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スーパーマーケットと資本の論理!

皆さん、おはようございます!
資本力を背景とした業界再編の目的として、規模の経済により大量に商品を供給し安さを追求することにあると思います。人口減少、情報技術の進展など時代の趨勢を踏まえますと、このビジネスモデルも実は一時期の成功体験であったように思えます。



地方の食品スーパーマーケット3社が包括的な資本業務提携をすることになりました。
地方の人口減少が著しくなる中、業界再編で規模を拡大するイオンやドラッグストアの出店攻勢が厳しさを増しており、合わせて1兆円を超える事業規模を活かして調達や物流の連携を進めていくことに狙いがあります。


包括提携するのは、北海道が地盤のアークス、中部地方を地盤とするバロー、そして九州・山口が地盤のリテールです。3社は、今回の提携関係を「新日本スーパーマーケット同盟」と名付け、緩やかな連携関係を築きながら日本全国で3兆円規模の流通グループを形成していきたい考えを示しています。


この様な再編相手を公開して募るのは珍しく、一般的には各社の経営トップが秘密裡に提携の話を進める場合が多いのですが、資本の論理で力づくで再編することに一線を画し、それに頼ることなく事業に必要な機能を協業しようとする考えが伺え知れます。必要なのは、単にスケールメリットを目指すのではなく次世代のビジネスモデルだと思います。


大手スーパーマーケットのビジネスモデルは、商品を大量に調達し大量に供給する為に、店舗数を増やして行くことです。最近では地方都市にも進出を進めていますが、立地産業としてのスーパーマケットは、いずれ出店可能地域を埋め尽くしてしまい、その拡大戦略に陰りがでることが必須です。


一方、大手スーパーのチェーンストアオペレーションは店舗運営の標準化が核となっており、全国どの店舗に行っても同じ様なフロア構成に陳列棚には全国一律の商品が並んでいます。極端な話し、お客様は全国どの店舗に行っても、目を瞑っても迷わずに買い物が出来るくらい標準化されているといって良いと思います。


本来、実店舗での買い物は、新たな商品を発見する驚きや楽しさをともなうものだと思います。それが、取り扱う商品までが標準化されており、その様なことを感じることすら無くなってしまっています。そうであるのなら、特にわざわざ買い物に出向くまでもなく、アマゾンでネット購入すれば気軽に用を足すことが出来てしまう訳です。


最近、日常の買回り品の中でも、化粧品やビールといった嗜好性の強いナショナルブランド商品の中には、大量消費を前提とした大量生産型ビジネスモデルに限界が見えており、カスタムメイドの化粧品や個性的な味わいのあるクラフトビールに力を入れ始めているメーカーが増えて来ています。


情報化社会が消費者に自分の欲しいモノを要望する術を与え、消費需要が大衆から個性に向かい始めていることが鮮明になって来ています。今まででしたら、供給者サイドは資本力にものを言わせて、供給規模をひたすら拡大し、マスメディアを活用して消費者の心理を揺り動かして来ましたが、明らかにそれが通用しなくなってきています。


その様に社会が変容している最中でも、大手企業の中には未だスケールメリットを追求している企業が多く占めるのではないでしょうか。資本力とスケールメリットが結び付いて、それがあたかも資本主義経済のあるべき姿だと言わんとばかりに、疑うこともなく曳かれた線路をひたすら盲目的にひた走っている様に見えます。


今回の地方スーパーマーケット3社による同盟は、経営統合することなく資本業務提携に留めているところに可能性を見い出せると思います。スーパーマケットは、地域産業であり、その地域内のお客様の声に応えるには、各店舗毎に地域特性のある商品を扱って、個性を出していかなければなりません。


各地の銘産品を提携するスーパーマーケット同士で互いに融通し合うということにより、大手スーパーの標準化された商品に対して一線を画しても良いのではないでしょうか。
その意味では、地域発プライベート商品を各々の地域で地場のメーカーと組んで開発して行っても良いと思います。


スーパーマーケットの基本は、地域のお客様のニーズに応える商品を販売することにあると思います。消費者のニーズが多様化しているのであれば、それに応えられるビジネスモデルを構築していくことでしょう。その為には、今まで単調に自己増殖を求めていた資本にも、多様な個性が求められるのではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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