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JR東日本のベンチャー投資!

皆さん、おはようございます!
昨日は久しぶりに纏まった雨が降りましたね。
ジャケット1枚でも寒さはなく、やはり春を感じさせます。
夕方からの晴天は見事としか言いようがなく、気持ちを和ましてくれます。



CVC(=コーポレート・ベンチャー・キャピタル)をご存知でしょうか。
ベンチャー企業に株式投資をする専門の機関投資家がVC(=ベンチャー・キャピタル)ですが、事業会社が自らの事業戦略目的でベンチャー企業に投資することを言います。
日本では10年ほど前からKDDIなどのIT関連企業が取り組み始めています。


当時はまだ珍しかったのですが、今では驚くほど多くの企業で取り組まれています。
自動車産業ではトヨタ自動車がシェアリング事業や自動運転関連のベンチャー企業との協働を目的に積極的に投資を行っており、新聞紙上にも盛んに取り上げられていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。


先端技術を持つ企業のみならず、日本コカコーラーやJR東日本までがCVCに取組んでいることについては、正直に時代が変わったという印象を持たされます。日本の企業は、長らく新規事業であっても自前主義を貫き通して今日に至っていますが、このスピードの速い経済環境の中で、それも限界に達していることを如実に現わしていると思います。


わが国では明治維新以降、製造業を中心とするモノづくりの時代が長年続いてきました。バブル経済の崩壊を経て、情報技術の進展により消費者の動向がモノを満たすことへの欲求から、モノの意味=コトを満たすことに大きく変容していることが背景にあります。企業も今までの成功体験の延長で物事を捉えられなくなっているからです。


大手企業では独自に将来にわたる新たな商品や新しいビジネスモデルを模索してきましたが、思ったほどの成果を上げていません。社員の個々人の段階では、良いアイディアもあると思いますが、ピラミッド型のヒエラルキーを持つ企業でコンセンサスを得ながら具現化して行くことの壁に突き当たっているものと思います。


そこでCVCを導入して、斬新なアイディアを持つベンチャー企業に力を借りたらどうなのかという考えに至ったものと思います。CVCを旗印にすれば分かり易く、社内のコンセンサスが採り易くなるという考えだと思います。グループダイナミクス(=組織行動)はセンシブで難しい部分がありますが、一歩前進という感じでしょうか。


JR東日本は、エキナカやICカードのSuicaを社内起業で事業化に成功し称賛されましたが、自らが持つ事業資源を有効に活用して、もっと多様な新規事業を立ち上げて行かなければ、企業として成長して行けないという焦りもあると思います。人口が減少すれば鉄道を利用するお客様が減るのは明らかだからでしょう。


昨年、スタートアップ企業から協業(=コワーク)のアイディアを募ったところ、237もの提案があったそうです。このうちインバウンド向サービスなど11件について実証実験をはじめているそうです。社内から募っても良さそうですが、やはり日々の業務に組み込まれてしまいますと、なかなか斬新なアイディアが出難いものなのでしょう。


一方、パナソニックは家電のデザイン開発体制の改革に乗り出すそうです。あらゆるモノがネットに繋がるIoTの普及を見据え、製品群ごとにバラバラだったデザイン開発に横串を指すことが狙いにあるそうです。新たに京都にグローバル拠点を設け、分散していたデザイナーを集結させ、トップに外部からの人材を充てるとあります。


消費者の関心がモノから体験などのコトに移り行くなかで、従来と同じ様な物づくりをしていては将来がないという危機感からの行動とあります。
CVCにしましても、パナソニックの取り組みにしましても共通しているのは外部の力に変革を委ねるというものだと言えます。


その実効性を高めるためには、単にスタートアップベンチャーへの投資を行ったり、組織を再編するなどの形式面に捉われるだけではいけないと思います。企業自らが襟元を正し、外部の知を真摯に受け止めて、自らが変わって行こうという強い意志がないと軋轢が生まれてしまい、上手くいかなくなると思います。


一部の経営層のみならず、いかに全社で一丸となって足下にある危機を乗り越えて行くかという活力が必要だと思います。そこに向けることが出来るのは経営トップだけです。
これは大手企業だけの問題ではなく、私たちが暮らす社会の縮図だといっても良いと思います。私たち一人一人が問題意識を持って、新しいコトを創出して行くべきでしょう。


今日もありがとうございます。
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