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不動産というビジネス!

皆さん、おはようございます!
自宅周辺を見渡しますと、戸建住宅の新築ラッシュです。30年前にいまのところへ移り住んできた時には、都内といえども空き地や畑ばかりで長閑な雰囲気が漂っていました。
新たな街並みは、どの様なコミュニティを形成していくのでしょうか。



新築アパートやワンルームマンションの相続対策や投資目的による融資が相当に積み上がり不動産バブルの様相を呈している様に見受けます。最近では、地方都市や郊外にまでこれら賃貸住宅が建設される様になっており、空室も目立つようになって来ています。巷では、これが地価を吊り上げピークにまで達しているとの見方も為されています。


振り返れば、1980年代後半、2000年代前半、そして今般の2010年代後半という、約15周年サイクルで地価上昇が起きていることになります。その都度、不動産バブルが弾けて地価が沈静化の方向に向かう循環を幾度となく繰り返しています。しかし、人口も減少へと向かい、そろそろ不動産バブルも終息に向かうのではないでしょうか。


不動産価格の形成メカニズム、特に土地の価格形成は、最近でこそ収益還元法というその土地を活用して如何に収益をもたらしているかが源泉となりはじめています。それでも近隣相場や類似する不動産の地価動向をそれに反映するため、お金が不動産に向かいはじめますと、地価の上昇がまた地価の上昇を生み出す文字通りのバブルを生んでしまいます。


不動産の開発や売買を生業とする事業者たちは、地価が安い時に土地を仕込んでおき、地価が上がったところで売却することを事業の基本としています。不動産バブルにより地価が上がり出しますと、様々な業者がお金をフル回転させて用地を取得し、建物を建てて、販売することを繰り返して行きますので、地価が上がるのもあたり前の話しです。


確かに、その土地固有の立地特性を見極めて一番付加価値が高まるだろう建物を建設しますので、その意味では経済的な価値を生んでいる様に見えます。しかし、実際に建物は建設会社に建てて貰う訳ですし、製造業のようにモノづくりにより商品の付加価値を高める事業とは異なり、どこまで社会に貢献しているのかという意味で疑問が残ります。


建物の建設が集中すれば当然に建設費も上昇しますので、不動産価格の上昇要因の大方は物価上昇(=インフレ)によるということが出来ると思います。不動産会社も当然に営利事業ですので、手間賃としての利益をそこに加算することになります。もちろん不動産流通の必要性を否定するものではありませんが、不動産とは特殊な商品であると言えます。


最近では、不動産の証券化商品が証券市場に公開(=J-REAT)され流通されていますが、不動産は投機対象に向かい易い金融商品に近い存在であるということが出来ると思います。それ自体は恒久的で物質的な減価が起きることもありませんので、その意味においては資本であるといっても差支えないと思います。


その様に考えますと、不動産事業者とは、不動産という資本を運用し運用益を得るか、転売することによりインフレによる価格差を得ることでしか収益を上げられない金融業者と同様に括ることが出来ると思います。特に最近の不動産業者は、金融に近寄っていると受け止められています。ところが、最近、ここに新たな芽生えが見て取れます。


不動産事業者の中でもディベロッパーと言われる大手不動産開発会社の中に、単にハードをつくりハードを売る時代ではなくなったと言い切る会社が現れはじめています。これからは、マンションを作るだけではなく、地元住民と新たに住まわれる住民を結び付けるエリアマネジメントが、その建物や街の付加価値として重要となるという考え方です。


不動産の金融化に流れていたディベロッパーがようやく自分たち本来の使命に気が付き始めて来たという感じがします。地域のコミュニティをつくるエリアマネジメントまで行かなくとも、その地域の立地を見極めてどの様な施設を運営して行くか、その地域に必要な施設を導入することだけでも、充分に付加価値を高めることが出来ます。


最近でしたら、働き方の変化にあわせてテレワーク拠点としてシェアオフィスを運営することも考えられます。大学の近くであれば、就活カフェなんていう施設もお目見えしています。これからは地域に開かれた施設を手掛けていけば、地域コミュニティの再生にも繋がるでしょう。何も建物を新築しないまでも、空き建物を活用すれば良いと思います。


ここに、広く金融業者としてのこれからの進むべき道が隠されている様に思います。単に資本を運用、転売することにより利鞘を増やすだけではなく、もう一歩掘り下げて、社会的に意義のある投資対象に投資するに留まらず、その投資対象の事業が上手く運営できるように金融機関として大所高所アドバイスを行っていくことも考えられるでしょう。


今日もありがとうございます!
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