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オンライン服薬指導!

皆さん、おはようございます!
日本ではWelTech(=ウエルテック、ウエルネス+テクノロジー)という言葉にあまり馴染みがないと思いますが、ようやく聞こえ始めてきた様に思います。まだ、この分野を手掛けている企業はほんの一握りですが、これから大きく市場が拡大するでしょう。



厚生労働省は、ようやく患者が自宅にいながら処方薬を入手できる仕組みを導入する方針を固めた様です。既にテレビ電話を利用した診療は、今年の4月より解禁されていますが、処方薬を受け取るためには薬局に出向いて、薬剤師による対面指導を受けなければなりません。それがスマホなどオンラインでの服薬指導が全国で認められる様になります。


今までも経済特区において実証実験が行われていましたが、オンライン診療は自宅からの距離に関係なく認められているのに対して、オンライン服薬指導は自宅から数10Km圏内に薬局が存在しないなどの条件があったために、利用者に広がりが見られないなどの課題が存在していました。


それが2020年より処方薬の受け取りまで宅配便で行えるようになる予定ですので、診察から薬の受け取りまで一貫して自宅に居ながらにして出来るようになります。厚生労働省が制度を変える背景には、増え続ける医療費に対して、なるべく入院を減らして在宅医療を増やし、膨らむ医療費を抑制する一助にすることにあるようです。


全国の調剤薬局の数は、いまや社会のインフラともされるコンビニエンスストアの約5万8千店舗を上回る約5万9千店舗にも上ると言われています。その意味では、地域医療を支えていると言えますが、扱う医薬品は公定価格であるため調剤薬局間の競争は皆無に等しく、病院のそばにある門前薬局として受け身で患者を集客しているに過ぎません。


昔であれば、いまの様に既製の薬剤を患者に適切に渡すだけではなく、数種類の粉薬を本当に調剤して薬包紙に詰めていましたので、その専門性にありがたみを覚えたものです。今では、毎回決まり切った薬を手渡す時に決まって服用方法の説明を受けるだけですので、調剤薬局も何処に付加価値を見い出しているのか分からないのではないでしょうか。


それがオンライン服薬指導・宅配が解禁となれば、パパママ調剤薬局が大半を占める調剤薬局業界において、それに対応できる調剤薬局にも限りが出て来るのでしょう。調剤薬局に求められる役割は、患者のアレルギーや過去の副作用を把握した上での服薬指導だと思いますが、医薬分業により履歴情報までを管理できている調剤薬局は少ないと思います。


いまでは個々人が薬手帳を持ち、調剤薬局へ行く都度、提示を求められますが、処方された薬のシールを羅列して貼るだけでは、どの様な意味があるのでしょうか。もっと個人の身体の体質特性に合わせて、自らの身体に合う薬や副作用を起こす薬などを履歴情報として管理しなければ意味がない様に思えます。


その為には、アナログの手帳ではなく、これだけ情報技術が進展しているのですからIC手帳として健康保険証にICチップを埋め込み、そこに記録して行くことも考えられます。その為には、もっと医療機関との連携を高めていく必要もあるでしょう。それが出来てこそ、はじめて地域密着型の医療体制が確立されていくものと思います。


既に米国では処方薬をオンラインでデリバリーする専門のオンライン薬局が存在しています。更には、米アマゾン・ドット・コムがその様なオンライン薬局を買収しており、次なる事業機会を窺うまでになっています。当然に日本への参入も視野に入れているのではないでしょうか。


その様な市場環境の中で、日本の調剤薬局は規制で守られたが故に、消費者からみると何処の調剤薬局へ行っても、さしてサービス?に差が無く、通院する病院に一番近い調剤薬局を選ぶか、自宅から近い調剤薬局を選んでいるというのが現実ではないでしょうか。
しかし、これからオンライン調剤薬局が認められますと、様相が一変するでしょう。


利用するのは、寝たきりの老人ばかりではなく、仕事で忙しいビジネスマン、子育てで忙しい女性の方がむしろ多くなるのではないでしょうか。その時に、パパママ調剤薬局は何処までオンラインに必要な設備投資に耐えうるのでしょうか。また、それらに必要な技術ノウハウを持つ人財を確保できるのでしょうか。


きっと調剤薬局の業界再編が避けては通れないでしょう。今後、生活者にとって「健康」が何よりも大切なニーズとして顕在化してきます。その時に、情報技術を駆使して健康管理をサポートする事業者が出現することになるでしょう。その様な事業者と調剤薬局が連携していくことも考えられると思います。


今日もありがとうございます!
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