教育と投資ファンド!

皆さん、おはようございます!
社会のスピードが速まる中で、企業の寿命はますます短くなることが予想されます。
一方、人間の寿命が延び、働き手の就業期間は伸びる一方であり、企業の寿命と逆転しているようです。一つの会社に働き続けることは既に過去の幻想になりつつあります。



国内投資ファンドのアドバンテッジパートナーズが、海外の資格を取得するための学校を運営するアビタス(=東京)、およびアビタスのグループ会社である外国人向け日本語教育や日本語講師養成を手掛ける東京中央日本語学院(=東京)に出資し、3年後の株式上場を視野に、事業成長を加速させるそうです。


アビタスが資格取得を支援する米国公認会計士(=USCPA)は、海外事業に関わりたい会社員などを中心に受験者が増えています。一方、日本語学校や日本語講師の養成学校は、海外から日本へ学びに来る外国人や仕事を求めて来日する外国人が増えているため、運営事業者が乱立気味です。


アドバンテッジパートナーズとしては、日本型雇用慣行の変化により、今後、潜在的な転職者が増えることから、社会人が学び直す「リカレント教育」の重要性が高まり、業績拡大が見込まれる一方、日本語学校や日本語講師の養成学校についても、成長が見込まれることから投資を判断したとのことです。


USCPAは、米国の会計や財務の専門資格であり、日本でも会計事務所やコンサルティング会社のほか、海外企業のM&A(=企業の買収と合併)にかかわる人材が、スキルアップのために取得が広がっています。2017年の日本人の受験者は約2000人に上るそうです。


日本にも公認会計士試験がありますが、日本、欧米の会計基準の統合の流れを受け、門戸の狭い日本の会計士試験よりも、語学の習得も出来る米国公認会計士試験を志向する受験者が増えていることは現実として理解できると思います。企業の活動もグローバル化の一途を辿り、日々のビジネスの中でもスキルを直接生かせることでしょう。


これからの時代、一つの会社に勤めあげながら、その会社に必要なスキルを実務の中から学んでいくのみならず、働き手が自ら望むキャリアの目標を打ち立て、自分なりに必要なスキルを身に付けていく必要があると思います。その様な中で、リカレント教育はますます注目されて行くことになるでしょう。


アドバンテッジパートナーズという国内投資ファンドは、時代の先を見越した良い成長領域に目を付けたと思います。投資ファンドは、一般的にスタートアップ企業や成熟した産業に投資を行い、成長に必要な資金を提供するか、業界再編を行い、将来の業績を期待して機関投資家などから資金を募り投資を行うものです。


今回のアビタスグループへの投資は、その何れにも当て嵌まらない、これからの時代の成長分野に着目して中小企業の成長を支援するという意味では、投資ファンドとしては新しい試みかもしれません。中小企業を一気に株式を上場できる会社にまで高めていこうという点においては、これからの時代に合致するものだと思います。


アドバンテッジパートナーズは、既に2017年に学習塾運営のやる気スイッチグループ(=東京)に出資をしています。やる気スイッチグループは、各受講者にあわせた教育プログラムの提供で業績を伸ばしており、同社が蓄積してきた教育分野のノウハウを生かし、アビタスへも教育コンテンツのネット配信の技術提供を計画しています。


労働集約型産業である教育産業においてもIT(=情報技術)化が避けて通れません。
やる気スイッチグループにおけるノウハウをアビタスグループに広げることで、確かに相互補完効果が期待できると思います。また、中小企業であるアビタスグループが設備投資を行うには外部からの資金調達が避けて通れません。


その様な中で、アドバンテッジパートナーズ主導で新たなリカレント教育の充実を目指して、相乗効果を期待しながら各社の成長を目指して行くことは理に叶っていると思います。アビタスグループにとっても新たにビジネスモデルを構築するための梃子となり、業容を拡大していく為の試金石となることでしょう。


中小企業が自助努力で成長していくには限界もあります。この様な時に外部の第三者である投資ファンドが前向きに市場環境を見極め、伸び悩む中小企業に手を差し伸べることも新たな事業成長のあり方として素晴らしい取り組みだと思います。これからの時代は、企業同士が自社の得意分野を生かして連携しながら新たな事業を創出することにあります。


今日もありがとうございます!
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