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宅配便クライシス?!

皆さん、こんにちは!
今日は天気も良く、梅雨の合間の絶好の外出日和でしたね。
私も代官山から恵比寿まで歩いたのですが、
適度な来訪者と既存の建物を活かした住宅地のリノベーション店舗が素敵ですね。


今週、新聞での「宅急便」に関する特集が各紙で組まれていて面白いですね。
宅配便の値上げもそうですが、指定配達時間が大幅に見直されることに対して、
社会システムの重要な機能として組み込まれた小口物流の地殻変動が
生活や経済に与える影響が大きいと受け止めているからでしょう。


確かに少子高齢化、労働人口が減少して行く中で、
マンパワーに頼らなければならない産業の代表格として、
宅配便がどの様な事業政策を採るかによって、日本の経済や産業が進むべき方向に影響を与えるという意味において重要かもしれません。


この一週間、宅急便の記事を集中的に読みこなして来ましたが、
いま一つ、全体感を捉えて本質を突いた論調が少ないのは気のせいでしょうか。
そもそも宅配便は過剰サービスであり適切な費用対効果とすべきでは。
下請構造を前提とする運用業界の契約形態を見直す好機ではないか。


一番気になりましたのが、
運転手(=営業職)という労働逼迫はデフレ経済からインフレ経済への転換点となるのでむしろ望ましいという論調まで。この点に関しては、私は経済学者ではありませんが素人ながら、何故にインフレ待望論が出て来るのか不思議です。


確かに高度経済成長下では、素材や労働需給が逼迫しますとインフレとなりますが、その分、労賃も上がるため消費需要が増えるという、行動科学で言うなら人間の心理的な錯覚によってインフレ率以上の消費増加が経済を底上げするという経済学的な論理が根底にあると思います。


でも、消費者からするとデフレでもインフレでもなく、実質的な経済成長分が労賃アップの源泉となり、資金が循環し経済成長に繋がれば良いのではないでしょうか。また、高度経済成長時とは異なり、労働需給の逼迫は情報技術により補われるので、直ちに高いインフレ係数として現れないという意味では情報化社会は優れていると受け止めます。


具体的には名刺等の小口印刷のラクスルが、印刷業界と同じ様に産業として下請構造をとる運輸業に対して「ハコベル」というサービスをはじめたことに注目します。
運輸業界は大手10社が市場の5割を占めますが、その内、6~7割を下請業者に再委託しているとのことです。


日本の運輸業者の大方が中小下請け業者ということになりますが、ラクスルはそこに目を付け、印刷業でのラクスルの仕組みと同じ様に中小運輸業者を組織化してトラックの稼働状況を一元集約し、稼働状況が下がっている日や時間帯に荷物の配送を依頼し、業界としてのトラック稼働状況の標準化による荷受価格低減を図るというものです。


印刷業もそうですが、運輸業も必ずしも経済合理性で各事業者が均等にいつも稼働状況が同じ状況ではなく、必ずリアル情報の格差が生じており、業者間の稼働状況にバラツキが出ていることに目を付けたものです。このハコベルによって所得が減るものはおらず、むしろ今後の宅配需要の増加に向けて不可欠な機能だと思います。


アマゾンジャパンも、クロネコの荷受見合わせにより独自の物流網構築に動き出していますが、恐らくハコベルと同じ様な仕組みになると思います。余談ですが、米アマゾンは自社で貨物便を飛ばす他、ドローンを活用した小口配送まで模索しており、ネット販売以上に一大流通・物流企業として名を馳せて行くでしょう。


話しを戻しますが、ハコベルの仕組みはインフレを引き起こすことなく実質所得=経済成長を実現するという意味で非常に社会的な意義が高いものだと思います。実物経済における事業主体間の連携ギャップ(≒市場の不完全性とでもいいましょうか。。)が引き起こすインフレを信奉するとはどの様なものなのでしょうか。


また、ラクスル→ハコベルと進化させている企業としてのラクスルは今後あるべき事業の姿を体現しているという意味では非常に創造性に富んだ素晴らしい企業だと思います。
皆さん、日本の下請構造を前提とする産業はまだまだ沢山あると思いませんか??
もう一つの視点は、日本は非常に縦割り社会のコスト負担も大きいですよね。。!


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