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自動車産業の行方!

皆さん、おはようございます!
梅雨空も一休み、今日から明日にかけて天気が回復するそうです。
今年の雨は長続きしないせいか、例年に比べて湿度が低い様な気がします。
これから日を追うごとに気温が上がって行くようになるのでしょうか。



世界の自動車業界では「CASE」(コネクテッドカー、自動運転、シェアリング、電動化)への動きが鮮明になって来ています。各社が築き上げてきた自らの旧来のビジネスモデルを脱して、無人タクシーなど次世代交通サービスを柱とする新たな自動車メーカー像への転換を急いでいるようです。


クルマを製造販売する会社からサービスを提供する会社への移行が新たな自動車産業のあるべき姿と、各国の自動車メーカーのトップは口を揃えるように発言されています。自動車会社といえば、世界の経済を支えてきた基幹産業であり、クルマのデザインから設計、部品までの開発、組み立て等の各製造過程を自前主義で牙城を築き上げてきた産業です。


それこそ巨大な階層的組織機構により、自動車生産の効率化と標準化を推し進めてきた製造業の雄ということが出来ます。その様な自動車産業が、情報技術革新を背景としてCASEに真正面から取り組み、第三次産業革命を大きく揺り動かす存在になると考えられるものですから、その動向から目が離せません。


今までガソリンエンジンが動力機関として揺るぎないものとされてきましたが、次世代交通サービスではクルマ自体の情報(端末)化が避けて通れないこと、また環境への配慮を考えますと電動モーター化へシフトさせて行くことが業界での常識となっています。技術的に見ても、自動運転やカーシェアリングへの取り組みとも相性が良い様です。


同じ四輪で走る乗り物であっても、次世代CASEカーは今までのそれとは構造も部材も全く異なる似て非なるものとなりますので、各自動車メーカーとも新たな生産体制作りに奔走しているのが現状ではないでしょうか。自動車産業が転機を迎えるなか、自動車メーカーと素材・部品メーカーとの関係も様変わりしつつあるようです。


次世代技術を組み込んだ車体設計は素材の加工や成型までを含めた改良が不可欠で、自動車メーカー各社が長らく下請け業者として扱ってきた素材・部品メーカーに日参するケースが増えているようです。その一つの現われとして、トヨタ自動車はデンソーに次世代自動車向けの電子部品事業を集約する検討をはじめています。


具体的にはトヨタ自動車の自社工場をデンソーに移管し、開発機能を一体化し、コストを下げ技術の相乗効果を引き出す考えの様です。トヨタ自動車にもEV技術がありますが、EV推進に慎重な姿勢を保ってきたため、自動車業界の流れがEVにシフトしはじめ製品化に出遅れた焦りが背景にあるようです。


デンソーに事業を移管する狙いとして、トヨタ社員とデンソー社員同士が融合することにより、トヨタ社員が専門性の高いデンソー社員から刺激を受ければ電動化への歩みが早まるという思惑もあるようです。そもそもカイゼンなど今ある技術でのものづくりに強いトヨタ自動車は技術の大転換への対応が得意でないということも背景にあるようです。


豊田社長のコメントとして、100年に1度の大変革時代にCASEを実現する為のリソースを強化する必要から、積極的にアライアンス(=業務提携)を実施して行くことを明言しています。今回のデンソーとの取り組みは系列内アライアンスと言えますが、CASEを実現して行くためには情報通信企業との連携が欠かせません。


既に自動車業界では自動運転をめぐる陣営作りの動きが加速しています。米ゼネラルモーターズ(=GM)がライドシェア分野で存在感を高めるソフトバンクと組むほか、米グーグルも欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(=FCA)との提携を拡大しています。日産自動車に至ってはディー・エヌ・エーとの連携も公表されています。


この様に見ますと、これからの自動車メーカーはクルマを量産して糧を得る企業というよりも、次世代自動車の企画開発とクルマの利用に必要なサービスを提供する会社へと変容して行く様に思えます。規模の経済を追求する会社から範囲の経済を追求する会社への変容ですね。クルマをキーワードにあらゆるサービスに応える会社となる。


情報化社会とは、クルマという商品自体の情報化という意味もあると思いますが、それを実現する為に、自動車メーカー自体も自社内に留まることなく広く異業種と連携した協働事業化へと歩みを進めさせています。これからの時代、社会的な需要を満たすためには、一社のみでそれを達成するのではなく協働で実現することが不可欠だと思います。


今日もありがとうございます。
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