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コト消費社会のお金あり方!

皆さん、おはようございます!
生活者の消費動向を見ていますと、改めてモノからコトへと意識が変わっているように見えます。バブル経済の終焉を境にして、その後長らく続いたデフレ経済の中で、生活をする上での意味を見い出せることにお金を遣うように変化しているのでしょう。



モノを作れば飛ぶように売れた企業にとっては良き時代でしたが、バブル経済の終焉後は一転してモノの価格が下がっても売れない時代となっています。巷では、企業が消費者が望むモノを新たに提供できていないからだという声も聞こえて来ますが、生活者の消費意識が変わったとみることが自然ではないかと思います。


バブル経済は、プラザ合意(=行き過ぎたドル高是正を目的に米国、英国、旧西独、仏、日本のG5で合意)後の円高、金利引下げ誘導による資産インフレを背景とした、異常な購買心理ということが出来ます。既に世の中にはモノが満ち溢れており、そこに追い打ちをかけるような購買行動に生活者は疲れ果ててしまったものと思います。


バブル経済終焉後、生活者はそれまでの反動により、増え続ける所得を前提とした家計の見直しに迫られ、緊縮財政に転換したことも長らく続くデフレ経済の背景としてあったものと思われます。お金に糸目を付けずに高級ブランドに群がったことも、いま思い返してみれば常軌を逸した行動として脳裏に焼き付いていることでしょう。


バブル経済終焉と時を同じくして、情報技術革新が起こり、各家庭に1台デスクトップ型のパーソナルコンピューターが買い求められ、もの珍しさも含めてインターネットで様々なことを検索(=ネットサーフィン)するようになります。また、携帯電話なるものが普及しはじめ、やがて一人1台携帯電話を所有するようになっています。


情報化社会の草創期は、Web上の情報量も少ないものでしたが、やがて多くの人が参加するようになり、国境を越えてありとあらゆる情報を収集し、また自ら発信できる便利なものあることに気付きはじめます。しかも携帯電話はスマートフォンというハンディーコンピューターへと置き換わり、本格的に情報化社会が幕開けたのが2000年代です。


この頃より、生活者の行動がコト消費に変わってきたと思います。スマートフォンを通して、自分の興味ある情報に触れて自身のライフスタイルを意識しはじめた時期だと思います。心地よい暮らしを思い描きつつ、そこへ近づいて行くことが生活をする上での目標となっています。決してモノに囲まれるだけが豊かな生活ではないことを知りました。


生活者は、必ずしもお金を出し惜しみしている訳ではなく、むしろ自身のライフスタイルを彩るものであれば、多少高価であっても買っています。大切なのは、自身のライフスタイルを彩るものかどうか、自分の価値観に合致しているかどうかが判断基準となっています。モノの機能性よりも、そのモノが何を意味しているかが大切になっています。


これを感性消費と呼ぶこともあります。モノの量的な豊かさは満たされており、モノの質的な豊かさとしての意味を問うといういみではコト消費に転換したと言っても差支えないと思います。その背景にあるものは、やはり情報化社会の到来により、世界中の様々な人々の暮らしぶりを情報として瞬時に手に採るように得られる様になったことでしょう。


いまの社会における経済活動、モノやコトの消費をするためにお金を介して行うことは、これからも変わることがないと思います。生活者の消費意識がモノからコトの意味に転換しているということは、それはまたお金の持つ意味も変わりつつあるということにならないでしょうか。何に対してお金を使うかという意味です。


自らのライフスタイルに共感できるものを消費するということは、裏返して言えば自らの価値観に合致することにお金を費やすということに他なりません。少々話しが飛躍するかもしれませんが、日頃、行き過ぎた資本の論理が気になることがあります。行き場を失った貨幣が、貨幣を生み出すための目的と化していることです。


しかし、生活者の消費心理が自らのライフスタイルに合致する共感性に向かい、貨幣もその様な方向に向かいはじめているとしたら、行き過ぎた資本の論理もゆくゆくは正しい方向に収れんしていくのではないかと思います。社会的に意味あること、自身の生きざまに共感できることへ貨幣が向かいはじめるのでしょう。


貨幣を受け取る事業者がどれだけ生活者にとって意味ある商品を提供するために、その貨幣をまた意味ある事業に投下するかが大切になります。そして、その事業を安定的に成長させて行くためには、事業としての採算を合わせていく必要があります。事業者として自律性と社会性のバランスを保つことが企業の社会的責任なのでしょう。


今日もありがとうございます!
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