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二つの投資会社_ソフトバンクとオリックス!

皆さん、おはようございます!
事業会社がホールディングカンパニー(=純粋持ち株会社)となり戦略的な企業買収を行うようにると、機能的には投資会社と変わらなくなります。総合商社の様にバリューチェーンを構築するような意味ある取り組みが目につくようになってきました。



携帯事業を営むソフトバンクが間もなく株式公開されます。1500円という売り出し閣で換算しますと、同社の時価総額は7兆円を超えるようです。同事業を2006年に英ボーダフォンより買収した価額が2兆円ですから、その差額の5兆円の付加価値を生んだことになります。


孫正義氏が1981年に創業した時にはソフトウエアの流通事業ですが、今では携帯事業をも子会社化してしまい、半導体の企画開発をする英アーム社を傘下に納めるに留まらず、10兆円のビジョンファンドを通して、世界のAI(=人工知能)、IoT(=全てのものがインターネットに繋がる)関係のベンチャー企業へ投資を行っています。


ソフトバンクグループとして純粋持ち株会社へ移行し、事業会社から投資会社への色彩を強めています。孫正義氏自身、これからのグループ経営を「群戦略」と命名し、各投資先企業の相互補完効果を追求する会社へと変容させています。単なる投資会社に留まらず、事業の付加価値を追求し新たな事業を創出できるかがポイントになると思います。


もう一つの投資会社として、リース事業を本業とするオリックスを挙げたいと思います。
元々、旧日綿実業と旧三和銀行の合弁事業としてスタートしたオリックスは、金融事業を発祥としていますが、金融と実業の相互補完効果を見い出すべく、早くから不動産事業、宿泊業、ゴルフ場運営事業、空港運営受託事業などへ進出しています。


それらへ事業資金を拠出し、リース取引を取り込むのはあたり前ですが、彼らの狙いはその事業の運営ノウハウを吸収することにより事業リクスという目利き力を金融事業に活かして行きたいという明確な戦略を持っています。QBハウスなどのベンチャー企業投資などを行っていたこともありますが、最近では中堅企業を対象とした投資を行っています。


携帯事業会社向けに基地局の設置、メンテナンスを行う海外中堅企業の買収を進めており、業界再編のインシアチブを獲っている他、国内の後継者のいない中小企業の買収を自己資金で進めており、事業成長に向けた梃入れを行っています。ソフトバンクグループとは逆に、金融会社でありながら事業会社への色彩を強めつつあります。


両社に共通しているのは、強力な資金力を裏付けとして中小、ベンチャー企業の成長に向けた事業支援としてバリューチェーンやビジネスモデルの構築を生業とし出しているところです。その様なことを行っている事業会社?として商社も存在します。投資先企業個々の自助努力では大局的な視点で業界を再編していくことには限界があります。


情報技術革新により、今までの産業分類別に整理された個々の企業は、その枠組みを超えて企業同士が連携することにより新たなソサエティ5.0(=人工知能・ビッグデータ・ユビキタス関連の情報技術を従来の技術と組み合わせ、社会のあらゆる分野で新しい製品やサービスを提供する)の社会を作っていく必要があります。


その為には同業者同士ばかりではなく、業界を越えた連携関係を構築していくことが不可欠になります。その相互補完効果を追求する結果として、新たな事業を創出する契機となります。そうやって付加価値を高めた既存事業を改めて社会へ返して行く役割りがこれからの社会に必要なように思えます。


一般的に買収ファンドといいますと、破綻しかけた企業を再生して付加価値を上げることによって果実を得る仕組みですが、兎角、財務テクニックを駆使して株価を上げることに偏っているため、本当に社会のためになっているのか些か疑問点が残ります。事業そのものの改善にどこまでグリップできているのか不明点が多いからです。


その点、ソフトバンクグループやオリックスも本質である事業そのものに何処まで入って行けるのか、また事業連携を進めるのにあたり、どこまで今の社会が変容していくかを見通して、これからの社会ビジョンを描けるかが投資事業の成否を決めるポイントになることでしょう。必ずしも事業投資を行わなくとも果実を得る方法もあると思います。


情報技術革新は、結局、人のいる空間や環境を自動化していくことに過ぎません。それが個人レベルから、地域、街、都市へと広げられて行くことになるでしょう。その意味では、全ての産業が社会システム産業へと組み込まれて行くことになると思います。必要なのは、それらビジョンを描き、実行していくビジョナリーやイノベーターでしょう。


今日もありがとうございます!
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