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付加価値とは

皆さん、こんにちは!
早いもので、もう金曜日ですね。
東京は、梅雨入りしていながら土、日曜日も夏空のようです!
懐も暖まる季節だと思われますので、外に出かけるのもいいですね。。


財務で付加価値と言うとバブル経済以降は企業価値とか株価を示し、
いかに付加価値を高めるかを目標に掲げる企業が多かったのではないでしょうか。
最近の企業を見ていますと、少々、効率性とか、機能性に傾注し過ぎて
資本の効率を追いかけ過ぎではないかと思う事があります。


企業は社会市民とも言われます通り、
利害関係者の一人である株主にばかり偏重しすぎてもいけません。
自然人との共生の中で夢ある社会を描き
必要と思われるモノやコトも率先して提供して頂ければと思います。


みなさん「Tタブトラック(てーたぶとらっく)」をご存知でしょうか。
戦後間もなくいすゞが生産が開始した、
深緑色のボンネットが伸びた
ダックスフンドの様な顔の大型トラックです。


知り合いで里山の地域再生を手掛けられている方がいらっしゃいます。
その方から、岩手の山村地域では、まだ136台(全国で294台)も走っているとの連絡がありました。既に30年以上前に生産停止されたこのトラックを見るたびに、ニッチだが未だ価値ある機能性があり、珍しくて格好良く、見るたびに萌えるそうです。


確かに、私も現地で見た事がありますが、未だにこの様なトラックが活躍している姿をみて嬉しくなったことを覚えています。既に岩手のトラックは82万キロも走っているそうです。そこで暮らす人々とともに時間を重ね、現在に至っている雄姿をみますと、
とても愛着が湧いて来るのは私達だけでしょうか。


日本人独特の考え方かもしれませんが、
モノにも命が宿るという、いわゆる「禅」の精神にも通じる考え方ですが、
効率性や機能性だけではない、
生涯を共にしてきて互いの全てを知り尽くしたポン友の様な信頼性と安心感。。


民芸品や工芸品と言ったクラフトにも、
そのモノとしての機能を超越する、
長年、使い続けてきた愛着、使い心地の様なものがあります。
製品としては手作り感があって粗削りだけど、味がある。


先のトラックもクラフトも
結局は作り手の魂に、使い手の魂が融合して
時間の経過の中で製品としての役割を超えた
かけがえのないモノにまで昇華している「付加価値」が存在しています。


この辺が0→1だけでは割り切れない、
人間固有の感性とか、人間のアノマリーな部分だと思うのです。
余りにも機能性や合理性だけに囲まれていると、
そこから抜け出してフッと溜息をつきたくなる様な感覚です。


人間というものは、
完全なモノだけではなく、どこか歪だけども安心できる
神秘めいた揺らぎの部分がないと精神を保てない。
生き物であることの証ではないでしょうか。


一方で、現代を見渡してみますと、
家も家財道具も、街も、社会の仕組みも、
もちろん企業そのものも、ゆとりといいますか遊びが少なすぎるように感じますが、
皆さまは如何でしょうか。


これからの企業は、
数字で割り切れるものや論理的に辻褄が合うものだけではなく、
一人の市民として人間臭い部分をも取り入れて、
新たな社会の仕組みや商品を考えて行く必要がある様に思えます。


企業とは、あらゆる利害関係者に受け入れられて、
はじめて価値が認められるものだからです。
もっと人間に優しい会社が増えて行って欲しいものです。
企業を運営しているのは、所詮、人間ですから。

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