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ダイムラーとBMWの事業連携!

皆さん、おはようございます!
今朝は外の風の音で目が覚めました。
外に出てみますと、天気は良いのですが、風が強いですね。
いつの間にか花をつけた庭の草木たちが揺れています。



独ダイムラーと独BMWがライドシェアなどの移動サービス事業を統合するようです。
統合するのは各々の子会社で運営するカーシェア事業、ライドシェア事業、チケットレス駐車場サービス事業、ならびに電気自動車の充電サービス事業など、今後の都市交通をつくる未来の事業です。


統合により31都市に2万台の車両と400万人のカーシェアリング会員、ライドシェアリングでは1300万人の利用者と14万人の運転手を抱えることになるそうです。
また、駐車場サービスや充電サービスでは、両社が持つアプリケーションを共通化することにより、利用者の利便性が高まり運営費用も下げられるとしています。


このカーシェアリング事業やライドシェア事業の分野では、既に米ウーバー、同リフト、中国の滴滴出行などのIT企業が参入しています。これらの配車サービスや無人タクシーなどの普及が進めば、自家用車を保有しない消費者が増えると予想されており、自動車メーカーがIT企業の下請けとなることを避けるための対応と考えられています。


米ウーバーは、世界各国でこのライドシェア事業を進めて来ましたが、中国に続き、東南アジア全域での同事業、ならびにデリバリー事業をマレーシアのグラブ社に売却することが明らかになっています。ウーバーは売却後も、グラブに統合される事業の株式の27.5%を保有し、役員も派遣するそうです。


ウーバーとグラブ社は、東南アジア地域で顧客や運転手を激しく奪い合う消耗戦を続けているそうです。膨大な開発費用のかかる自動運転車の開発を進めるウーバーとしては、競合の少ない地域へ事業エリアの集中と選択をすることにより、収益性を改善する必要があったものと考えられます。


2009年に創業し、会社設立後10年に満たないウーバーにとって、いきなり世界各地で事業展開を行うには、地域地域の商慣習等もありマネジメントの問題からも少々ハードルが高かったのかもしれません。日本でも、タクシー業界とのせめぎ合いで、ライドシェア事業の参入が認められず、タクシー会社への配車サービスに終始しています。


それにしましても、ダイムラーとBMWのシェアリング事業の統合は、既に各々の子会社を通じて400万人のカーシェアリング会員と1300万人ものライドシェア会員を擁していることに驚かされます。日本の自動車メーカーは、これら事業を営むベンチャー企業への出資に留まっているからです。


やはり車のシェアリング事業が普及することにより、車の販売が低迷することを深刻に受け止めており、事業方針として新たな都市交通システム事業を中核として据えていることを窺い知ることが出来ると思います。当然に未来の都市交通システムは、自動運転が主流になるでしょうから、シェアリング事業との相互補完性も高いと考えられます。


自動車産業に関わらず、ここで考えなければいけないのは、市場が飽和してモノが売れない時代になったと言われて暫くが立ちます。その当時からこれからの時代はモノを売る時代ではなく、課金ビジネスの時代だと言われていました。コピーの複合機やGEの航空機エンジンがそうです。本体機器販売後のメンテナンスで事業を成り立たせています。


本体機器の状況を情報技術を活用して遠隔でモニタリングを行い、不具合があればサービスマンが修理に出向くサービスが定着しています。
カーシェアリング事業やライドシェア事業も同じことが言えると思います。車といった機械の販売後の継続利用サービスで収益を上げる時代に転換しつつあります。


この事実を規模の経済から範囲の経済(=シェア経済)への変容と言われる様になったのは最近のことですが、その予兆は10数年前から興きていたのですね。
もう一つ触れておかなければいけないのは、独国内のライバル企業同士が手を取り合っているところです。車の販売では凌ぎを削り合っているはずなのにです。


未来都市交通システムという社会基盤を整備するには、資本力も必要だと思います。規模の経済を追求する社会では個社単位で事業を成立させることが可能であったものが、横の連携をしていく必要があることも、この範囲の経済の特徴ではないかと思います。これからは、既存メーカー、IT企業、中小企業が玉石混合で手を取り合う時代なのでしょう。


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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