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縦割りと横割りの交差点!

皆さん、おはようございます。
昨日は金曜日ということもあり、世の中、半分夏休みという感じですね。
松本への日帰りでしたが、電車は家族連れの観光客が半分で満席状態です。
そのうち半分近くが海外からの観光客という感じでした。



江戸時代の町といったら、軒先の小さな店構えに桶屋、金物屋などの単品を扱うお店が連ねて、町全体として生活に必要な機能が揃っているという感じでしょうか。各お店毎に個性があり、きっと町を歩いているだけで楽しくなってしまうことでしょう。現代でいう小商いが集まるクラフトフェアがこれに近いのかもしれません。


そんな商いがやがて明治維新以降の産業の近代化により規模の経済を追求し、高度経済成長以降は業界再編という名の下に一企業の規模がますます巨大化する一途を辿ってきました。鉄鋼産業、電器産業、食品産業、小売業などのあらゆる業界において、業界毎に産業として棲み分けられ企業が専門性を高めて来た歴史であると言えます。


江戸時代の商店からは想像もつかないほど文明が発展しており、人々の手の中にあった規模の商店の見る影もなくなり、私たちはいつの間にか巨大な企業により支配される社会システムの中で自らの役割を担う存在へと変容していると言えます。きっと物質的な豊かさは現代の方が勝ると思いますが、精神的な豊かさまで勝っていると言えるでしょうか。


私の好きな商業施設の中にTSUTAYAが運営するT-SITE業態があります。蔦屋書店が中核となる施設なのですが、他にもライフスタイルを提案するショップが何店舗も入居しており、各施設ごとに建物内に区画分けされた店舗が整然と立ち並ぶのではなく、生活シーン毎に様々な店舗の商品が集められています。


通常のショッピングセンターでしたら、取扱う商品種(=カテゴリー)毎に業態別のカテゴリーキラーが入居して機能性を追求しているのに対して、各店舗ごとの垣根なく(=シームレス)、書籍と土鍋と食材が一緒に陳列されているので一目瞭然でライフスタイルのイメージがつく訳です。


ショッピングセンターが縦割りに業態を並べているのに対して、T-SITEではその縦割りの枠を度外視して商品を提案しています。私はこれを縦割りの業態を横割りに括り直すとか、縦割りに横串を指すとか言ったりします。いまの社会システムは全てが縦割りとなっていますが、人間への優しさを考えたら横割りも必要ではないかと考えています。


確かに機能性を追求するとどうしても縦割りとなってしまうのですが、人間は必ずしも機能性だけを求めている訳ではなく、偶々いまの社会の仕組みがそうであるからそれに慣らされてしまっているのですね。行政官庁も機能別に組織が括られていますが、退職という生活シーンの中では、納税課、社会保険課、住民課などを一度に用を足したいものです。


宅配便を考えていますと、一戸のお宅へヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸が入れ替わり立ち替わりやって来ます。労働需給が逼迫している中で、そのお宅が不在でしたら、思わず各々の運送会社に同情したくなります。そうでなくとも宅急便料金を値上げしなければならないほど、コスト負担に喘いでいるのに。


宅配便だけなら良いのですが、最近ではファストフードやコンビニエンスストアまでが独自にデリバリーを行っています。これを宅配のラストワンマイルと言いますが、このラストワンマイルをどの企業が制するかに注目が集まっているようです。一方で、各企業が縦割りの組織論の中で凌ぎを削っても社会コストばかり高まる結果となってしまいます。


地域毎にこのラストワンマイルの宅配を行う企業を1社に絞り込み、他の企業はその地域宅配会社に配送を委託すれば良いと思います。ちょうど昔懐かしい三河屋さんやクリーニング屋さんが御用聞きを兼ねて配達を行うようにすれば、住民にとっても利便性が高まりますし、企業にとってもコスト削減に繋がります。


ここでも企業毎に行き過ぎた縦割りに固執していますが、地域という横割りで物事を捉えれば良いと思います。縦割り機能が蔓延り過ぎますと、その縦軸同士が激しく競い合うという弊害が生まれて来てしまいます。このことは私たちにとって必ずしも経済合理性に叶っている訳ではなく社会的な損失でもあると思います。


これからの時代、生活者にとって優しい社会をリデザインする必要があると思います。その為には、行き過ぎた縦割りの社会の仕組みを横割りに括り直して行く必要があります。
その為には企業も他の企業と協働することが、結果として経済合理性に叶うことにもなります。これを規模の経済に対して範囲の経済というのかもしれませんね。


今日もありがとうございます!
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