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事業を構造的に捉える!

皆さん、おはようございます!
日頃、中小企業の経営者とお会いする中で、何をやる気にしているかを良く考えます。
経営とは忍耐の連続であり、生半可な気持ちでは継続することが出来ないと思います。
経営者の方によって人それぞれですが、お金を稼ぐことは結果論なのでしょう。



事業というものは、ある一定の目的の為に様々な事業資源を集積させ、その結果として商品なりサービスを提供するものです。その商品やサービスを提供する為に構造化させた事業資源ではありますが、それらを充分に見極めて頭を捻りますと、同じ構造化された事業資源を活用して全く異なる商品やサービスを提供できることが多分にあります。


例えば、マクドナルドを見ていますと全国各地に多くの店舗を構え、ハンバーガーを提供しています。ハンバーガーを提供することが目的となっているのですが、その目的を好立地の全国の店舗に目を向けたらどうでしょうか。その店舗を活用して、ハンバーガー以外の新しい様々な事業展開が可能ではないでしょうか。


一時期、マクドナルドの業績が低迷した時に、リストラの一環で多くの店舗を廃止していました。それはハンバーガーが売れなくなったからであり、必ずしも店舗立地が悪いわけではない。その廃止する店舗を活用して新たな不動産事業をはじめることも出来た訳です。でも、事業の目的がハンバーガーの提供であった為にそれをしなかった訳です。


人間は、一つの事業目的という固定観念に捉われますと、そこに意識を集中させてしまうため、異なった角度から物事を捉えられなくなってしまうようです。事業を成り立たせている構造をそれを構成する事業資源のレベルまでブレークダウンして俯瞰してみますと、他にも異なった角度から新たな閃きが思い浮かんでくるものです。


一昨日、記載したパーク24もそうです。単なるコインパーキングという不動産事業という見方に捉われていたら、今のようなカーシェアリング事業やトヨタ自動車との次世代CASEに関わる開発を協働で行うことはなかったと思います。「快適なクルマ社会」という視点があったからこそ、自らの事業資源を他の用途に転用していけるのでしょう。


コンビニエンスストアなどもそうだと思います。創業当初の、街中の24時間営業している小売店と捉えていたら、いまの様なATM、複合コピー機、イートインコーナーなどの利便機能を店舗内に設置することはなかったと思います。小売店という枠組みを度外視して、地域住民にとっての利便性を高めることを目指しているから可能なのでしょう。


以前、大手化学メーカーの子会社で金型製造を専業としている株式公開会社の立て直しを手掛けたことがあります。化学メーカの子会社ということで、親会社向けの金型製造を主業としていましたが、親会社では加工技術の進化により金型自体をあまり必要としなくなっています。金型業界の最大の顧客はやはり自動車産業です。


そこで、自動車産業で必要とされる金型を提供する会社に転換させることを思い付きました。当時の自動車産業は工場を海外に移転している時期でした。自動車産業向け金型製造を請け負うためには、①自動車メーカーと3DCADによりオンラインで結ばれている必要がある、②自動車メーカーの海外工場の近くに金型工場を進出する必要があります。


③自動車用プラスチック部品を単品で納品するのではなく、新車開発段階から複合的に必要なパーツを提供して行く必要があります。当の子会社では、親会社からの減り行く受注の中で事業を行っていましたので、その様な事業資源を持ち得ません。そこで考えたのが、自動車業界向け金型専業大手メーカーとの協働関係を構築することでした。


この様に、事業の目的を変えて遣ることにより、いままでの事業資源では不足する資源が見えて来ます。不足するのであれば、その不足する資源を補充すれば良いのです。
この金型メーカーの場合、それを全て自前で揃えていたのでは、時間を要することになってしまうので、他社企業と協働体制を敷くことにした訳です。


マクドナルドの例では、縦に並んでいる事業資源の繋がりを横に並び変えてみる視点であり、パーク24、コンビニエンスストア、金型メーカーの例は、自らの骨格を為す事業資源の構造に、時代に合わせて新たな要素を付加して事業を進化させて行く方法です。これらが、事業を構造的に捉えるビジネスストラクチャリングの視点になります。


情報技術の進展により、消費者行動も変わり、社会の仕組み自体を変えて行かなければならない時代に差し掛かっていると思います。新たに起業することも必要ですが、いまある事業を時代に合わせてどの様に変革させるかという考え方が必要だと思います。その為には他社との垣根を越えた協働が必要であり、M&Aにもその様な視点が不可欠でしょう。


今日もありがとうございます!
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