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横浜の街並み!

皆さん、おはようございます!
2月4日は立春でしたが、まだまだ寒い日が続くようです。
ただ陽の光は少しづつですが柔らかくなってきているように感じます。
この陽の光の柔らかさとともに、人間の心身も躍動して行く様になるのでしょう。


先日、久しぶりに横浜市のみなとみらい、桜木町、馬車道周辺を散策してきました。
新しい近代的な建物も随分と増え、昔の記憶にある面影とは随分と変わっています。
東京五輪・パラリンピックを控えての経済政策のせいでしょうか、横浜も建築ラッシュで高層ビルの建設現場が多く目立っていました。


中でも、横浜市庁舎の建設現場は広大な敷地であり、思わず東京都庁舎クラスの大規模な建物が建築されるのではないかと思うほどです。横浜市は財政的に潤っているのでしょうか。林文子横浜市長が、外資系ディーラー、ダイエー(会社再建)で手腕を発揮した異色の人物であることを思い出しました。この新市庁舎建築もその辣腕さの所以でしょうか。



桜木町から紅葉坂を上って行くと左手に神奈川県の音楽堂があらわれます。図書館と併設されたこの施設の建築家が著名な前川國男です。同氏は現代の建築思想に影響を与えたフランスのル・コフビュジエに師事された方であり、日本の現代建築の父とも言われています。そんな前川國男が設計した施設は一目でそれだと分かります。


「鉄筋コンクリートを利用し、装飾のない平滑な壁面処理、伝統から切り離された合理性を信条としたモダニズム建築の提唱者」でもある同氏の建築物は、柱、壁面、屋根からなるシンプルな構造に正面開口部にはガラスを多用し、建物内部の奥行きが見渡せるような様式となっています。


正面ガラス越しに見えるランドマークタワーとの対比が、時間軸を越えながらも同じ系譜を継ぐ建物同士として、不思議な調和を醸し出していました。
晩年、ル・コルビュジエは、建築物のあるべき姿とはその土地の景観や自然に違和感なく溶け込むことだといい残しています。


この音楽堂も周囲に建物が建設される前は、高台にある低層な建築物として周囲の景観や自然に溶け込んだ施設であったと思います。今では隣接地に高級で大規模なレジデンスが建設されてしまい、そのバランスが不釣り合いになっています。いまの建築は自らの敷地内のことだけを考え、周囲との調和を考慮に入れない帰来があります。


街全体として俯瞰した時に、何やら各々の建物の自己主張が強すぎて、雑居ビルが立ち並ぶような景観として見えてしまうのは気のせいでしょうか。建物を建てる側としては、その敷地に掛かっている建築規制に従って建設をしているに過ぎませんが、本来、建物としてのアート性を追求するなら自主的に景観に配慮すべきではないでしょうか。


この辺が世相を表しているといいますか、連帯意識が希薄化している現われだと思います。科学技術を突き詰め掘り下げて行きますと、どうしても専門分化してしまい、その専門領域間の調和を上手く図れなくなってしまいます。もともと建築とはアート性をも兼ね備える領域ですから、この景観への配慮というものをもう少し熟慮すべきでしょう。


現在、日本で建てられる建物は、何かしらル・コルビュジエの思想が受け継がれています。それが、建物そのもののデザインのみならず、その思想の背景にあるものも忘れてはいけないと思います。同氏の思想をもっと突き詰めるなら、コンクリートを素材とするよりも「木」の方が景観に溶け込むかもしれません。


当時の欧州での時代的な背景の中で、資源としての樹木は希少性が高く、それに替る素材として、また取り扱いやすさからコンクリートを使用することを前提に様々な作品のデザインがなされたものと思います。ただ、それは完全ではなく、与えられた制約の中で最善を尽くした結果だったのでしょう。


こうやって丘の上からみなとみらいを眺めていますと、確かに近代都市も完成に近付いているのかと思われます。しかし、何か高層ビルが乱立しているだけで、寒々として見えるのは私だけでしょうか。人間が主体の社会であるはずなのに、ビルの合間を行き交う人々の顔に暖かい笑顔が見てとれないのは気のせいでしょうか。


こうやって人工の街が出来上っていますので、これから時間を掛けて少しづつ変わって行くことでしょう。良きものは残し、それを強調して更に伸ばして行くことが再生の鉄則だと思います。差し詰め、建物というハード面先行の街づくりに、いかに暖かい血を流して行くかが、今後の課題ではないでしょうか。


今日もご覧いただきましてありがとうございます。
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