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企業の理念!

皆さん、おはようございます!
3月最初の週末は、いかがお過ごしでしょうか。
とても暖かい春らしい陽気で気持ち良いですね。昨日は、久しぶりに前の会社の同僚と様気を感じながらお酒を頂くという贅沢なひと時を過ごしておりました。



最近、企業の社会的な責任を求める指針が国連機関で相次いで取り上げられ、日本でも俄かに広がりはじめています。EGS(=Environment、Social、Governance)、SDGs(=Sustainable Development Goals)。そして、私はこれにCSV(=Creating Shared Value)を含めても良いと思います。


EGSとは、企業の長期的な成長のためには環境、社会、ガバナンスの3つの観点が必要であり、EGSを持たない企業は成長が出来ない企業であることを意味しています。
SDGsは、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけています。


そしてCSV経営とは、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱する、企業と社会の両方に価値を生みだす共有価値の創造を促がす次世代経営戦略です。
共通しているのは、企業が短視眼的に浮利を追い求めることなく、この地球上の一市民として、環境や社会との関わりを意識して豊かな社会を創るために貢献することです。


本来、この様な提言が日本から発せられ、国際的な活動指針として取り上げられるべきとも思いますが、後追いで些か残念なところがあります。
2千年近い歴史を持つ日本の自然を慈しみ、自然と共生する中で育んできた「神」を尊ぶ精神が、この150年の近代化の過程で希薄化してしまったのでしょうか。


最近、盲目的にグローバルなM&Aを行って世界的な覇権を狙っている企業があります。
それが単に新たな市場獲得を目的とする為であったり、株主に対するアピールで株価を上げるためのモノであるのなら、それは企業としての社会への貢献という本質を見失っているとしか言いようがありません。


ただ単に海外の企業を傘下に置くだけでは、連結決算上の売上や総資産は増加しますが、ただそれだけのことで新たな社会的な付加価値は何も生み出してはいません。
確かに規模の経済により、原料の調達コストは各段に下がるかもしれませんが、それが販売価格の低減に繋がり、後進国の経済発展に寄与する等の貢献が必要なのでしょう。


これからの時代、企業の価値のみならず、社会の価値をも共有するオーバーラップした価値創造が必要な時代です。機関投資家でさえ、単に経済的なリターンを追い求めるだけではなく、この社会との関わりの中で課題を解決して行く視点を持たないと成長に覚束ず、投資に値しないとまで考えらる様になっています。


日本の企業の中でも、このEGS、SDGs、CSVといった概念を取り入れ始めている企業が増えていますが、まだまだCSRの一環であり、経営判断の礎となる価値観として理念までに昇華している企業が少ない様に思えます。いや、むしろ立派な企業理念を持っているのかもしれませんが、それが形骸化しているからかもしれません。


合羽橋にある創業150年の老舗料理道具店がパリに出展し和包丁など130品目を販売するそうです。フランスといえば世界の食通が集う食文化の国です。そこに日本の伝統文化を携えた料理道具を紹介して行くことは、社会的に意味のあることだと思います。
文化とは技術と芸術が一対を為して、はじめて成熟して行くものです。


いま世界で求められているのは、先端の技術により社会が便利になることもありますが、それ以上に人間として変わらない本質を見つめ直し、それを忘れずに後世に伝えて行くことです。調和のとれたより良い豊かな社会を創造することが求められています。企業が経済合理性のみならず、文化的な色彩をも醸成して行くことが望まれる時代なのでしょう。


今日もありがとうございます!
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