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他人事としての「しごと」!

皆さん、おはようございます!
事業を営む立場になると自分の遣りたいことを自由に出来ると考える方が多いと思います。確かに自身を制約するものはないのですが、それが自分事としてではなく他人事としての事業である必要があります。この辺の微妙な違いが事業の難しい所だと思います。



未だ日本では売上高と組織の拡大を重要課題とする考え方が幅を利かせている様に思います。19世紀後半に米国で発達した大規模で官僚的な構造を持つ企業組織は、各国に広がり世界経済の大きな地位を占めています。日本でも、高度経済成長を経て、それまでの全社員が一丸となって目標を共有する集団体制が色褪せ、官僚化の道を進んでいる様です。


官僚的な組織は、平穏な時代には指揮命令系統が明確であり、非常に効率的に機能しますが、今のように時代の変革期にあっては外部環境の変化への対応力が弱く、脆いものではないでしょうか。大手企業において、特に自動車メーカーで品質性能データ改ざんに関わる問題が露見しているのは、内向きな組織を物語っていると思います。


日本の企業も、高度経済成長している時代には、ハングリー精神を持って役職員一同が見果てぬ夢を追いかけて、キラキラと輝いていたのではないでしょうか。自社で作る商品を提供することが社会のニーズに合致しており、その意味では企業組織という媒介を通して、役職員は社会の一員として貢献していることを実感できたと言うことができます。


ところが世の中にモノが満たされ、商品が売れなくなると、それまで役職員で共有していた自社の社会的な意義が失われ、企業組織としての官僚機構ばかりが突出する形となってしまっているものと思われます。仕事の負荷ばかり増えて、それに対するモチベーションを維持することが難しくなっていると言えるでしょう。


本来、企業組織というものは、役職員の間で将来に対する構想を共有できて、はじめてきちんと機能するものです。それが、今日において多くの企業が将来に対する構想を描き切れないでいると言えるでしょう。その様な組織として充分に機能しない状況の中において、自らの組織を守り通そうという盲目的な意識のみが作用しているのでしょう。


これは、幕末の徳川家を見れば明らかであり、時代に関わらず人間が持ち合わす心理なんだと思います。時代は違えども、いまの日本の大手企業は創業50年以上が経過し、大なり小なり、同じ様な境地に立たされているものと考えられます。役職員の意識が大きく内側に向いてしまっているのですね。


ここを正さないと、これからの日本を担う構想を描き切れないでしょう。
いまはゼロ金利政策により、また東京五輪・パラリンピックを控え、僅かながら景気が浮揚しているように見えますが、2020年以降もいまの景気が続くとは限りません。いま景気を牽引しているのは、新規オフィスビルなどのインフラ更新重要です。


2022年には生産年齢人口が一段と減少していくことが予測されています。2020年以降は、いま以上に将来に対する不透明感が顕著になって行くと思います。消費に対する意欲も減退していくでしょう。そこから早く離脱する為にも、早く官僚的な企業組織を見直して行く必要があるでしょう。


もっと、企業組織で働く役職員がフランクに意見を言い合えるコミュニティを整えて行かなければならないと思います。それも、同じ企業組織内の役職員だけではなく、もっと幅広く様々な背景を持つ人々が互いに理解し合いながら、この日本という社会をどの様にすべきか、自らの企業組織を通じてどの様な社会貢献が出来るかを話し合うべきです。


目先の事業を維持していくために繁忙を極めているなどという声が聞こえて来そうですが、利益に貢献しない必要以上の過剰なサービスを提供しようとしているという意味では生産性が低下していると言えるでしょう。一種のワーカーホリックとも言うべきであり、もっと能動的に仕事にメリハリを付ける必要があると思います。


経営者にとって雇用の確保を目指すことが最大の目的だと思います。それ以上に、人間の営みである「しごと」とは、自らの生活の基盤であるのみならず、一国の経済の源泉であり、社会を変革させ文明を進化させる拠り所です。「しごと」は会社から給料を貰うか、自ら個人事業者として営むかに拘わらず、社会に受用されている必要があります。


その様な「しごと」の集大成として社会が動いて行くのではないでしょうか。「しごと」とは自ら創っていくものであり、そこに需要が対を為しているものと言えるでしょう。
企業組織の中で決まり切った仕事を行いながらも、そこには少しずつながらも明日に向けた工夫が為されていることが必要ではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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