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パイオニアのゆくえ!

皆さん、おはようございます!
パイオニア出身の知人から連絡がありました。今後、パイオニアがどの様になって行くのかを気に掛けていらっしゃいます。若い時を同社が一世風靡しているときに過ごし、いまやその会社が外資ファンドに買収されると聞けば行く末を案じると思います。



オーディオメーカーで名を馳せた経営再建中のパイオニアが、香港の投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(=以下、ベアリング社)に買収されることになり上場を廃止する発表がありました。買収総額は1020億円で、2万人の従業員に対して3000人規模の希望退職を募る計画です。


これにより、社長と社外取締役2名以外の経営陣を刷新し、生産・販売・研究開発体制を見直し、地図とデータを組み合わせたソリューションビジネスに経営資源を集中するとあります。9月時点の基本合意では、約500億円の増資を引き受ける予定であったベアリング社との交渉の過程で、非公開化したうえで再建を目指す方向に転換しています。


確かな技術力でレーザーディスクやプラズマテレビを世界に先駆けて送り出したパイオニアですが、業績振るわず経営資源を集中したカーナビゲーションシステムもスマートフォンの台頭で屋台骨を大きく揺るがしてしまったようです。技術革新の波に乗れずに、経営判断を大きく見誤ったと言えるでしょう。


パイオニアは1947年(=昭和22年)に創業者である松本望氏により福音電気株式会社として設立されています。オーディオ機器メーカーのパイオニアとして頭角を現し、1980年にはミニコンポを他社に先駆けて販売し、若者を魅了しています。その後、ホームエレクトロニクスから車載用エレクトロニクスへと事業領域を伸ばします。


音に拘りを持つ技術メーカーとして光ディスクやレーザーディスクへも展開し、1997年からはプラズマ民生用テレビにも進出を果たしたが、2000年代中盤よりその技術力に裏付けられた製品の販売不振が続き、右肩上がりの成長に陰りが見え始めています。創業70周年を迎える2008年にはプラズマテレビからの撤退を余儀なくされています。


この頃より、シャープ、本田技研工業などと資本業務提携を行うようになり、財務基盤の充実と取引関係の強化を急ぐようになっています。そして2015年には、ホームエレクトロニクス事業をオンキョーへ売却し、カーエレクトロニクス事業へ経営資源を集中して再起を賭けていた矢先に、事実上の経営破綻に追い込まれています。


パイオニアの社風は、無類のマニアックな「音」好きが集まったフランクな集団というイメージがありましたが、1990年代のカーエレクトロニクス事業が立ち上がった頃から、社内では派閥争いによる足の引っ張り合いが蔓延っていた様に聞いております。この頃より、純真に技術に裏付けられた開発企業が蝕まれて行ったのでしょう。


前向きな知的創造力が発揮できなくなり、建て前のコミュニケーションが社内を覆い尽くし、技術的には素晴らしい製品を立て続けに開発していますが、マーケットに受け入れられない状況が続いたものと思います。バブル経済まで右肩上がりに成長し続け、転換できなかったことも、強烈な成功体験への驕りとなったのかもしれません。


情報技術革新が社会の価値観を大きく変えゆく中で、今までの常識はこれからの時代には通用しなくなっています。いつまでも、今までの成功体験にしがみついていると時代に取り残されて行く結果となってしまいます。その様なことにならない為にも、今まで築き上げてきたピラミッド型の階層組織は早々に是正した方が良いように思えます。


パイオニアに残された道は、子会社が持つ高精度なデジタル地図向けのデーターベースを活用して、クルマの自動運転用に地図とAI(=人工知能)を組み合わせたソルーションビジネスへ舵を切るしかないと思われます。ただし、それは未だ確立された製品を持つ訳ではなく、要素技術を持つに留まっているのみです。


今のパイオニアに自助努力によりそれを為し得るのか疑問が残ります。だから、今回のベアリング社という企業再生ファンドの傘下に入らざるを得なかったのでしょう。企業再生ファンドとは言いましても、倒産を回避するためにつなぎ資金を提供して、持てる技術が雲散霧消しない様にマネジメントをすることに為すべきことが限られます。


最後は、CASEへの対応を迫られる自動車・部品業界の中で起きている再編の波に組み込まれて行く以外に術がないのではないでしょうか。資本主義経済の中で、資本の論理に巻き込まれずに自主経営していく為には、社会に期待される商品を自律的に提供していくこと意外に近道はありません。


今日もありがとうございます!
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