誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

自動車産業のイノベーション!

皆さん、おはようございます!
イノベーションは、どの様な時に起きるのでしょうか。おそらく、技術革新だけでは起こらず、そこに人々が生活する上での潜在的な不満や不便さといったものが内在しています。それらが新たな技術により解決された時に社会に受け入れられるものでしょう。



世界の自動車産業がCASE(=つながるクルマ、自動運転車、カーシェアリング、電気で走るクルマ)の実現に向けて舵を切りだしています。一方、一部の自動車メーカーでは、大手企業特有の巨大なピラミッド型ヒエラルキー組織内で、権力闘争により組織としての統率がとれずに様々な不祥事も散見されます。


混沌とする自動車業界を尻目に、米アルファベット(=グーグルの持ち株会社)、国内ソフトバンクなどは、CASE実現に向けた布石を着実に打ち始めています。電気自動車については、英ダイソンなども参入に名乗りを上げるほどです。これら非自動車産業からの参入に牽引される形で各メーカーがようやく重たい腰を上げはじめた感じです。


自動車産業からみれば、今まで築き上げてきたクルマを開発し、生産、供給する独自のビジネスモデルの完成度が高く、次世代のCASEを実現していく為に、足枷となっていることに手を拱(=こまね)いているのが正直なところではないでしょうか。まずはディーラー網を活用してカーシェアリングやサブスプリクションに着手という感じです。


サブスプリクションとは、クルマを購入するのではなく、毎月一定額を払い一定期間利用する方法です。カーシェアリングやサブスプリクションは、クルマの利用形態ですが、本当に取り組まねばならないのは、やはり自動運転技術、電動駆動技術、情報技術です。これからのクルマは走るプラットフォームであり、その利用方法は枝葉末節だからです。


例えばフィンランドにノキアという会社があります。1990年代に携帯電話メーカーとして大成功を収めた会社です。箱型の概観にモニターと小さなプッシュボタンが所狭しとついたスタイルの携帯電話です。日本でも、同様のデザインの携帯電話が初期に普及しています。通話と簡単なテキストメッセージを送る機能を備えていました。


ところが、米アップルiPhoneの出現により、それら旧式の携帯電話は跡形もなく置き換えられてしまっています。スマートフォンは米アップルのIOS、グーグルのアンドロイドという基本ソフトウエアを搭載し、それらと互換性を持つ様々なアプリケーション
を消費者が自由にダウンロードできる様になりました。


デザイン性の優れたスマートフォンというプラットフォームに消費者が気に入ったソフトウエアを搭載できる独自性が消費者に支持されたのだと思います。一世風靡したノキアは、時代の流れについて行けずに携帯事業を売却により撤退するに至っています。
いま、自動車産業でもこれと同じことが起きつつあると思います。


現在の自動車産業は、クルマというハードウエアの性能にばかり目を奪われていますが、CASEになりますとハードウエアよりも自動運転や情報通信といったソフトウエアの方が重要になってきます。独BMWの調査によりますと73%の人が将来的なクルマがデジタル化したら、その様なクルマに乗り換えるとの回答があったといいます。


もはや消費者のクルマに対するニーズは、趣味で楽しむ個性的なマシンから、もっとコモディティ化したモビリティ(=移動する為の手段)という位置付けに変わってきているものと思います。若者世代のクルマ離れもその兆候が見て取れるのではないでしょうか。
もちろん、趣味でマシンを乗りこなすマーケットも一部残るとは思いますが。


日本においては著しい高齢化が進みますので、ますますモビリティとしての需要が高まって来ることでしょう。そうした時に、わざわざ駐車場を借りてクルマを所有するのではなく、必要な時に家の前でタイムシェア出来れば良い訳です。いまはタクシーを利用せざるを得ませんが、自動運転化が進めばカーシェアリングとタクシーの境目も無くなります。


だからタクシー各社はMaaS(=モビリティ、アズ、ア、サービス=移動手段のサービスビジネス)に力を入れ始めており、配車アプリによる消費者の囲い込みとタクシー会社同士の連携を急いでいるのです。その様な中で自動車産業が取り組まなければならないのは、モビリティというプラットフォームで如何に課金型のビジネスを構築するかです。


いままでの様なクルマの組み立てを事業の核を為す収益源とする時代は過ぎ去ろうとしています。モビリティを安全に動かす為の自動走行管制システムなどの構築も必要でしょう。その様なシステム開発に秀でているのは、やはり情報通信産業だと思います。自動車産業は如何にこれらと協調し、ビジネスモデルを変革するかにかかっていると思います。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する